たけのこご飯

文字数 584文字

 自分が行きつけにしているいくつかの道の駅の中に、ほぼ毎年美味しいタケノコを売っている場所がある。
 今年も何度も何度も訪れるものの、なかなかたけのこが入荷しておらず、いつ行っても入荷未定か品切れかのどちらかで半ば諦めつつあった。
 この場所には、この時期限定でたけのこご飯を売り出す。
 何年か前にたまたま気が向いて買って食べたところ、非常に美味しかったので、毎年これを食べたいという理由で行く。
 今年も、たけのこそのものは置いていなくても、きっとこのたけのこご飯の具材としてならそのうちあるはずだとにらんでいた。
 訪れはじめて何度目かにやっとチャンスがあり、店頭に置いてあった時は感動した。

 ──もちろん即買ったのは言うまでもない。
 このたけのこご飯、美味しさを知っている人はかなりの数をまとめ買いするが、ただの観光客はあまり手を伸ばさない。
 実際にお昼時に買いに行ったのにかなりの量が山積みだったのが証拠だ。
 他所からこの道の駅に来た人達は、まず店内の飲食店で食事を済ませてしまうから買う必要性を感じないのだろう。なんてもったいないことを。
 しかしそのおかげで自分のような、たけのこご飯だけが狙いの者には品切れの心配をせずに安心して買える保証があるだけありがたいものである。

 ちなみに、たけのこは何となく春のイメージが強いけれど、実は暦上では初夏の食べ物なのだそうだ。
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