恋、諦めません
文字数 1,353文字
家に帰ってからも、スマホに残った履歴を眺めてニマニマとしていた。
常葉君って時々きついこと言うし突き放そうとしてくるけど、やっぱり基本的にいい人なんだなーって思う。私を利用しようとしてるのは事実かもしれないけど、もしもそれで私が逃げたとしてもきっと怒らないし、追いかけてこないだろうなって。
むしろ、逃げて欲しいのかもしれない。
だから何度も突き放そうとして。
それなのに冷たくなりきらないのは元の性格なのか、本人も決めかねてるのか。わからないけど、こんなんじゃ嫌いになんかなれないよ。むしろ今までよりもっと気になる存在になっちゃうよ。
自分の部屋のベッドの上、私はスマホを抱きしめる。
いつでも連絡が取れるようになった。何の接点もなかった昨日までに比べたら大きな進歩。
これから先何度もこの恋が取られるのだとしても、それでも私は、常葉君に嫌いだって振られない限りは何度だって好きになるんだろう。
そして今日話をしたことで私の中には密かな確信がある。
きっと常葉君は、本気で嫌いにならない限り、自分から私を嫌いだって言わない。
それは本当に都合よく使いたいだけだからなのか、他に理由があるのかはわからない。ただ少なくとも、本気で嫌われてないのはわかるし、むしろ気にされているのは伝わってくる。もしかしたら、面倒だったとしても、嘘で適当に断るってことが出来ないのかもしれない。
いろんな女の子の恋をずっと奪ってきたと思うのに。
おかしい話だけど。
でも、そう考えると、確かに常葉君は勝手に恋を奪ってきてるけど、奪う前には本人にちゃんと確認してるんだよね。きちんと説明してないずるい方法だったけど、でも、あれだって説明が足りなさすぎるだけで、きっと嘘はついてないんだよね。
もしかして……嘘をつきたくない?
そうなのかな?
どうなんだろう?
天井を見上げながら常葉君を思う。
すごく好き。それは、好きって言ったからだけじゃない。今日もお話できて、そしてもっと好きになった。
声をかけるのだけとっても私が困る事を配慮してくれるところとか、帰りは途中から一緒じゃなかったけど、後ろからずっと言葉をかけてくれたところとか、気遣いはできる人なんだなぁってわかった。
嫌だなーって思うところもあるけど、それを含めたって、好きになってよかったなって思える人だった。
知らないことはすごく多いけど、教えてもらってないことの方が多いけど、それだって適当に嘘をつかれるよりもマシだって思う。
好きだな。
常葉君。
あなたが私を嫌いだって振らない限り、私、きっと何度この恋を取られたって、あなたを諦められそうにないよ。
もしも私に諦めさせたいのだとしても。
きっと私、何度だって好きって言う。何度とられたって、振られたのでない限りは、好きだって言いたい。
さっきからずっと、ぎゅっと握りしめているスマホは、私の手の熱が移ってしまった。その中に常葉君と繋がるものがあると思うと、手放したくなくなって困る。
この恋はいつまで持っていられるんだろう。
常葉君に振られるまで、あとどれくらい時間があるんだろう。
わからないけど、ここにある間はきっと私の熱は下がらないまま。
できればこの熱が長く続けばいいな、なんておかしなことを思った。
常葉君って時々きついこと言うし突き放そうとしてくるけど、やっぱり基本的にいい人なんだなーって思う。私を利用しようとしてるのは事実かもしれないけど、もしもそれで私が逃げたとしてもきっと怒らないし、追いかけてこないだろうなって。
むしろ、逃げて欲しいのかもしれない。
だから何度も突き放そうとして。
それなのに冷たくなりきらないのは元の性格なのか、本人も決めかねてるのか。わからないけど、こんなんじゃ嫌いになんかなれないよ。むしろ今までよりもっと気になる存在になっちゃうよ。
自分の部屋のベッドの上、私はスマホを抱きしめる。
いつでも連絡が取れるようになった。何の接点もなかった昨日までに比べたら大きな進歩。
これから先何度もこの恋が取られるのだとしても、それでも私は、常葉君に嫌いだって振られない限りは何度だって好きになるんだろう。
そして今日話をしたことで私の中には密かな確信がある。
きっと常葉君は、本気で嫌いにならない限り、自分から私を嫌いだって言わない。
それは本当に都合よく使いたいだけだからなのか、他に理由があるのかはわからない。ただ少なくとも、本気で嫌われてないのはわかるし、むしろ気にされているのは伝わってくる。もしかしたら、面倒だったとしても、嘘で適当に断るってことが出来ないのかもしれない。
いろんな女の子の恋をずっと奪ってきたと思うのに。
おかしい話だけど。
でも、そう考えると、確かに常葉君は勝手に恋を奪ってきてるけど、奪う前には本人にちゃんと確認してるんだよね。きちんと説明してないずるい方法だったけど、でも、あれだって説明が足りなさすぎるだけで、きっと嘘はついてないんだよね。
もしかして……嘘をつきたくない?
そうなのかな?
どうなんだろう?
天井を見上げながら常葉君を思う。
すごく好き。それは、好きって言ったからだけじゃない。今日もお話できて、そしてもっと好きになった。
声をかけるのだけとっても私が困る事を配慮してくれるところとか、帰りは途中から一緒じゃなかったけど、後ろからずっと言葉をかけてくれたところとか、気遣いはできる人なんだなぁってわかった。
嫌だなーって思うところもあるけど、それを含めたって、好きになってよかったなって思える人だった。
知らないことはすごく多いけど、教えてもらってないことの方が多いけど、それだって適当に嘘をつかれるよりもマシだって思う。
好きだな。
常葉君。
あなたが私を嫌いだって振らない限り、私、きっと何度この恋を取られたって、あなたを諦められそうにないよ。
もしも私に諦めさせたいのだとしても。
きっと私、何度だって好きって言う。何度とられたって、振られたのでない限りは、好きだって言いたい。
さっきからずっと、ぎゅっと握りしめているスマホは、私の手の熱が移ってしまった。その中に常葉君と繋がるものがあると思うと、手放したくなくなって困る。
この恋はいつまで持っていられるんだろう。
常葉君に振られるまで、あとどれくらい時間があるんだろう。
わからないけど、ここにある間はきっと私の熱は下がらないまま。
できればこの熱が長く続けばいいな、なんておかしなことを思った。