文字数 581文字

 一月、地震があった頃。正月休みを終えた私は会社へと出勤した。
 出勤して数日後。片耳に音がこもって聞こえにくく、これはおかしいと違和感を覚えた私は、その翌日、有給を使い生まれて初めて耳鼻科へ行くことにした。
 簡単な問診票を書き、他にもたくさん待合室にいる患者さんを見渡した。
 以前、町にある小さな医者だけど、人気でいつも混んでいるんだよと聞いたことがあったが、お年寄りから子どもまで年齢層は幅広い。
 ぱっと見では判断できないが、みんな耳や鼻、喉に何かしら不調をきたして通っているのだろう。

 数時間待って、いよいよ診察室へと足を踏み入れる。
 今日はどうしたんだい? と尋ねる先生に、片耳がこもって聞こえにくくてと言うと、聴力検査をしてみようという流れになり、そのまま検査室で検査をする。
 検査を終えて、再び先生の前へ座ると、「うん、これは突発性難聴だね。発症して早めに来てくれてよかったよ。早ければ治る可能性が高いから、まずはお薬出しておくよ」
 突発性難聴って……あの有名人がなりましたって時々ニュースで見かけるあの突発性難聴になったと言うのか、私が?
 そのあと、諸々の注意事項を説明されるが、まるで他人事のように聞こえる。
 それから耳の治療に専念するため、健康的な生活改善をしなければならない。
 つまり、一時的に創作活動にも規制をかけることになったのだった……。
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