第9話

文字数 2,897文字


源三郎江戸日記(弟四部)9

それが皆目分からないのですと言うので、江戸にも仲間がおり政種様始め反対派を忙殺して種行様を藩主にして政を手にいれる積もりだろうと言うと、江戸は源一郎様達が警戒なさって、
いますと言うので、ヘビの頭を排除すれば騒ぎも収まるじあろう、江戸は父上と兄上におまかせしょう、放牧場の馬の横流しは何か書付があるのかと聞くと、ハイ、関屋と言う小倉の、
商人に横流ししております、

源信が賂の書付を手にいれています、放牧場の代官もグルですが、前回は処分されていません、その後も横流しを続けて白石様へ金は渡していたものと思われますというので、金があれ、
ば人は集まるからのう、国元で白石の一党は何人いるのじあと聞くと、30人はくだりませぬと言うので、今でも役についているのは誰だと聞くと、勘定奉行と町奉行です前回は襲撃の、
一味のみの処分でしたので、

網から漏れたのですと言ったのです、両奉行が白石の味方なら国家老も手が出せないのじあな、白石はいくら位蓄財しているのじあと聞くと、およそ1万両位だろうと言う事ですと言う、
ので、勘定奉行がからんでいるのなら、公金も横領しているのじあろう、みなが努力して藩財政を立て直したのに、許せぬやからじあな、間部あたりに内々の承諾でも貰っているのか、
もしれぬと言うと、

間部様ではなくて新井白石様と思われます、江戸にいる白石様の親族である、徒歩頭の藤堂様が新井白石の屋敷に何度か出入りしています、何をしているのかは分かっていません、新井、
白石様は小倉の商人、関谷とも親しいようで、関谷が江戸の出店に行った時は新井白石様の屋敷に必ず出入りしていますと言うので、おそらく、裏で糸を引いているのは間部じあろう、
奴は用意周到じあから表には顔は出さんからなと言ったのです、

新井白石はどうしてもわしを幕閣から排除したいのであろう、この九州巡察でわしを忙殺するつもりじあな、それで白石を利用しょうとしているのじあ、騒ぎを起こせば高鍋藩を改易に、
追い込むつもりじあろう、江戸に帰れば出身である高鍋藩に手心を加えたとしてわしを断罪する積もりに違いない、どっちでも良いわけじあよと言うと、何と汚い手なんですかと言うの、
で、

何処の藩にも不満分子はいるのじあよ、それをたくみに操り隙あれば改易に追い込むわけじあよ、改易した分自分に加増して貰う積もりだろう、欲深い奴じあが、上様も罷免する訳には、
いかんのじあ、甲府からの子飼いの家臣じあからな、又新井白石を干して、荻生徂徠を使う訳にはいかんのじあよ、荻生徂徠は綱吉公のお気に入りの学者で上様ではなく尾張公を次期、
将軍に推していたからのと言うと、

それでは上様の次の代はまだ幼少であらせられます、間部と新井はやり放題になりますねと言うので、それを押さえる為にわしを老中にされたのじあよ、あの2人を幕閣から追い出せば、
幕府の権威は失墜する困ったもんじあ、今までは悪人を善人に変える努力をしてきたが、そうも言ってられないようじあなあ、抹殺する事も必要になる権で力とは恐ろしい物じあな、その、
立場になりたくない者に、

白羽の矢が当たるから神様も意地悪じあなと酒を飲み干すと、殿の気持は良く分かります、やはりそれが出来るのは、殿しかおられないのですよと酌をしたのです、飛猿が入って来て、
治世は良いみたいで、特段悪い奴はいないようです、お蝶姉さんもお元気そうでと横に座り酌をしたのです、飛猿、才蔵も活躍しているそうじあなと言うと、今般150石に加増していた、
だきましたと言うと、

それは忍びでは大層の出世ではないかとお蝶が言うと、根来の頭も喜んで配下2人を下さりました、才蔵の配下も含めて6人で殿のお手伝いをしておりますと言うので、そうか、これから、
は敵も多くなるじあろう、しつかり奉公しておくれと言うと、それでは一曲と三味線を弾きながら歌ったのです、相変わらず上手い三味線だと手を叩いて、2分銀を渡すとありがとう、
御座いましたと受け取り、

それではもう一稼ぎしてきますと言うと席を立ったのです、配下の者を先に高鍋に行かせて、源信と繋ぎを取り、白石一派の動きを探らせよと言うと、才蔵を残しわたしは配下とともに、
先に高鍋に行きますと言うと席を離れたのです、着流しを来た武士が店に入って来て、傍に来ると村上源三郎殿ですなと言うので、お手前はと聞くと牧野成央御座ると言うので、これは、
牧野様わざわざのお越しいたみいりますと席を勧めると、

ご老中みずからの巡察ご苦労様ですと言うので、役目で御座りますまあ一献と酌をして杯を重ねたのです、さすがは牧野様8万石の城下町ですな、平穏そのもので何も問題ありませぬと、
言うと、そうで、ござるか、中々目が行き届かない事もござるというと、わしにもこのイワシをくれと頼んだのです、一人では危のう御座りますよと言うと、あの奥にいる者はわしの、
警護に御座る、

時々町に出て、羽を伸ばしているので御座ると言うので、来月参勤交代で江戸にいかれれば、若年寄りにおなりになるとか、持ち出しになり大変に御座りますなと言うと、わし如きに何、
が出来るやらと言うので、上様はたいそう期待しておられますと言うと、間部と新井が牛耳っている幕閣では何も出来ますまいと酒を飲み干すので、あの2人の押さえに御座りますよと、
言うと、

村上殿が頼りじあよしなに頼みますぞと言うので、それならここの勘定は頼みますぞと言うと、おまかせ下されと言うので、ありがたいならば参勤交代で節約する方法を伝授いたします、
と言うと、それは助かると言うので、まずは延岡を出るときには300人で行列を組み、籠は使わず騎馬とするのです、佐伯の城下は20騎で本陣に入り、行列は通過して解散して150人を、
残し分宿し、

残りはばらばらに延岡に帰します、牧野殿は佐伯から150人で船に乗り大阪に行き、行列を組み京を通り大津の本陣に入ります、150人は大阪に戻り船で三島経由で江戸に行き、上屋敷に、
入ります、牧野殿は大津から騎馬で東海道を江戸に向かうのです、荷物は船に乗せ道中奉行が三島に降ろし牧野殿を待ちます、到着したら雇った150人に藩士の格好をさせて行列を組み、
箱根の関所を通過します、

箱根を超えたら解散して荷物は先に送り、後は品川宿の手前に先に行った150人を待機させ、行列を組み品川から江戸上屋敷に入るのです、牧野殿と20騎は総て本陣に泊まり、家来は旅籠、
寺に分宿している事にすれば良いのです、牧野殿と20騎は必ず本陣に泊まりますので問題ないわけです、又騎馬ですので早く旅をする事ができます、こうすれば今までの費用の3分の1の、
費用で済むわけです、

と説明すると、なる程宿場役人が監視している場所のみ、行列で進めば良いわけですなと言うのでそうですと言と、それなら費用の工面も楽に出来ますと感心したのです、船は玄海屋に、
頼んでおきましょう、佐伯からですと、大阪に2日、江戸に三島経由で2日で着く船を用意しましょう、二隻の船に分乗します、船賃は安くするように言うておきます、この勘定のお礼、
ですと言うと、

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