七夕と短冊における悪意の使用方法について、そして、この願い事で。
文字数 277文字
昨日の放課後、七夕用に学校の中庭に設置された笹に、友人である川端祈莉(かわばた いのり)が短冊を付ける所を、私は見てしまった。
「興味ないよね」
なんて私には言っていたくせに。
あの時、何も気にせずに彼女が周囲を気にしながら付けた短冊を見ずに帰れば良かった。
けれど、私は見てしまった。
「水背竜馬君と付き合えますように」
そこに書いてあることは、私にとっては絶望でしかなかった。
わかっていた筈なんだ。
女同士の恋は、9割以上の確率で、受け入れられないってことは。
だから、私は短冊にあの言葉を吊るしてしまった。
『ここにある願い事が、全て叶いませんように』
「興味ないよね」
なんて私には言っていたくせに。
あの時、何も気にせずに彼女が周囲を気にしながら付けた短冊を見ずに帰れば良かった。
けれど、私は見てしまった。
「水背竜馬君と付き合えますように」
そこに書いてあることは、私にとっては絶望でしかなかった。
わかっていた筈なんだ。
女同士の恋は、9割以上の確率で、受け入れられないってことは。
だから、私は短冊にあの言葉を吊るしてしまった。
『ここにある願い事が、全て叶いませんように』