恋の始まり 2

文字数 618文字

「ごめんなさい、いきなり呼び出して」
「構わないよ」

「どうしても、その」
「うん」

「…………好きですっ! こんなに誰かを好きになったのは初めてなのっ!!」
「うん」
「だから、その……できれば、私と」
「うん」

「付き合ってください!」

「ん、ありがとう。嬉しいよ」
「じゃ、じゃあ!?」

「うーん……そうだね、ちょっと僕に協力してくれないかな」

「えっ!?」
「それが終わって、もし同じ気持ちだったら、その時は僕も前向きに考えるよ」

「!」
「でももし違ったら、この話はここで全部終わりにしよう」

「な、なんでもするっ! なんでもするから言って! 私あなたのためならどんなことだって」

「……あなたのため、ねぇ」
「え?」

「ううん、なんでもないよ。じゃあちょっと失礼して」
「えっ!? ……あ」


「ふぅん? まぁこんなものかな」


「あ……あ……」
「これで今夜の仕事分にはなりそうだね。協力ありがとう。感謝するよ」
「あ……うん」

「で。約束だから確認するね。同じ気持ちかな?」

「…………。うぅん、ごめんなさい。私、なんで……」
「嘘じゃないね?」
「うん……ごめん。さっき言ったこと、嘘じゃなかったの。嘘じゃなかったのよ……でも、私」

「怒ってないよ。君が素直な人だっただけだから。じゃあ約束通り、僕は何もせず、この話はこれで終わりってことでいいかな?」
「うん、大丈夫。ごめんね、いきなり……」

「構わないよ。じゃあ、今後はただの友人として、よろしくね」
「うん。じゃあね」

「さよなら」
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