コンディショナーはお帰りの後に

文字数 429文字

 カナエが私の家に泊まった日に、私達は色々な話をした。

再来年、高校を卒業した後のこと
今の不満に、幸せ
好きなお菓子に、趣味

 話題が止まらなくなり、結局私達が眠ったのは朝の5時だった。
 朝食と昼食を兼用したご飯を食べ終えると、カナエは帰ると言ったので、駅まで送ることにした。
 梅雨明けをしてないくせに太陽は強い日差しを容赦無くこちらに浴びせてくる。そのせいで、私もカナエもかなり汗をかいた。
 駅に着く寸前に、電車が来ているのが見えたので、彼女は「じゃあ、また学校で」と言って改札口へと走っていった。
 今まで彼女がいた場所には、香りが残っていた。
 嗅ぎ慣れたその匂いは、私の使っているコンディショナーの香りだった。
 そうか、昨日は私のやつ使ったから、今カナエは私と同じ匂いがするのか。
 それに気付くと、頬が熱くなった。
 誤魔化す為に「暑い」と言いながら、手で自分を扇いだけれど、自分の髪に付いている彼女と同じ匂いが鼻に運ばれてくるだけで、熱が取れることはなかった。

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