第70話 自分はメジャーになれないけれど

文字数 737文字

 それも、ぼくの運命と悟ろう。
 100万人に読まれるより、1人の人の、心に入って行くような文章を、書いて行こう。まずは、自分の心を、何とかしよう。これで食って行こう、なんて、考えちゃいけない。
 職業、これでカネ稼いで生きてくのかな、と考えれば、その途端に、イヤになってきた人間ではないか。どんな仕事も、長く続かなかった、ダメな自分。相応の、運命を受け入れよう、受け入れさせて頂こう。

 この投稿サイトに書くに当たって、思い出すのは、「出会い系」。携帯電話で、まだ無料で、そういう「系」で何人かの方と知り合った。実際にお会いした人に、「最初、冗談を書いているのかと思った」と言われた。
 バカまじめに、何やら自分、書いて、送信したらしい。ぼくには、自分が真面目とか何だとか、ほんとに意識がなかった。ただ、「出会い系」では、「珍しい系」の文面だったらしい。
 別に、まじめがイイとか、不まじめはダメだとか、全然そんなことは言いたくない。ただ、「そういう場所には、そういう人が来るもの」という先入観のようなものが、彼女にぼくを奇異に見させたのだと思う。

 今、自分が投稿サイトに文を書いていると、以前も書いたけれど、やはり「ここじゃない」感を思い知る気がする。偏見を持ってしまったのかもしれないけれど、どう見ても、違う…
 それが、いちばん、書いていて心細い。
 この心細さに、いつもやられそうになる。もうムリだよ。ここはお前の居場所じゃないよ。現実と同じように、パソコンの画面にも、自分の居場所はない、ような気になる。
 仕方ないと思う。とんちんかんなまま、ずっと、来たからなぁ。だんだん、元気もなくなってくる。仕方ない、仕方ない。
 仕方ない、から、始めようと思う。ほんとに、仕方がないから。
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