私だけのストーブ

文字数 226文字

z 教室のストーブの前で暖をとっていた奈美を、霧江が後ろから抱き締めた。
「おはよう」
「おはよ、霧江」
「手袋忘れちゃってさ。手が寒いんだよね」
「いいよ」
「ありがと」
 横にずれようとする奈美を制しながら、霧江は手を奈美の頬に当てた。
 絶叫が廊下まで響き渡る。しかし、霧江は手を離さずにそのまま暖をとりつづける。
「いやー、ナミナミはあったかいなあ」
「離してー、寒いー」
 ジタバタと暴れる奈美を堪能しながら、霧江は明日から手袋をせずに学校に来ようと強く思った。

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