第47話

文字数 2,910文字


源三郎江戸日記(弟四部)47

長崎奉行が入って来て遅れて申し訳御座りませぬ、対馬からの知らせでエゲレスの軍船1隻が嵐で帆柱が折れたので修理したいと対馬港への入港を求めているとの事に御座いますと言う、
ので、認めてやるが良いと言うのと、しかし幕府の許しを貰うのには半月はかかりますがと言うので、わしが許可する直ちに修理の材料と補給品を提供せよ、事故である緊急処置をやる、
のが道義じあと言うと、

承知いたしましたと言って与力にだたちに対馬藩へ知らせよと言ったのです、これよりは上陸は許可できぬが長崎奉行の職権で臨機応変に対応せよ、新井や間部が何かを言うてきても、
無視すれば良い、上様がそれで罷免などするものか但し今の上様がお隠れになると、次の将軍はわずか3才じあ、新井、間部が政事を専横して何をやりだすかわからぬと言うと、その、
時は村上様が頼りに御座いますと言うので、

命をかけて阻止する積もりじあ心配するなと言って、今までの金の流失はたいした事はない、シナ人は銅が欲しいので、そのうち金と交換するように言うてくるじあろうそれは許可する、
のじあ、銀は洋銀がてにはいるので希望したら洋銀と交換すれば良い、金は戻ってくるというわけじあ、恐らく100年間で金の流失は100万両にもみたないじあろう新井の本音は商業中心、
の世の中を農業中心の世の中に戻したいのじあよ、

いまさら不可能の事じあ、我が国の主食は米じあ農業がすたれたりするものかと言うと、学者の浅知恵に御座りますなと言うので、まったく的が外れているわけではないが尻抜けという、
わけじあよ、まあ現場を知らんと言う事じあなと言うと、ようするに買う量と売る量が余り差がでないようにすれば、問題はでないと言う事じあよ、もう一つは我が国の通貨の価値と、
外国の通貨の価値をはっきりする事じあが、

これは非常に難しいこれをやるには開国せねばならん、我が国は鎖国しているので、外国と取り決めをする事は出来ぬからのうと言ったのです、しかし次の世になり、村上様の老中罷免、
を画策するのではと聞くので、上様が老中と諸国巡察視は罷免してはならぬと遺言を残されると話しておられた、わしはあの2人の重しと言うわけじあよ、しかしどのような手を使って、
くるかは分からぬ、

大奥が味方せねば良いがな、いざとなれば二人の屋敷に軍勢を差し向け討ち取るとしょうと言うと、そのような事をもうされますと謀反の罪にとわれますぞと言うので、この事が2人の、
耳に入れば震え上がるから良いのじあよ、過去にも何回も叩き潰しておるわ、まあ懲りない奴らだがのと笑ったのです、それではエゲレスの軍船を脅かすとするか、修理には半月はかか、
るであろう、

七衛門博多から、軍船を回航させてくれ、対馬に寄る事にしょうと言うと、承知しましたと店を出て行ったのです、どうするのですかと聞くので、大砲と鉄砲をみせて、我が国の軍備は、
あなどれない事を知らせるのじあよと言うと、しかしエゲレスの軍船は3000石以上の大きさで、大砲は左右に12門を、装備していますぞと言うので、奴らの大砲は300間しか飛ばぬ鉄砲、
は250間が射程距離じあ、

わしの軍船は小さいが、400間は飛び炸裂弾を装備しており、鉄砲は300間の射程距離があり、250間の的を射抜けるこれを見れば愕くぞ、容易には侵攻できないと思うはずじあと言うと、
脅かしておくのですなと言うので、それに、遭難時は即座に助けると知れば友好的に付き合った方が良いと思うじあろう、我が国と直接交易しなくても、シナと交易してシナ人が我が国、
と交易すれば良いのじあよ、

さすれば必要以上に開国は要求しないと言うわけじあよ、鎖国していてもいくらでも外国と交易できるわけじあと言うと、エゲレスは何を売りたいのですかねと聞くので、奴らはシナに、
阿片を売りつけている、茶、陶磁器、絹を輸入しておりエゲレスの銀はシナへ大量に流れている、輸出品は遠眼鏡、眼鏡などの高級品で輸入超過と言うわけなのじあ、その内に大量に、
阿片を持ち込むようになるじあろう、

我が国は厳しく取り締まっているが、シナは国が大きく中々取り締まれないそうじあ、シナがエゲレスと事を起こせば、鉄砲、大砲の発達していないシナはいちころじあろう、我が国は、
そうならないように、大砲、鉄砲が沢山ある事を知らせておく必要がある、このように西洋はアジアにはたいして売るものがないのじあよ、アジアの物を西洋で売る方が多いという事じ、
あよと言ったのです、

買うとすれば鉄砲、大砲、南蛮船じあろうが、それはシナも我が国も禁止しておるし、エゲレスも売れば戦うのが不利になるので売らないという事じあな、幸いに我が国は鉄砲、大砲と、
も国産出来ておる、後は南蛮船みたいな、大きな船を作る技術じあが、これも伊達殿が試されておるが、禁止になったのでこの技術は広がっていないが、いつでも作れるようにしておく、
必要がある、

南蛮の書物にはこれは載っているので、いざとなれば作れるじあろう、キリシタンの書物以外は禁止していないので、これからも外国の事情は我が国に入ってくるじあろう、長崎はそれ、
を知る、唯一の場所と言う事じあなと言うと、それを踏まえて情報は幕閣にそくざに知らせますといったのです、そなたにも家宣様の刻印いり小判を進呈しょうと1枚渡すと大喜びした、
のです、

翌日は博多より軍船が回航して来たので、番頭の又衛門と長崎屋に後の事を頼み対馬に向かったのです、対馬港に着くとエゲレス船が停泊しています、葵の旗と日の丸を掲げてエゲレス、
船から250間の場所に停泊して、良く見えるように大砲を6門右舷にそろえて11発撃つと大きな音がして400間放れた海中に落ちて爆発して水しぶきが上がったのです、海岸に集まった人、
は愕いています、

小船に乗り移りエゲレス船に行き乗り移り、幕府の老中の村上源三郎である、頭はだれだと聞くと、シナ人の通詞が通訳すると、わたしが本船の艦長ケリー少佐ど言うので、手を出して、
握手して、海難事故にあわれて大変で御座ったろう、我が国は鎖国しているので上陸は許可できぬが、修理の材料、補給品は進呈しょう、又修理の為の大工も派遣するがと言うと、修理、
は当船の乗組員で出来る、

材料は要求したので貰えるそうだ、日本国に感謝すると言うので、海難事故の場合はいつでも手助けすると言ったのです、ケリーがあの大砲はと聞くので、貴船に対する礼砲であると言、
うと、2500フイート以上飛ぶのかと聞くので、発射角度を調整できるので目標物の照準は簡単に合わせられ、炸裂弾になっているので威力は大きい、今やってみようというと七衛門が、
赤旗を振ると、

一発発射してこんどは200間の場所に落ちて爆発したのです、ケリーがなる程これは凄いと言うので、次は我が国の最新式の鉄砲の威力を見せようと言うと、白旗を揚げると的が用意され、
ここからは1600フイートあると言うと、構え、放てと言うと6発の銃声が聞こえて、的の真ん中を射抜いたのです、このとおりこの鉄砲は1800フイート飛び1600フイートなら的を射抜く、
事が簡単に出来る、

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