第68話

文字数 2,518文字


源三郎江戸日記(弟四部)68

屋敷に打ち入られるかもしれんなと笑うと、多分押しかけますよと若狭屋が言うので、抜け穴でも掘っておくかと言うと、みんなが大笑いしたのです、七衛門落ち着いたら四国の巡察に、
いくぞ、お大師様の後をめぐるのも悪くないぞと言うと、ハイ、そのときはお供しますと喜んだのです、悪人から押収したのはいか程あるのじあと聞くと、3万2千両を預かっています、
と言うので、

それにわしの預かり金1万8千両を足して5万両を若狭屋に無利子で貸し出してくれ、若狭屋はみんなに融通してくれと頼むと、ハイ、明日にでも届けますと言うと、みんながそれは助かり、
ますと言うので、これはお律の怒りを静める為じあよと言うと、若狭屋がそれなら押しかけませぬよと笑ったのです、膳が出て来たのでみなで杯を重ねたのです、お勝つ達が入って来て、
これは又深川の豪商が何の密談ですかと言うので、

源三郎がこの前の米騒動で安値の時に買うて最高値の時に売り大儲けしたが、又儲かった分で買い二回目にあ上がった時に売ったら1万両儲けたのに6千両も損してしもうたが、4000両儲、
かつたので、みんなに馳走する事にしたのじあというと、又天下の御老中がそんなところで金儲けしていたのですかと言うので、七衛門がそのお陰で最高値から通常地に戻り、又値上が、
りしたので、

損を承知で再び通常値で放出したので通常価格に落ち着いたのじあよ、そうでなければ今も高値になっているところじあったのじあよと言うと、価格を下げたのは殿だったのですか、それ、
は知りませぬですみませんと言うので、最高値の時は米はどうしていたのじあと聞くと、江戸屋さんに押しかけて談判して通常価格で分けてもろたのですと言うので、そうだったのかと言、
うと、

江戸屋がここの女将を先頭に白鉢巻をして店に乗り込んで来たのですよ、札差は米を預かっているだけでその時の相場で問屋におろし、手数料を貰っているだけで、価格を吊り上げている、
のは問屋だと言ったのですが、女将が問屋は札差が高値で卸すのでそれを商っているだけだと言い、小売は問屋からの仕入れ値が高いので高くうるしかないと言ったので一番悪いのは札差、
だと言う事になって、

江戸屋さんに押しかけたら、米は沢山あったのでヤツパリと思って談判したのですと言って、後で聞いたら江戸屋さんが問屋を通さず小売に安値で売ったので価格が下に戻ったそうで、
談判のかいがあったのだと喜んでいたのですよ、なあんだ、小売への安値の放出は殿様の預かり米だったのですか、江戸屋さんその節は失礼しましたと言うので、問屋に通常価格で卸、
すので、

小売に通常価格で卸してくれと言いましたら、米は蔵にぎっしり詰まっているのでいらぬと言われましたので、小売に通常価格で卸したのです、問屋が文句を言うてきましたので、だか、
ら言ったではないか、何ならこれからは問屋を通さず直接小売に卸すと言ったら、黙って帰って行きました、それでまずいと思って価格を下げて小売に行ったそうですが、私が卸した、
後なので、

小売はいらないと断ったそうです、仕方ないないので問屋もぼろ儲けするのは諦めて通常価格にもどしたのです、しかし、大名、旗本、庄屋から2割高値でないと問屋に卸すなと言いだ、
したので、他の札差が高値で卸だしたので、預かり米を通常価格で大量に小売に卸して、差額を上乗せして大名、旗本、庄屋に払ったのです、大量に卸したために価格は下落して元に、
戻ったのです、

買い付けた米は御老中の指図なので、御老中が損した事になったのですよと一連の出来事を話すと、そうなんですか、他の札差、問屋、小売との戦をなさったのですねと言うので、いや、
大名、旗本、庄屋ともだよと笑うと、まかり間違えば1万両がパアですねと言うので、同志が後2人いたので都合3万両、6万石の大勝負と言うわけじあよと言うと、なる程、金があれば、
上げ下げ自由と言う事ですねと言うので、

欲の皮のつつぱった商人がそれをやろうとするのだよと言うと、他の老中は何をしてたのですかと女将が言うと、駒菊が昼ねでもしていたんではないですか、庶民の事など考えていない、
のですよと言うので、こんどから鉢巻して、老中の屋敷に談判に行きましょうと言うので、わしも、その老中の1人じあよと言うと、殿の屋敷には行きませぬよ、と女将が言ったのです、

まあ、上手く行ってめでたし、めでたしじあな、花代も弾むぞと言うと、有難うございますとお勝つ達が頭を下げたのです、でもあの時はかつけがはやって大変だったんですよ玄庵先生、
がこの病気は朝鮮人参がよく利くが、全部なくなって何処にもなかったそうで困ったそうです、診療所の鶏もかかったそうで、歩けなくなって寝たままになったそうなんですよ、女中に、
何を食わしたのだと聞いたら、

診療所の病人にたまごを沢山食べさせようと、米が安くなったので毎日米を上げていると言ったら、その前はと聞くと、米ぬかだと言ったそうで、それだと大きな声で言って、これからは、
米ぬかに戻せといって、米ぬかを沢山貰って来いとお弟子さんにいうて集めて、芋と米ぬかを混ぜて吹かして、団子を作り毎日かつけになった人に食わせたら、段々だるさが取れて10日も、
立つと歩けるようになったそうです、

鶏も元気を取り戻したそうですよと駒菊が話して、米ぬかなんて捨てるものでしょう、それがくすりになるんですかねと言うので、なる程米ぬかかと言って、あれは精米して白米にする、
時にでるのじあが、玄米のままだとつい入る米芽と言う物じあよ、あそこから芽がでるのじあ、一番栄養があるのじあな、米が安くなり米とたくあんで毎日飯を食うと栄養が偏りかっけ、
になるのじあよ、

玄庵先生はそれに気づかれたのじあ、やつぱり、米に、さかな、野菜等を取らないと、栄養が偏り病気になるのじあよ、米ぬかにはその足りない物が沢山含まれているのじあろう、さすが、
玄庵先生じあなと言うと、それでは女中のお陰ですねと言うので、そうじあな、大発見と言うわけじあ、特に大飯食らいの若いものがなり易いのじあろうというと、お勝つがそういえば、
年寄りや女子はかかりませんねと言うので、

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