SNS断ちをしてから

文字数 696文字

 SNS断ちをしてから、約一ヶ月。
 情報収集の手段が無くなって焦る気持ちは全くなく、むしろ情報の取捨選択が得意になったように思える。
 やめる前にどこでどう調べたらその情報が出てきやすいのか色々と下調べしていた甲斐があった。
 特に、時間を有意義に使えるようになったのは大きい。
 趣味である読書の時間の確保ができたことが一番の成果だ。
 ほかには自分の興味のある分野について調べたり、創作メモを作ったりと、創作に対してSNS断ちをする前よりも向き合えている。
 良くも悪くも余計な情報が入り過ぎて、中毒気味で時間の使い方まで無駄だったのが、本来の正常な状態に戻ったのだから当然と言えば当然。

 それでもまだ頑なにあのSNSにしがみつく人はいるのだ。自分の承認欲求のために。
 自分が満たされるのは一瞬、一秒にも満たないものだったとしても。
 例えば砂浜にある一粒の砂のように周りに埋没し、どこにあるのか分からなくなってしまうほど儚く脆いものだとしても、それでもすがりつかずにはいられないのだろう。
 私はSNSを通してその承認欲求の怖さに触れて、ああはなりたくないと思う。
 自らの承認欲求のために、人を踏み台にし、貶し、その人間を精神的に追い詰めてまで人気になど、注目などされたくはない。
 それではやっている行為が犯罪者と何ら変わらないではないか。
 犯罪者でなければSNSで生き残れないのなら、私は犯罪者の仲間にならない選択肢を取る。

 もちろん皆が皆、我欲にまみれすぎた者ばかりではないことも長年いたのでよく知っているが、そんなまともな人達はさっさと離れて、胸を張って自分の歩むべき人生を歩んでることだろう。
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