第15話

文字数 2,672文字


源三郎江戸日記(弟四部)15

鉄砲、大砲も国産できたのじあ、原料さえあれば何でも作れるであろうと言うと、二人は恐れ入りましたと言うので、薩摩はもっとも外国に近い、琉球の隣は台湾であり外国の物が入り、
安いじあろう、この国が南蛮に占領されない砦なのじあよ、わしの船に積んである大砲は400間飛び炸裂弾を装備しておる、発射角度が変えられるので敵に照準を合わせる事が出来るの、
だ、

これは南蛮の船の大砲より遠くに届く、又南蛮船は炸裂弾は装備していない、これをみれば南蛮人は腰を抜かすぞ、ロシアとオランダには見せておいた、南蛮に日本国は凄い大砲を持っ、
ていると評判になり、侵略は諦めるじあろうと言うと、それも村上様の工夫ですかと聞くので、そうじあよ、工夫すれば敵の侵略から国を守れるのじあよ、鎖国しておるからと言って、
南蛮の事を何も知らないのはまずいのじあよと言ったのです、

大隅屋がさっそく陶工に話してガラス細工を国産するようにしましょうと言うので、これで又一つ薩摩の名産が増えるなと言うと、島津の殿様が大喜びされますと言うので、武士に任せ、
ておいてはダメだ、そなた達が薩摩を豊かにするのじあよと言ったのです、色んな指南は国家老に一任されておるが、一応薩摩藩の国家老には知らせて置けよと言うと、ハイ、色々上申、
書を書きますと承知したのです、

菊蔵がイモから砂糖を作るのはどうするのですかと聞くので、イモを薄く切り熱を加えると白い粉が出るじあろう、あれは糖分が吹き出るのじあ、硬くして粉にすれば砂糖より甘みは落、
ちるが、砂糖の変わりになるのじあよ、代用品と言うわけじあ、薩摩は砂糖は専売品にしているのでみんなの口にも中々はいらないじあろう、これで煮炊きすれば十分甘みが出ると言う、
と、

なる程貧乏人の為には良い方法ですね、ひとつ、試してみます、これも大阪、江戸の町衆には売れるでしょうと言ったのです、奈良は柿の名産地なので砂糖の変わりに干し柿を使こうて、
いるそうじあ、色んな作物は糖分を含んでおるので、それを外に出す工夫をすれば良い、だいこんも取立ては生で食うても甘いぞ、土から出ると糖分が中に封じ込められるので苦くなる、
のじあよ、

煮れば甘みが出てくる、たまねぎ、人参、等も総てそうじあよと言うと、村上様は百姓より詳しいですねとみなが愕いたのです、七衛門と船頭が帰ってきたので、船頭と大工にどうだと、
聞くと、目が点になりました、簡単な細工で風が前から来ても進めるのですね、あれなら直ぐに改造できますと言ったのです、船頭が方位磁針計も凄いですね、あれが国産出来るのです、
か、

又帆柱を繋ぐとは恐れ入りました、大きな台風に会っても、転覆しませんよと愕いていたのです、これでここでの指南は終わりじあ、みな、工夫をこらして大儲けせいと言うと、みなが、
有難う御座いました、これで楽しみが増えましたというので、ここの勘定は頼むぞと言うと、薩摩屋がまかしておいてくださいと笑ったのです、暫く歓談してそれでは引き上げるぞと、
言って店を出て旅籠に戻ったのです、

家老と奉行がやって来て、ぶらいのやからが迷惑をかけたそうでと言うので、勘違いから出た事だ不問にしなされと言うと、ハツと言うので、巡察は滞りなく済みました、明日は離島、
琉球に行きます、領民は砂糖地獄に陥り、米は満足に食えないと聞く、砂糖の製造方法を工夫して影響がでないようにして、稲作もやらせますぞ、よろしいなと言うと、ハイおうせに、
従うようにします、

これは村上様に従うようにと言う添え書きですと渡すので受取り、砂糖の生産には影響を与えないようにしますので安心なされと言うと、みなに色々指南していただいたそうで、かたじ、
けない邪魔は決してしませぬ、少しは藩からも手助けしますと言うので、さすれば、借財も早く返せて、蓄財が出来るように、なるでしょうというと、ハイ頑張ります、と笑ったのです、
何かお礼をと言うので、

それでは一席持っていただけますかなと言うと、ハイ、今から案内しますと言うので連れ立ってついて行くと、料理屋に案内したので座敷に座り、膳を囲むと芸者が入って来て挨拶して、
酌をするので杯を重ねたのです、家老が幕府が外様大名の手助けをする等は聞いた事がありませぬと言うので、家宣様は今までの方針を変更されてこの国が豊かになるように望まれて、
いるのです、

無用に大名を取り潰し巷に浪人を増やす事は治安を悪くするばかりです、但し賦役はやってもらわねば、幕府だけでは金が足りませぬというと、それは仕方ない事です出来る分はお手伝、
い致しますと言ったのです、薩摩も孤立せずに少しは外の者も受け入れなされと言うと、ハイ、他国の商人も受け入れますと承知したのです、幕閣の人間は悪い者もいます、ゆめ、ゆめ、
甘い言葉には乗らぬように、

特に新井白石と間部には気をつける事じあ、権力欲の塊みたいな奴じあからのう、薩摩が裕福になった等と聞けば何を押し付けるかわからぬ、わしが老中だとしても裏から細工するやか、
らだからのうと言うと、ハイ、十分に気をつけまする、何かあれば必ず村上様の耳に入れまするといったのです、町奉行がしかしれ薩摩から江戸までわずか4日でいけるとは愕きですと、
言うので、

今度はお二方ともその船に乗り江戸まで来てみなされ、この日本が狭くなっとと感じるでしょう、南蛮はそれよりもず~と遠いのに、150年も前からこの国までやって来ているのですぞ
後200年もたてば南蛮、メリケンまでも簡単に行けるほど、船は発達する事でしょうと言うと、鳥のように空でも飛べるようになるのですかと芸者が聞くので、そうじあよ、とセンスを、
飛ばして、

この大きい物を作り人が乗れるようすれば可能じあな、空にも風は吹いているので進む事は出来るじあろうというと、早くそれを作って載せてくださりませと言うので、そうじあな江戸、
に帰ったら作ってみようと言ったのです、こういう方法もあるぞと言うと、和紙で四角い袋を作り、蝋燭の上に持って来て暖かい空気を入れて手を話すと袋は天井に舞い上がったのです、

家老がなぜ上がるのですかと聞くので、空気は熱すると軽くなるのでこの袋の中に暖かい空気が入ると浮きあがるのじあよ、これは今から500年前の中国の三国の時代に諸葛孔明と言う、
兵法者が実際に赤壁の戦いで使い、敵の船を焼き討ちにしたのじあよ、空気が冷えると下降するので、これを何個も作り敵の船めがけて飛ばして敵の船を焼き討ちしたのじあと言うと、
頭の良い兵法者ですなとみなが愕いたのです、

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