恋は見つかりにくい 3
文字数 1,269文字
はっきりしないことを男らしくないとか言う気はない。
私が例外なだけで、普通はきっとそういうのって形になるのに時間がかかったりするものだと思うから。
好きだと思ったけど恋じゃなかったとか、その逆とか、そういういろんな形がある筈で、だからむしろそこですぐ結論を出そうとしてないところに、私はやっぱりこの人が好きだなぁって思う。彼の中の変わっていっている何かと、ちゃんと向き合ってくれようとしてるのがわかったから。
それが私と同じようなものだったらいいなって、それは言うまでもないけど。
仮にそうじゃなかったとしても。
きっと私はその時振られるんだろうけど、それは今まで振られてきた過去のどの告白の返事より、誠実な答えだと思える。
「その上で身勝手な望みを言うけど。もう少し、時間をくれないかな……僕の中の答えが出るまで」
「いいよ。焦らないで好きにして」
だから、常葉君の言葉に即答した。
常葉君がはっと視線を私に向ける。
「どれくらいで答えが出るとか、そういう約束もできないのに?」
「普通は、気持ちってそういうものなんじゃないの? 焦っていつまでに絶対どうするか決めるとか、その方がおかしいよ。大事なことなのに」
うまく言えないけど。
私は自分の中の考えを、たどたどしく伝える。
わーって決まっていく気持ちもあれば、なかなか決まらない気持ちだってあると思う。
ただ、少なくともそういうのは「いつまでに絶対」とか決めるべきじゃない。
受験とかそういうのなら別だけど、自分の中の気持ちを、焦ってしまったら見失うんじゃないかな?
普通のそういう好きとか恋がどう生まれるかなんて、私にはよくわかんないけど。もしわかるとして、それは常葉君がちゃんとはっきり気づくべきだと思う。
決めつけたり急いだり、焦ったりしないで。
そこまで喋った時に、店員さんが頼んだ料理を持ってきてくれた。
テーブルに置かれる間、なんとなく無言。
「ごゆっくりどうぞ」
そう言って店員さんが離れて行った。それを見送っていたら、常葉君が言う。
「もしずっと待たされたらどうするの」
「どうもしないよ? だってその間はずっと私が常葉君のこと好きなだけでしょ? 今と同じだもの」
どうするも何も。
元々、この状態だっていつまでとかそういうの考えてなかったし、今がどこまでかわからないけど続くだけ。終わるまで私はずっと常葉君を好きでいていいし、少なくともその間は振られてない。
「待たされて振られたらどうするの」
「今振られても、仮に10年待った後で振られても、同じだもん。諦めて恋が終わるだけだよ」
本当そんなの、どうするも何もない。
ものすごーく待った後でも、仮に今すぐでも、振られるんだったら私の方は何も変わらないのに。どっちだったとしても結局すごい泣くだろうけど、それでもそこで死んだりしないし、いつかまた普通に生活するんだと思う。今までみたいに。
確かにすごく後だと、思い出が増えてちょっと泣く理由も増えるかもだけど……でも行き着く先は一緒だよね。
だからそう返せば、常葉君が頭を抱えた。
私が例外なだけで、普通はきっとそういうのって形になるのに時間がかかったりするものだと思うから。
好きだと思ったけど恋じゃなかったとか、その逆とか、そういういろんな形がある筈で、だからむしろそこですぐ結論を出そうとしてないところに、私はやっぱりこの人が好きだなぁって思う。彼の中の変わっていっている何かと、ちゃんと向き合ってくれようとしてるのがわかったから。
それが私と同じようなものだったらいいなって、それは言うまでもないけど。
仮にそうじゃなかったとしても。
きっと私はその時振られるんだろうけど、それは今まで振られてきた過去のどの告白の返事より、誠実な答えだと思える。
「その上で身勝手な望みを言うけど。もう少し、時間をくれないかな……僕の中の答えが出るまで」
「いいよ。焦らないで好きにして」
だから、常葉君の言葉に即答した。
常葉君がはっと視線を私に向ける。
「どれくらいで答えが出るとか、そういう約束もできないのに?」
「普通は、気持ちってそういうものなんじゃないの? 焦っていつまでに絶対どうするか決めるとか、その方がおかしいよ。大事なことなのに」
うまく言えないけど。
私は自分の中の考えを、たどたどしく伝える。
わーって決まっていく気持ちもあれば、なかなか決まらない気持ちだってあると思う。
ただ、少なくともそういうのは「いつまでに絶対」とか決めるべきじゃない。
受験とかそういうのなら別だけど、自分の中の気持ちを、焦ってしまったら見失うんじゃないかな?
普通のそういう好きとか恋がどう生まれるかなんて、私にはよくわかんないけど。もしわかるとして、それは常葉君がちゃんとはっきり気づくべきだと思う。
決めつけたり急いだり、焦ったりしないで。
そこまで喋った時に、店員さんが頼んだ料理を持ってきてくれた。
テーブルに置かれる間、なんとなく無言。
「ごゆっくりどうぞ」
そう言って店員さんが離れて行った。それを見送っていたら、常葉君が言う。
「もしずっと待たされたらどうするの」
「どうもしないよ? だってその間はずっと私が常葉君のこと好きなだけでしょ? 今と同じだもの」
どうするも何も。
元々、この状態だっていつまでとかそういうの考えてなかったし、今がどこまでかわからないけど続くだけ。終わるまで私はずっと常葉君を好きでいていいし、少なくともその間は振られてない。
「待たされて振られたらどうするの」
「今振られても、仮に10年待った後で振られても、同じだもん。諦めて恋が終わるだけだよ」
本当そんなの、どうするも何もない。
ものすごーく待った後でも、仮に今すぐでも、振られるんだったら私の方は何も変わらないのに。どっちだったとしても結局すごい泣くだろうけど、それでもそこで死んだりしないし、いつかまた普通に生活するんだと思う。今までみたいに。
確かにすごく後だと、思い出が増えてちょっと泣く理由も増えるかもだけど……でも行き着く先は一緒だよね。
だからそう返せば、常葉君が頭を抱えた。