真っ白のキャンパス

　人の人生は、色に例えられることがしばしばある。薔薇色の人生、お先真っ暗、などなど。意外にも色を大事にしていることが伺える。

　人を色に例えてみようか。
　産まれたばかりの命は、純粋無垢にして、無色透明のようなもので、容易くどんな色にも染まりやすい、危うい側面を持つ。良くも悪くも。
　無事に大人に成長したとして、無色透明でいることは、ほとんどの場合難しい。なぜならば、その間に様々な自己主張の激しい色があなたの周りであなたを自分の色で染めあげようと虎視眈々と狙っているのだから誠に怖いものである。
　どんな人も生きている以上、たくさんの出来事に揉まれる。それでも上へ上へと、さらに伸びようとする若葉のごとく、どんな困難にぶち当たったとしても、人はよりきらきらと輝くために乗り越える努力をする。
　そんなふうに前を向いてがんばるあなたの心は、きっと真っ白のキャンパスだ。
これから始まる幾多の経験で、そのキャンパスをカラフルな色に染めて、自分だけの色を作っていってほしい。
　どんな素敵な色で満たされるのか、誰にも分からないからこそ、面白いと感じるのかもしれない。