書店通い

文字数 463文字

 昨年、急性心筋梗塞で倒れた祖母は、経過も順調であった。
 祖母は元々活動的な人なため、あれこれしてはいけないことをかかりつけ医から言われた時は悔しがっていたという。
 家で大人しくしている時間が増えたことで、今まで見向きもしてこなかった読書に身を入れるようになった。
 飽きないようにとあれこれ貸したものの、恐ろしい速度で読破していくので、私もついに貸す本が無くなってしまった。

 祖母はなぜか漢和辞典を欲しがったので私が買って渡したり、病気に関わる解説書のような本を買ったり、ちょこちょこと本屋に行くことが増えた。
 私としては本屋に行くのが好きなので苦にはならない。
 読むなら文字が大きい本がいい、文字が小さいと目がしょぼしょぼするからと祖母はこぼしていた。
 たまたま何冊か持っていた文字が大きい児童書を貸した時は楽しそうに読んでいたので、もしや相性がいいのは児童書なのかも……なんて思う。
 確かにたかが児童書と侮ると痛い目を見る。
 大人だし児童書なんてと目を向けていないせいで読み応えのある作品が結構埋もれていたりするのだから。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み