第77話 現在に立ち帰って(2021年9月6日~)

文字数 880文字

 過去のブログを「ノベルデイズ」に転載しようと思ったのは、あの時ほど毎日モノを書き続けた日々はなく、いろんなことを書いていただろう、という手ごたえから、もう一度読み返してみよう、あの頃の情熱を思い出そう、という魂胆。また、今何か書いていて、アレ、こんなこと、昔ブログに書いていたような…と思い出すこともあり、その確認作業も兼ねていた。

 ウェブリブログ。あれを始めたのは、友達が「ブログとかやらないの?」とぼくに言った、その一言がきっかけだった。元々、何か書くのが好きだったし、アメリカではブログから市民運動に繋がったとかいう話も見聞きした。
 たまたま、関西の鉄道会社が、ほとんど殺人のような事件を起こした時期とも重なって、やはり元々社会に対して何か言いたかったぼくは、「誰でもできる簡単ブログ」を本屋で買い、始めた。

 2005年から約10年続けたが、記事数約3200に対し、コメントが約2500。けっこう読まれたようだったし、反応も楽しかった。
 だが、今読み返してみると、ほんとうに恥ずかしい。
「何がこんなに書かせたか」、その理由、当時の自分の心の動きが、手に取るように分かる。
 読者からの反応がなければ、それを求めてまたせっせと書こうとし、いかに自分が、どんな人間であるかということを、そればかりを開示しようとしていた。
 結局、「自分が認められること」を望んでいたに過ぎない。畢竟、書く内容も、醜い、薄っぺらな内容になっている。(最初の1、2年はそうでもなさそうだが、徐々にそうなっていった)

 この、過去のものを確認する作業…醜悪な、醜いとしか言いようのない自分の心の動きが透けて見えて、見るのもイヤになる。
 だが、こんな自分だったんだ。
 これは、認めなければならない、いけない。
 まったく、こんなつらい作業になるとは思わなかった。ノベルデイズに、これからも何か書き続けるとしたら、いやというほどの自戒になる、いい機会だと思えなくもないけれど…
 一体、何のためにこんなことをしているんだろう、という、ぽっかり口を開けたむなしさに、頭ごと飲み込まれそうになる。
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