第29話

文字数 2,653文字


源三郎江戸日記(弟四部)29

その後ろには南蛮の最新外科手術方法が詳しく書いてあります、これがあれば医師は入りませぬと言うと、こんな貴重なものをと言うので、幕府は長崎で最新の物をいつも手にいれて、
いるのですが、猫に小判なのですよ、今回はそれがしが知り合いに翻訳を頼んで、沢山作ったのです、医師も欲しがりますと言うと、これは面白そうですな、それがしもやってみまし、
ょう、

色々調合すれば良い薬も、作れますなと言うので、その者の体質によって色々調合を変えれば、薬は効き目がよくなるそうなのですと言うと、そうですな人それぞれですからなと言って、
色々楽しみが増えましたと喜んだのです、大田屋が船の事と大砲と鉄砲の事を話すと、愕いていたのです、しばらく歓談して細川公はこれで失礼いたしますと言うと帰っていったのです、

残った家老が、良い時に来てくだされました、それがしもホットしました、後はお楽しみくだされと家老と奉行は帰っていったので、はまゆうが送っていったのです、戻って来て今日は、
私と夕霧は村上様の貸切だそうです、後の芸子は次の座敷がありますので失礼させていただきますと言うので、三人にこれは今日のお礼じあと、5両づつ渡すと、こんなに宜しいのです、
かと言うので、

邪魔にはならぬだろうと言うと、有難う御座いますと言うと部屋を出て行ったのです、残った夕霧とはまゆうにも5両づつ渡すと、大田屋がそれはわたしに出させて下さいというので、
それでは2人は十両づつで良いではないかと言うと、こんなに沢山ですかと喜んだのです、女将にも5両渡すといりませんよ、お奉行様から頂いていますというので、気にするな取っ、
ておけと言うと、

それなら遠慮なくと受取ったのです、酒の肴でも指南するかと言うと、女将に芋はあるかと聞くと、ありますがと言うので、調理場をかりるぞ、大田屋は2人と飲んでいてくれと言っ、
て女将と調理場に行き、板前に少しかりるぞと、タスキをかりて袖口を縛り、芋の皮を向いて、細四角に切って、板前に天麩羅油を用意させて、鍋にてんぷら油を少しいれて芋の、
水を綺麗に取り、

中に入れて少しの時間揚げて少し焦げ目が出来るのを待って鍋を下ろして和紙で油を切り、砂糖を少量の水で溶かしてあげた芋にまぶしたのです、別の皿に移して食してみろと言う、
板前が食べて、こりこりして甘くて美味しいですね、女子が喜びます、砂糖を少なくしたから芋の甘さと良く混じるじあろう、次は芋を大きく切り同じように上げて、今度は醤油を、
砂糖より大目にして漬け込み、

別の皿に移して、食してみろというとこれは又芋なのに、飯のおかずになりますねと愕いたのです、どちらも酒の肴にもなるのじあよ、と言って女将に食べさせると、これはどちらも、
美味しいですと言うので、部屋にもっていかせたのです、食してみろと言うと、三人が食べて、これは美味い、芋も色々工夫すると酒の肴にもなるのですねと言うので、女将にここで、
出して客の反応を見てくれと言うと、

ハイ、芋をてんぷらにするなんて、板前が愕いていましたよ、はやらせれば、芋が沢山必要になるじあろう、この芋を四角くきれば上品に見えるじあろう、芋だと馬鹿に出来ない訳じ、
あと言うと、女子のお茶受けにも会いますよとはまゆうが言ったのです、大田屋が殿は料理人にもなれるのですねと感心するので、うなぎも、砂糖、醤油、酢、酒を適度に加えてタレ、
にしてつけて、

丁寧に焼けば泥臭さかせなくなり、ふっくら焼きあがるぞ、こんど板前に作らせてみなさいというと、ハイ、と言うので、酒と酢が泥臭さを取り身をふっくらさせるのじよ、他の料理、
にもやってみれば良い、これは筑前煮を応用したものじあと言うと、料理の指南もなさるのですかと言うので、これも大事な殖産の一つなのじあよと言ったのです、しかしまだ足りぬ、
なと言うと、

大田屋がこれ程やってもですかと言うので、熊本藩は年収の3倍およそ30万両の借財を抱えていると聞く、利息だけでも年に3万両月に直せば3千両じあ、利息も満足に払えてないじあろ、
う、これは先代が綱吉様の花鳥風月をまねて浪費なされた結果なのだ、利息を月に1千両程度にして、これを余禄で稼げれば良いのじあが、なければ改革は難しいなと言うと、大田屋が、
30万両ですか、

なんと言う額ですと言うので、女将もはまゆうも夕霧も絶対他にもらしてはならぬど、もらせば命に係わると言うと、三人は絶対もらしませんと言ったのです、先代が大阪の商人から、
度々借金を踏み倒しているので、両替商のあいだでは評判が悪いのじあよ、おそらく宣紀殿は高齢ゆえ次の代まではかかるであろうと言うと、女将がそれでは肥後ぞうがんと川尻で、
やっている木工はどうでしょうかと言って、

この帯止めもそうです、鉄に金を埋め込むのだそうですと言うので、手に取ってみると中々上品なつくりです、これは良いではないかと言うと、川尻ではさわらの木が沢山ありそれで、
桶や樽を作っています、なんでも水は通さず空気は通るそうなので酒樽などの寝かしておくのに良いそうですと言うので、それも良いな、大田屋みんなに聞けば色々あるではないか、
個人でやっているのを、

会所を作り沢山作れるようにして、大阪、京都、江戸にて商いすればこれも大儲けできるぞと言うと、わかりました、領内くまなく調べて殖産を発展させますと言ったのです、みなに、
やった金が何千両にもなる訳じあよ、まさに金が金を生むわけじあなと言うと、はまゆうが殿様の知恵は、配った金寸から生まれるのですねと言うので、そうじあよ、金がないと何も、
出来ぬと言う事じあと笑ったのです、

はまゆうと夕霧が私たちは何も思いつきませんがと言うので、仲間に聞いて良いものがあれば大田屋に教えれば良いぞ、大勢いれば沢山出てくるじあろうというと、そうですね女子は、
喋るのが好きですから、さつきの芋料理をお茶うけにして集まりますと言うと、女将がこの店にあつまりなさい、芋料理はタダで差し入れますよと言うので、お願いしますとはまゆう、
が喜んだのです、

大田屋がその時にわたしから1両だしましょうと言うので、それで阿弥陀くじをやって、1人が当たるようにすれば、大勢集まるじあろう、くじがひけるのは1品の特産物を紹介した者、
にすれば良いと言うと、はまゆうがそれは良いですね、1両貰えるなら沢山でますよ、月に一度やりましょうと言ったのです、大田屋が今日は女将じあなと1両だして渡すと、嬉しいと、
女将が受取ったのです、

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