第17話

文字数 2,695文字


源三郎江戸日記(弟四部)17

岸に着いたので漁師に黒鯛1匹と2分銀1枚を船賃だとつておけと言って、その仕掛けでの船なら手で漕がなくて良いので楽じあぞ、他の漁師にも教えてやれと言うと、こんなに貰ろうて、
いいだかと言うので、とっておけと言うと、有難うごせえますと受取ったのです、籠を下ろすと迎えに来た名主が愕いています、これで黒鯛は刺し身、アジはたたき、いわしは塩焼きに、
してくれと言うと、

こんな時間にこんなに釣れるとは名人ですねと言ったのです、名主の家に行くと七衛門が大漁ですねと言うので、今夜はご馳走だなと笑つたのです、湯に入りさっぱりして部屋に行くと、
名主が出来ましたと言うので、お前の家人にも分けろ、お前もここで食せと言うと、ハイ、みんな喜びますと言って、膳が運ばれて来たのです、泡盛と言う琉球の酒ですとみんなに女中、
が注ぐので杯を重ねたのです、

これはシナの酒と同じに凄い度数じあなと言うと、ハイ、シナの酒より強いですよと言うので、みんなも愕いていたのです、さあ取れたての魚じあ食うてみよと言うと、こり、こりして、
甘みがあり美味しいですね、と言うので、この島はいいところじあな、と言うと、名主が食うのには困りませんが、砂糖に縛られていました、これからは豊かになりますと喜んだのです、

女中がさんしんを弾き島歌を歌い他の女中が踊ったのです、踊り終わると、中々の歌と踊りじあなと手を叩いて、一杯飲めと酌をすると、気さくなお殿様ですね、大和の武家はおっかない、
と思っていましたがと言うので、これからは薩摩の武士もすこしはおとなしくなるじあろう、武士も百姓も同じ人間じあよ、恐れなくてもよいぞ、名前はと聞くとカナと言いますと言うの、
で、

お前のお父っさんはと聞くと、昼間船にのせた漁師ですと言うので、あれがお前のお父っさんかと言うと、あの船で楽になると喜んでいました、殿様は漁師も出来ますねと言うので、隠居、
したらこの島で暮すのも良いなと言うと、是非ここに住んでください、わたしがお世話しますと言うので、その時は頼むと言うと、酒を注ぐので一口飲み、この酒は飲みほせんなと笑った、
のです、

名主にここで上手くいけば他の島にも伝授してくれと言うと、資金も沢山頂きました、他の島にも分け与えて改革します、みんな大喜びするでしょうと言うので、役人にも言うておくと言、
うと、有難う御座います、この島役人の頭が他の島の役人の頭を勤めていなさりますので、邪魔はなされないでしょうと言ったのです、水田もこの島で食う以上になれば、薩摩藩も喜ぶじ、
あろう、

必ず買い上げてもらうようにするのじあぞ、ここに幕府よりの取り決め状をしたためておく、無体な事を言う役人がいたらこれを見せよ、逆らえば厳しいお咎めになると書いてあると渡す、
と、それは助かります、これで島役人が変わっても安心ですと言ったのです、御老中様がこんな島まで来てくださるとは夢にも思いませんでしたと涙を流すので、これ、これ泣くでない、
そなたも飲めと酌をしたのです、

明日は琉球じあと言ってお開きにして用意してあつた寝間に行くと、カナが寝酒と肴をもって来たので、少し飲んでフトンに入りうつらうつらしていると、カナがフトンに入って来たので、
どうしたのだと聞くと、ここで生まれるとこの島の外にはでれません、大和から来た男の子供が男なら島から出る事が出来ます、お種を下さりませというので、お父っさんは知っているの、
かと聞くと、

ハイ是非貰えといっていますと言うので、そうか、働き手がいなくなるのを防ぐ為じあろう、その制度はいくら老中と言えど変える事は出きぬ、わかった、一回で身ごもるのは難しいが、
カナは経験あるのかと聞くとハイと言うので、それなら出来るやも知れんなと言うと、帯を解き裸にして自分も裸になり下帯を解いて、唇を重ねて、乳房を揉むとあ~と声を出したので、
敏感な部分に指を入れて動かすと、

足をよじってよがり声を出したのです、凄く濡れて来たので、一持つを差込激しく動かすと、声を出してしがみついて来たのです、更に激しく動かすと、ぴく~と痙攣したので溜まらず、
放出したのです、カナは胸に顔をうずめて、気持良かったですと言うので、わしもじあよと言って唇を合わせて、再び燃えあがったのです、カナが起き上がり和紙で一持つを拭き下帯を、
しめなおして、

自分も又に和紙を挟み込み着物を着て、みずくろいをし、起き上がると酌をしたので飲み干して、杯を渡して酌をすると飲み干したのです、かための杯じあなと言って、籠から25両を取、
り出し、脇差を渡して、これが証拠のシナじあ、もし懐妊して男が生まれたら村上源之助となずけよ、女子なら海となずけよ、いつでも江戸に尋ねてきてもよいぞと言うと、ハイ懐妊す、
れば良いですと言ったのです、

お金はいりませんと言うので、取っておきなさい、懐妊してそなたが子供を産むまでに病気になるやも知れぬだろう、いざと言う時に使うのじあと言うと、ハイ、それではお預かりします、
と受取ったのです、朝まで一緒にいるのじあ、何回か情を交わせば確立が高くなるぞと言うと、ハイ、嬉しいですと手を握ったのです、朝まで何回か情を交わして、そのまま寝てしまった、
みたいで、

朝起きるとカナはいません、障子が開き、カナが手ぬぐいと塩を持ってきたので、起きて顔を洗うと、これでお別れじあが息災に暮せというと、ハイ、殿様もお気をつけてくださりませと、
言うので、朝餉の処に行き、朝餉を取り一服すると名主に世話になったと言って、25両渡すと、入りませんと言うので、邪魔になるものではない、取って置きなさいというと、お預かり、
しますと受け取ったのです、

それでは出立しょうと岸壁に行き小船に乗り代えて、千石船に乗り込むと、岸壁には名主、カナをはじめ多くの人が手を振ってと見送ったのです、船はイカリを上げて帆を張り一路琉球を、
目指したのです、次の朝には那覇に着き上陸すると薩摩の役人が幕府の軍船が何か用ですかと聞くので、家老のお墨付きと幕府巡察視の朱印状を見せて、上様の名代としてきたのだ、邪魔、
だてはするなよと言うと、

あの船はは南蛮船じあなと聞くと、エゲレスの船です、琉球との交易に来ているのです、ここは琉球ですので抜荷にはなりませんと言うので、分かっておる、抜荷の摘発に来たのではない、
七衛門船に合図して祝砲と鉄砲を放てと言うと、七衛門が赤旗を振ると、砲声がとどろき、11発の砲弾が海に落ちて爆発して水しぶきを上げて、銃声が11発したのです、南蛮船は玉の数で、
祝砲だと分かるので問題ないぞと言うと、

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