第55話

文字数 2,888文字


源三郎江戸日記(弟四部)55

手が引きこまれないように前には板を二枚置き、その間から差し込むようにすれば良い、あぶなければ手を放せば良いわけじあと言うと、これは凄い、足踏みの小さい水車を作ってその、
仕掛けにすれば川がなくても稲穂を外せますよと言うので、そうじあな、色々工夫してみろ、動かすのは馬に引かせてもよいぞと言うと、お武家様は知恵者ですねと感心していたのです、

2000両もあれば新田開発できるじあろう、人足は頼まず村の者に毎日2朱を給金として払うのじあ、出来た100町歩は村の物として、みんなで作業して取れた米は分配すれば良いと言う、
と助三郎がハイ、そうなれば村は豊かになりますと言うので、その二千両はわしが下げ渡してやろうと言うと、本当ですかと言うので、水車と稲穂落とす機械は200両もあれば出来るじ、
あろうと言うと、

大工が余りますよと言うので、あまれば色々工夫するのに使えば良い、勿論お前の手間賃は50両やろうというと、それはすげ~と喜んだのです、助三郎良いなと言うと、これは百姓仕事、
が楽になりますと言うので、よし、それでは戻ろうと庄屋の家に行ったのです、桟敷に上がり昼飯を食べて、助三郎に二千両ほ渡したのです、代官がどうしてそこまでと言うので、これ、
もわしの役目じあよ、

内部権力争いをしている場合ではないじあろう、ちっとは藩の重役も考えねばのう、今は財政は大変じあろう、直ぐに百姓の年貢を取り立てようなんて馬鹿な考えはよして、増産する、
方法を考えるのじあと言うと、ハハハッと頭を下げたのです、さて助三郎この近くの金銀山の事じあがと言うと、ハイ、長年口止めされていましたのです、あの時はこの村の者も取り、
残されまして、堀様に助けて頂いたのですと言うので、

ここにいるのはその頭の子孫で三衛門じあよと言うと、そうでしたか、私も三代目ですが先代から聞いたのですと言ったのです、その後の話じあがこういう事じあろうというと、聞いた、
はなしでは、坑道は爆破して塞いだそうですが、ガスが出ているので危険だと言うことですと言うので、ガスが出ているのを爆破できるはずがないと言うと、代官が調べましたが相当奥、
まで崩落していますと言ったのです、

それでは行ってみよう代官案内しろと言うと、馬に乗りついて行ったのです、程なくこの山がそうです、坑道はここから入りますが50間で塞がっていますと言うので、三衛門と坑道に入、
り岩を持ち帰りみると大して焼けた後はありません、ガスなら黒ススが残っているはずですと石を削りましたが出てこないので、カスではないですよ、こちらが少し高くなっています、

ガスは空気より軽いので、暫くすれば出つづけていなければ、なくなります、閉じ込められて、窒息しなくて助かったのなら、一回の爆発で全部燃えたのでしょうと言うので、なる程、
それでは又掘れるかも知れんな、坑道を空けるよりは上から穴をあける方が良い、地表からどの位あるのじあと聞くと、およそ2間半くらいだと思います、あの掘り方からしてここから、
まっすぐ延びていると思いますと言うので、

沢山の人間で掘っていたと言うていたがと聞く、一度には中に入れるのは50人で運び出す者を含めて100人位だと思います、多分夜中も交替で掘ったのでしょう、4時で交替するとして、
6組くらいですから、600人で精練する者を含めて800人から1000人だと思いますと言うので、それなら通常の3倍は掘れるなと言うと、手堀なら年に一里と言う事ですので、この辺まで、
掘ったのではないですか、

この道筋だとするとおよそ、普通に掘れば100年位と思いますがもっとあるかも知れませんと言ったのです、それではその辺に立て穴を爆破してあけてみようと言って、三衛門に印をつ、
けさせて、現場に行き山形に火薬を仕掛けさせたのです、10間置きにやってみましょうと言うと、坑道の入り口から一里の手前200間の場所に仕掛けて爆破したのです、大きな穴が開き、
下におりると、

小さな穴が前と後ろに開いています、これが坑道ですよと言うので、山形が少しの火薬を、両方にし掛けましょうと、仕掛けて爆発させたのです、下に降りると大きな穴が両方に開き、
三衛門が暗闇に口に濡れタオルをしてめじろ籠を持ち進んでいって、ガスは出ていませんと言うと引き返してきて、およそ20間で行き止まりです、後ろの方も行ってみますと手探りで、
あるいていき、

60間程行きましたが大丈夫です、と言うので松明を持ち後ろに進んで行くと約200間で崩落しています、随分爆破して生めたのじああな、ここまで掘るのに一年はかかるなと言うと、
途中に横穴があり三衛門がここから水が出たのですよ、ここを掘ったからです、多分何かを見つけたのでしょうと岩を持ち帰り、皿のそこで削ると光る粉がついたので、これは金では、
ありません、

銅ですよ恐らくあの穴の行き止まりが銅鉱脈なんでしょう、そこからガスと水が出たのでしょうが、ガスは少し溜まっていたので出て場発したのでなくなったのですね、入ってみますと、
言って入って、戻ってきて金鉱脈と並行に走っています、金鉱脈より3尺下のようです、厚い鉱脈ですから随分沢山あると思いますと言うので、ガスが出たのなら爆破は危ないかと言うと、
岩に含んでいるぐらいでは、

引火しませんそれが出て坑道に溜まると危ないわけです、爆破後に異臭に気づいたら中止して収まるのを待てば良いわけですと言って、金鉱脈の傍に行き見渡して中々の鉱脈ですね普通、
に掘っても年2万両分は採掘できます、おそらく人海戦術で一年6万両分くらい掘ったのではないですかと言ったのです、それでは経費を引いても年7千両が藩の収入になるな、幕府も、
それ位増えると言う事じあな、

経費は6千両あれば足りるじあろうと言うと、十分ですよと三衛門が言ったのです、三衛門よくやった、それでは外に出ようと言って、外に出て、代官に藩に知らせて幕府に開発願いを、
出すのじあと言うと、承知しました殿が大喜びしますと言ったのです、代官所に行き奥座敷に入り、橋本そなたは何故宮本の肩をもったのじあと聞くと、ご家老は決して私腹を肥やす、
人ではありませんと言うので、

それなら1200両と藩米を横流しした1500両は何に使こうているのじあと聞くと、総て藩士の救済に藩財政逼迫しているので、代官達は橋の架け替え等何もできませぬ、それを割り振って、
いるのです、佐々木殿は一門と結託してご家老の言われる事は総て反対しており、ご家老は何も出来ないのです、今回白石殿からそのようなやからは忠罰してやるとご家老が江戸参府の、
おり言われたそうです、

決して頼んだのではありませぬ、村上様を襲うたは白石様から上様の覚えがいい事に、政を勝手に壟断している奴だと聞かされて、話しに乗られたのです、しかし、今回それは間違いで、
ある事がわかりましたというので、して、佐々木は何をやっているのじあと聞くと、勘定奉行とつるみ藩の金を横領している一門をかばっているのですと言うので、佐々木が指示してい、
るのかと聞くと、

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