黒い髪と道に咲く黒い花
文字数 486文字
薫の頭に一粒の雨が落ち、その黒い髪に艶を持たせた。
「雨?」
掌を上に向け、降っているかを確認すると、そこにポツリポツリと水滴が落ちた。
「やっば!薫、取敢えず雨宿りしよっ!」
美咲はそう言うと、薫の手を取って走り出した。
コンクリートに咲く黒い花は数を増していき、直ぐに黒い花園ができ、水の香りが走っている2人の鼻をついた。
近くにある公園へと入り、屋根のあるベンチで一息をついた。
「あちゃ~、大分濡れたなぁ」
薫がセーラー服に付いた水滴を手で払うと、美咲がハンカチを差し出した。
「ほら、薫」
「いいよいいよ、そんなに濡れてないみたいだし」
「でも……髪の毛とか濡れてるし」
美咲が薫の頭へと手を伸ばして、少し頭を下げさせた後、濡れていた場所にハンカチを当てた。
「風邪ひくかもしれないんだから、ちゃんと拭いときなさい」
「う、うん」
美咲は髪の毛を拭き終えると、拭いた後の髪の毛を撫でた。
「ひゃぅっ」
ハンカチ越しではないその感触が髪の毛から伝わり、薫は悲鳴のような声を、ついついあげてしまった。
「あらあら、かわいい反応」
指の腹で薫の髪の毛を撫でながら、美咲はフフッと笑った。
「雨?」
掌を上に向け、降っているかを確認すると、そこにポツリポツリと水滴が落ちた。
「やっば!薫、取敢えず雨宿りしよっ!」
美咲はそう言うと、薫の手を取って走り出した。
コンクリートに咲く黒い花は数を増していき、直ぐに黒い花園ができ、水の香りが走っている2人の鼻をついた。
近くにある公園へと入り、屋根のあるベンチで一息をついた。
「あちゃ~、大分濡れたなぁ」
薫がセーラー服に付いた水滴を手で払うと、美咲がハンカチを差し出した。
「ほら、薫」
「いいよいいよ、そんなに濡れてないみたいだし」
「でも……髪の毛とか濡れてるし」
美咲が薫の頭へと手を伸ばして、少し頭を下げさせた後、濡れていた場所にハンカチを当てた。
「風邪ひくかもしれないんだから、ちゃんと拭いときなさい」
「う、うん」
美咲は髪の毛を拭き終えると、拭いた後の髪の毛を撫でた。
「ひゃぅっ」
ハンカチ越しではないその感触が髪の毛から伝わり、薫は悲鳴のような声を、ついついあげてしまった。
「あらあら、かわいい反応」
指の腹で薫の髪の毛を撫でながら、美咲はフフッと笑った。