タチアオイ

文字数 287文字

 タチアオイがちらほらと顔をのぞかせる6月中旬頃。
 田舎ではどこかの畑の片隅で小さな群れを作って咲いているのをよく見かけるようになった。
 梅雨に入るのを教えてくれる花として知られているこのタチアオイは、てっぺんまで咲ききると梅雨の終わりを告げる花へと変わる。
 始まりと終わりを告げるお得な花だなあと思う。
 近年は地球温暖化で四季が崩れているが、花や動植物はどんなにずれようが自然の流れに忠実だ。
 タチアオイも数日から数週間、梅雨の時期がずれようと花を咲かせ自らの役目を果たす。
 ぼんやりと外を眺め、視界に入ってくる花を見ては、今日も季節が動いていることを実感する日々である。
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