【余談】裏側の恋愛症候群(本編同時間内)

文字数 732文字

「で?」
「同じ学校の常葉君! すっごいカッコイイし優しいし頭もイイし運動もできるし! なにより初めて会った時にわかったんだもん! 絶対運命だもん!」
「毎回そう言ってるけどなー」
「今度こそ間違いないの!!」
「ってか、この前告白するっつってなかったか?」
「したよ……ちょっと気が早かったみたいで」
「断られたんだな」
「仕方ないでしょ! だって常葉君はまだミカのことよく知らないはずだし。でも知ってもらえれば気づいてもらえると思うの!」
「はぁ。運命だって気づくって?」
「そうよ。運命の恋人同士はお互いに気づくに決まってるでしょ」
「昔っから恋愛脳だよなー」
「すぐにうまくいかないのだって良くあるっていうか。むしろ障害乗り越えて気づくっていうか」
「その上少女漫画脳っていうか」
「放っといてよ! ミカがどうでも関係ないでしょ!!」
「お互いに気づく、ねぇ」
「そーだよ。恋人になったら真っ先にあんたに見せてあげる」
「俺より格好よくて優しくて頭もよくて運動もできるって?」
「す、少なくとも全部同じくらいだもん」
「そりゃすげぇ」
「だから、絶対諦めないし」
「焦ってんなー」
「だって、そんなの、仕方ないじゃない」
「そんなに認めるのが嫌か」
「違うんだから認められるわけないでしょーっ!」
「まぁせいぜい頑張れば?」
「……言われなくても頑張るし」
「だろうな」
「…………あんたは、平気なわけ。いっつもそう言うけど」
「別に。関係ねーし」
「……………………関係ないんだ」
「そりゃな。出口の決まってる迷路なら、途中でどんなに迷ったって関係ないだろ」
「意味わかんないし」
「だろーな。まぁ精々頑張って迷ってろよ。どうしようもなくなったら何時でも見つけてやるから」
「意味、わかんないし」
「待つのは慣れてっから」
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