第27話 真摯に、自分と向き合う態度

文字数 887文字

 おそらく、これがベストだろう。自分と真摯に向き合う、そうして、書くということ。
 読まれようが読まれまいが、構わない。客観は添え木。
 さしあたって、自分を整理するように、今まで書いたものを投稿している。

 今日は、実に喜ばしいことがあった。「なろう」で、以前メッセージのやりとりをしたHさん。しばらく更新されず、気になっていたが、今日久しぶりに見に行くと、新しい小説が!
 それも、かなり野心的、というか、チャレンジするような作品だった。ひょんなことがきっかけで、少しばかりのやりとりをしたが、目指すところは同じ「同志」的な存在である。
 感想もポイントも受けつけず、「とにかく書く」という意志をぼくは感得した。これは、非常な励みになった。

 希望的観測も含まれるけれど、「単なる娯楽、読んで楽しい」が基本の小説投稿サイトも、いずれゆっくり変わっていくと思う。いつまでも、異世界だのファンタジーだのが続くはずがない。ガチガチの、前時代的な「文学」の時代が来るとは思えないけれど、その中間的な、真剣さに重きを置いた、魂に訴えるような作品が、徐々に求められるようになると思う。
 ぼくの書くのものは、多くの人に読まれるものでない。また、そんな「大多数(メジャー)」の中に入りたくない。これは、本気で言える。大多数というのは、まちがっていることが多いからだ。
「読み物は、女こどもが読むものだ」と太宰は言ったが、この言葉は素直に受け入れ難い。エンターテイメント、レジャーだけで、この世が成り立つわけがない。

 ともかく、Hさんがまた書き始めてくれてよかった。
 そう、こんなぼくのような読者もいるのだ。
「自分のような人間は少ない」といいう意識を持つことが、ぐるりと回って、それが他者に訴える強い意志の源泉になることがある。
 そして他者に分かり易いよう、読み易いよう、コツコツ書いていく作業… だが、やがて、そんな他者への意識もなくなるほどに、とことん自分の世界に熱中し、埋没できたら、それが最上の「ものを書く」姿勢のように思える。

「行ってらっしゃい」
「行って来ます」
 気楽に、真剣に。
 ええい、理屈ではない。
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