霜月

文字数 460文字

 早朝に起きて、家の周辺にある小さな原っぱを見やると霜が降りてどことなく幻想的な光景が広がる。
 霜月の名にふさわしい、いい霜の降りっぷりだ。
 ピンと張ったような冷たい空気の中、白鳥の群れが上空で鳴くのを聞いて、確かに季節が動いているんだなあと実感する。
 毎年毎年、見て聞いている恒例だからだ。
 近場の田んぼへと餌を求めて飛来するので、田んぼまでほんの少し車を走らせれば、白鳥をかなり間近で目撃することができる。

 昨今の朝晩の冷え込みで、各地の紅葉も綺麗に色づき、紅葉を写真に収めるべく観光地に出かける人間も増えているから混みあっているところも多い。
 あれだけ暑い暑いと騒いでいたわりに、一気に冷え込みすぎて夏服をしまい、冬服の準備を慌ててし始めたくらいだ。
 おでんや、温かい鍋が美味しい時期に変わったからか、スーパーに並ぶ商品も冷たい食べ物から冬の食べ物へとシフトしていく。
 この前スーパーに行くと、クリスマスと年末年始の準備始めませんか、の広告チラシが目に入り、もうすぐ今年も終わるのかとつかの間、感傷に浸るのだった。
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