第50話 幸せな結末

文字数 553文字

 銭湯から帰って、部屋へ行くと、フスマの方からカサカサと音。
 ?、見れば、昨日のヤモリさん。捕まえようとしたら、フスマから落ちた。部屋の中は、昨日、押し入れの物を全部出しっ放しで、また見つけるのが大変。ダンボールやらをどかしていると、ドタバタと、パソコン横に立て掛けてある絵の方へ。「大丈夫だよ。ここだと、ご飯、ないでしょう。外に行けば、あるからね。外、行こうね」話し掛けると、ヤモリさん、顔を見上げて、ぼくを見ていた。

 おわん型に両手をつくって、囲うと、片手に乗ってきた! でも、また、ポトリと落ちた。またおわんをつくると、乗ってきた。でも、やはり慌てている様子。片手でフタをして、「大丈夫だよ、大丈夫だよ」と言いながら玄関へ。(移動中、手の中で、ずいぶん噛んできた)
 無事、ヤモリさん、庭へ。
 ああ、よかった! しかしヤモリさん、話し掛けてる時、ほんとにこっちを見て、じっとして、聞いてくれていた(笑)やっぱり、可愛かった。

 …昨日から、大瀧詠一を、よく聴いている。「幸せな結末」って、いい曲。淡々と、優しい歌声。やっぱり、大滝さんはいい。音楽って、いいなぁ。でも、なんで、聴いてると涙ぐむんだろう。心に、すんなり、入って来る。
 涙って、ほんとに不思議だ。何も悲しいわけじゃないのに。涙って、何だろう。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み