雪の襲来

文字数 533文字

 ついに来てしまった、奴らの襲来が……。
 奴らは、寝ている間に一切音も立てずにしんしんと積もる。
 そして翌朝にカーテンを開けると、真っ白な世界へと染め上げているのだ。
 なんて見事な手際だろう。その奴らの名前は雪。
 雪国に分類される県のひとつに住むため、程度はどうあれ、冬はどうしても向き合わなければならないのが問題なくらいで、それを除けば特に気になることはない。
 
 雪がたくさんあって喜ぶのは子どもくらいのもの。
 私も子どもの頃は雪にまみれるのが楽しくて、上着についた雪が溶けてびしょびしょになろうが、夢中になってはしゃいだものだ。
 今思い返しても懐かしいが、大人になった今、同じことはやりたくはない。

 正直なところ、雪かきをしなければ車庫から車を出して出かけることも叶わないため雪かきは嫌いだ。そして外出制限が否が応でもかかるのはかなり痛いところ。
 何より毎日していると筋肉痛になるのがきつい。
 仕事ですでにクタクタなのに、仕事に雪かきが追加されるだけでうんざりだ。
 何年か前にかなりのドカ雪で、会社が雪で埋まってどうにもならなくなった時に比べたら、普段降る雪の量などかわいく感じるレベル。
 明日から年末まで、連日雪かきの覚悟を決めておかないといけないなと思った。
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