第107話

文字数 2,690文字


源三郎江戸日記(弟四部)107

兄上が将軍になれば自分が尾張藩主になれるからなと言うので、あのような狂気の持ち主が藩主等になれば重税を課して民は困窮するじあろう、藩主にはしてはいかんのじあよと言うと、
尾張藩内では藩主よりも宗春殿が人気があるそうじあ、味方する者も沢山いるだろうと新之助が言ったのです、三蔵が尾張の江戸藩邸を監視します何か動きがあれば江戸家老様とご老中、
にお知らせしますと言うので、

頼む江戸藩邸にも沢山仲間がいるむはずじあからなと言って、これは監視料じあと20両を渡すと、いりません役目ですよと言うので、老中からの頼みの探索費用じあとっておけと言うと、
ヘイ、遠慮なくと受け取ったのです、新之助に江戸は平穏かと聞くと、またもや、盗人共が入り込んでいるらしい大名家ばかりを狙うので届けがなく実態はわからぬというので、言えば、
藩の恥になると届け出ないのじあろう、

こころ当たりはないのかと聞くと、3年前に同じ事が起こり、最後に井伊家上屋敷に押入り、1000両を金蔵から盗んだのが最後で消息をたった盗賊がいる、どうも1人働きの盗人らしく、
錠前は簡単に開けている、義賊のように金をばら撒いた形跡はない、元は錠前師じあろうが、顔も住みかも分かっていない、井伊家は届けたのかと聞くと、いいや、三蔵が井伊家の平、
藩士に女を抱かせて聞きだしたのだよ、

江戸藩邸の警護の頭が腹を切ったそうだ気の毒な事よのう、喋ったのはその配下だ、頭の家は息子が後を継いだそうだ、金蔵の庭には足跡一つなかったそうで、鍵はかかっており、毎月、
の監査でわかったそうじあ、千両箱は5個あつたそうじあが、1個のみなくなっていたそうじあ、鍵がかかっていたので、内部の者が疑われたそうじあが、鍵は詰め所の金庫の中に保管、
してあり、

金庫の鍵は勘定奉行がもっているそうで、鍵も紛失していないく、藩士がつめている金庫をあけるのは不可能だとして、外部の者の仕業と言う事になつたそうじあ、後は届けもないので、
調べようもないが、今回は越後高田藩の上屋敷の近くで、城町周り同心が巡回の途中千両箱らしきものを担いでいる、ほおかぶりをした男をみつけ、捕らえようとしたが、船を用意して、
いたらしく、

船に乗り隅田川を下ったので、手配したが行方は闇にまぎれてわからず、高田藩に確認したが賊が押入った形跡はなく、何もぬすまれていないとの回答だったので、回りの商人にも聞き、
込みしたが、心当たりはないとの事だったのだと言うので、1人働きか、何処かに盗んだ金を隠しており、それを取りに舞い戻ったとも考えられるな、しかし、いったいいくら被害が、
あったかが分からねば、

調べようが無いか、千両箱を担いで一人で、屋敷抜け出すとは考えられない、何か仕掛けがあるはずじあなと言うと、大名屋敷を調べるわけにもいかぬからな、と新之助が言ったのです、
まあ幸い急ぎ働きはいまの処出ていないので、若年寄りも何も言われていないそうじあ、奉行は管轄外なのでほうっておけと言っているよと笑ったのです、三蔵他に手がかりはないのか、
と聞くと、

へい、博打場か女郎屋で急に金回りのよくなった、奴をしらみ潰しに当たったんでが、1人いました、八代十内と言う浪人もので、周りの者に聞きましたら、悪を脅して金を取るのを
家業にしている奴だそうで、何処かのヤシの元締めを脅して100両からの金を手に入れたとのことでした、それとなくつけてみましたが、日本橋小網町の長屋に住んでいましてとても、
千両をもっているとは思えませんでした、

そのうち東海道を登っていったので、それっきりですと言ったのです、そいつの国はと聞くと、尾張と言うことでした、と言うので、元尾張藩士だな、その長屋は調べたのかと聞くと、
床下から天井まで調べましたが何も出てきませんでしたと言うので、そいつは運び役じあ、実行犯は恐らく忍びじあろう、忍びなら大名屋敷に忍び込み錠前をあけるくらい朝飯前じあ、
その千両箱を外にいる、

その浪人に渡し、一旦船で小網町の長屋に隠し、翌日運び出すと言うわけだ、今回は高田藩を襲うたのじあろう、その十内は江戸に戻ってきているはずじあ、潜伏場所は堀川の傍で、
船で行き来できる場所と言う事じあなと言うと、して黒幕はと聞くので、これはわしのカンじあが宗春じあろう、その忍びは宗春が手の者じあな、おそらく、金蔵の上窓と塀の外の、
松の木に縄を引いて千両箱を流すのじあ、

十内が受取り船で逃走する、襲われた屋敷はいずれも、掘割に近い屋敷じあろう、わしが名古屋で奴の不正を暴いたら郡奉行の屋敷に1万8000両を隠しもっていた、月に1000両の不正、
じあから、暫く江戸に送つていなかったのじあ、それは3年前に相当を盗みで、手にいれていたのじあよ、今回わしが没収したので又やり始めたのじあろうと言うと、新之助がそれが、
事実なら大変な事じあが、

相手が尾張藩では手がだせぬと言うので、今日は暇じあ、井伊殿の屋敷を調べてみょう、わしが事情を話して、決して口外せぬといえば調べさせてくれるじあろうというと、それで、
はその八代十内を手配しょうと言うので、気づかれると又尾張に逃げられる、わなを仕掛けたほうが良い、宗春は尾張に逃げたが、国に帰っても金は調達できぬ、その忍びに江戸で、
の盗みは続けるように言うているはずじあ、

丸の内あたりではやらないとして、高田藩を襲ったとなれば、こんどは芝か桜田門じあな、薩摩か上杉の金蔵を狙うだろう、中にはいれば、自動的に鍵がかかるようにして、閉じ込め、
れば良い、才蔵と呼んでそんな仕掛けは出来るかと聞くと、それは難しいですが中に入れば上から網を落としてからめ取るしかけは簡単にできます、まさか、そんな仕掛けがあるとは、
気づかないですが、

忍びなら自害するでしょう、黒幕をはかせるのは難しいですが十内なら吐くかもしれません、尾張の忍びだとすれば1人ではないと思いますと言ったのです、まあ、次にやらなければ、
宗春は資金は調達できずに干上がるから良いじあろう、おおぴらに十内を手配すればまとめて尾張に逃げるかもしれぬ、似顔絵を作り東海道筋に総て網をはってくれと言うと、承知し、
たと、

新之助と三蔵は出て行ったのです、飛猿、才蔵探索はもうよいぞ、念の為に上杉の上屋敷に仕掛けをしておこう、道具を調達して出掛けるぞと言うと、準備できたらお呼びに来ますと、
二人は出て行ったのです、女将が何と言う大名家の若様ですか盗っ人に成り下がるとはと言うので、部屋住みで何年も暮らせば金も自由にならず、毎日やる事がないのじあよと言うと、

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