秋の気配

文字数 438文字

 真夏の暑さが通り過ぎ、気温が下がって幾分か過ごしやすくなった。
 それとともに日暮れが早くなり、夕方六時頃になれば辺りが暗くなっている。
 セミの鳴き声はいつの間にかコオロギやスズムシに取って代わられ、仕事帰りの道を歩けば、その鳴き声で季節が移り変わったんだよと教えてもらった。
 どこかの畑の一角に生えたススキが、風に身を任せてゆらゆらと揺れている、そんな中で赤とんぼがその周りをすいすいと楽しげに飛び交う。
 ひっそりと群生する彼岸花もところどころで見かけるようになって、どこかうら淋しく感じてしまうのは仕方ないのだろうか。
 風もどことなく冷たくなり、半袖で外にいると肌寒くて上着が必要なくらい。
 虫の鳴き声、ススキ、赤とんぼ、彼岸花、風の冷たさは、視覚、聴覚、触覚に直接訴えてくるせいか、周りを意識するだけで秋の気配をはっきりと教えてくれている。
 これからさらに朝晩の寒暖差が激しくなれば葉が色づき、イチョウや紅葉の葉の艶やかさが際立ってくるのがこれからの楽しみになりそうだ。
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