第106話

文字数 2,810文字


源三郎江戸日記(弟四部)106

翌日は出仕して宗春殿と新井白石は尾張に逃げましたぞ、明日に船で行けば先回りできます、2人の謀略を阻止するしかありませぬと言うと、間部がお願い申す、このような事が露見、
すれば、幕府の権威は地に落ちますと言うと、安部が新井は改易に御座るなと言うと、井伊がまだ確たる証拠はありませぬと言うと、間部が用人からお役ごめん願いと、左手が痛むの、
で暫く湯治に行きたいと願いが出ました、

確たる証拠がない以上、役目不行き届きにより、お役ごめんの沙汰しか出せませぬ、事がはっきりしてから処罰しますと言うと、安部がくそ~悪知恵の働く奴じあと唇を噛むと、井伊、
が阿部殿老中は感情にまかせて事を決めてはなりませぬ、心情は分かり申すが冷静になりなされと言うと、井伊殿はいつも新井をかばわれるが、何か貰っておられるのかと言うと、何、
を言われる、

侮辱されると、このままには捨ておきませぬぞ、と刀に手をかけると、井上が老中は感情に走ってはいかんと言われたばかりですぞ、落ち着きなされとなだめると、刀から手を放すと、
二人はにらみ合ったのです、間部が困った顔をするので、源三郎が参与がいないのは、不都合でござれば林大学に参与を申し付けられてはと切りだすと、井伊が林鳳岡は算術にもたけ、
ておると聞く、

朱子学の大家じあそれは良いと言うと、間部が先代は綱吉公に使えていたがと言うので、安部が良いでは御座らぬか新井よりよほどましに御座ると言うので、承知しました話しをして、
みましょうと言ったのです、間部と井伊が残り他が退席すると、林は村上殿と親しいと聞く、安部殿も村上側についた、これ以上奴の勢力が増せば、われらは何も出来なくなると言う、
と、

村上殿は前面では発言されぬ、もめたときに口を出すだけで御座れば、間部殿に対抗しょうと言う気は御座らぬよ、しかし新井の奴、安部を怒らせたのはまずい、お陰でわしまで噛み、
つかれたではないか、この際阿部を罷免して新しく息のかかった者を老中にすれば宜しいのでは、久世にすれば良かろう、井上は残しておいた方が良いでござるよ、反対者は1人くら、
いいる方が良いと言うと、

理由はと聞くと、どうも新井白石の右手を切り落とさせたのは安部が糸を引いているとの事で御座る、事の始まりは新井と安部のいさかいで御座る、内々に阿部を間部殿が詰問しなさ、
れば白状しますよさすればお役御免願いを出すでしょう、久世を入れて新井の参与最就任は可決すれば宜しいと言うので、新井と林とで牽制させるのも良いなと間部が言って、わかり、
申した、そうしましょうと頷いたのです、

源三郎は上屋敷に戻り、お玉に訳をはなして、戻ってそうそうじあが行くしかないと言うと、承知しましたお気をつけて行って来なされと言うので、エミを同行させて高鍋にも寄って、
くるぞと言うと、今は父上は高鍋で隠居しております、よしなに言うてくだされと言うので、あいわかったというと、御座所に行き江戸家老に訳を話して、今回は同行は要らぬ帰った、
ばかりじあからなと言うと、

それはなりませぬ、山形を行かせます、他の4人は違う者をつけます、1人で行く等もっての他です、殿は川越藩の当主ですぞ、その下には大勢の家臣がおりますと言うので、そうか、
ならば仕方ない、明日に出立する準備するように伝えよと言うと、承知いたしました、江戸、国元の事はおまかせあれと言うので、すまんのうと言うと、何を言われますか、殿がおら、
れるので、

みな安心して奉公しているのです、殿こそご苦労に御座りまする、すこしもゆっくり出来ませぬな、尾張藩と戦なさるなら、全藩士を船で送りますぞ、藩士郎党をいれれば1500人は、
送れます、玄海屋の船子をいれれば2500人に船団20隻になります、最新式鉄砲も50丁は保有しています、国家老の遠山殿が工夫されて350間はゆうに届くそうです、筒の中に螺旋の、
溝が切ってあり、

300間でも命中精度は上がっているとの事です、江戸屋敷に20丁届いていますので、それを持たせますというので、それは凄いな尾張藩の鉄砲より100間も先に届くぞ、それなら敵が、
何人いても叩き潰せるなと言うと、みんなで日々工夫しておりますと胸を張ったのです、色々新田開発物産奨励で約6万石は増えています、川越藩は、実収13万石に御座います蓄財、
も5万両ありますと言うので、

それは凄いな、蔵においておいても何もならぬ、藩士の為にすこしはやると良いと言うと、盆、正月には些少は配っています、又商人が事業を拡張したい場合は物産会所を通して、
無利息で貸し付けています、利息を取らなければ商いにはならないのでご定法には触れませぬと言うので、なる程それで商いが増えれば、冥加金が増えるわけじあな、誰が考えた、
のじあと聞くと、

遠山殿に御座りますと言うので、中々知恵が回るのうと言うと、殿から褒めてくださりませと言うので、帰ってきたら国元にも顔をだそうと言うと、みんなが大喜びしますと言った、
のです、金貸しの邪魔をしないようにやれよと言うと、両替商にも貸しております、これは幕府と同じで3分の利息を取っていますと言うので、なる程中々の施策じあなと言ったの、
です、

玄海屋に行くと七衛門が出迎えたので、お内儀は大丈夫かと聞くと、ハイ、すかり元気になり奥を取仕切っていますと言うとのでそれは良かったと言うと、奥座敷に案内したので、
座りるとお内儀が茶を持ってきたので、顔色も良いようじあなと言うと、ご迷惑をおかけして申し訳ござりませぬと言うので、いや、仁蔵が良く働いてくれた、お陰で助かったぞ、
と言うと、

それはようござんした、それではごゆっくりと言うと部屋を出て行ったのです、実はなと経緯を話すと、そうですか腰を落ち着ける暇もありませぬな、船と船子は用意しておきます、
今回はそれがしも同行しますと言うので、そうか、それは助かる宜しく頼む、料理屋に行っておるので後で顔を出してくれと店を出て料理屋に行ったのです、女将がお戻りなさいま、
せと言うので、

あしたから又尾張に行くのじあと言うと、まあ、それは又大変に御座りますなと言うので、新之助と三蔵を呼んでくれと言うと、呼びにやらせたのです、新之助と三蔵が入って来た、
ので、三蔵から話しは聞いたと一連の事を話すと、なんと、そんな陰謀を女郎屋で計っておったのか、源三郎の行くところ事件ありじあなと酒を飲み干すので、それで明日尾張に行、
く事になったのじあよと言うと、

相手は尾張60万石じあぞ、宗春殿は狂気じみているときく、何をするか分からぬぞ気をつける事だと言うので、付け家老は安藤対馬の守のはずじあがと言うと、尾張藩は家康公の命、
により将軍後継に関しては動いてはならぬと言われているので、代々工作はしないそうなんじあ、恐らく先の場合もかたくなに守っていたのだよ、それが宗春殿は気に入らぬのじあ、
ろう、

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