第103話

文字数 2,699文字


源三郎江戸日記(弟四部)103

諦めて嫁に行ったのです、こんな汚れた体ですからお抱きにならなくても宜しいですよ、少しの間御酒につき会ってくだされと言うので、そうであったか、あさあ飲もうといって酌をす、
ると美味しいと言って返杯したのです、今は幕府のご老中におなりと平助旦那から聞きました、愕いていますが嬉しいですと言うので、なりたくてなったわけではないよ、いつの間にか、
押し上げられてこうなってしまった、

しか村雨とは愕いたぞと言うと、父が源三郎様に教えた、秘剣が村雨だと聞きましたので、そう名乗っています、済みませぬと言うので、いいのじあよ、さあもっと飲と酌をするとハイ、
と言うので、さしつさされつで飲んでいると、平助の困ります、おやめ下さいと言う声がして、フスマが空き、村雨わしの処へ来いと言うので、なんと、無粋なあちきはこの旦那が好で、
ありんすと言うと、

おい、村雨はかりるぞと言うので、ばか者尾張のうつけものが、さつさと帰るが良いと言うと、尾張宗春じあ無礼ものめと言うので、立ち上がり、わしは老中村上源三郎じあ知れ者と言、
と、何村上源三郎じあと、おのれわしの邪魔をしおってと言って刀を抜いたので、みんな下がっていろというと、刀を抜き尾張藩を潰す気じあなと言うと、上段から降りぬいたので峰に、
持ち替えて、

下からすくい上げるとガキ~ンと音がして、宗春の刀が真ん中からポキリと折れたのです、手をピシ~打つと刀を落としたので、肩を打つとガクッとひざまついたのです、首筋に刀を突、
きつけて、おろか者めと言って、一気に振り下ろすとピシ~と音がして宗春の首でピタッと止めると気を失ったのです、騒ぎを聞きつけた藩士が3人、若殿と言うので、首は付いているこ、
の、バカ殿をそうそうに屋敷に連れて戻れ、

わしは老中村上源三郎じあ、尾張藩相手に一戦するぞ、束になってかかった来い、御三家といえど老中を襲うとは、お家改易は覚悟しろと言うと、抱えて部屋を出て行ったのです、さあ、
済んだ、騒がして済まぬと言うと、部屋を片付けると、平助が見事な物ですなと酌をするので、ここを襲うかも知れんな、村雨ここにいては危ないわしの屋敷に一時避難しろ、平助良い、
なと言うと、

宜しくお願いしますと言うので、今の内に町娘の格好をして屋敷まで連れてい行くのじあ、平助この文をお玉の方にわたせば承知してくれる、後山形に戦支度をして吉原の大門の外で待、
つように言うてくれ、わしが動かぬ以上は何もせぬだろう、まだ気は失っているじあろう、おきれば手勢を繰り出してくるはずじあと言うと、源三郎様と村雨が言うので、心配するな、
わしの腕をみたであろう、

尾張藩の20人30人等者の数でないぞ、早く行くのじあと言うと平助と出て行ったのです、殿様は凄いですねと言って女が酌をして、あちきが太夫の変わりにお付き合いしますと言うので、
すまんな無粋な事になってと言うと、無粋なのは尾張のうつけものですよと言うので、名前はと聞くと欄といいますというので、お欄も飲めと酌をすると飲み干して、村雨太夫の思い人、
ですかと聞くので、

幼馴染じあよ、前髪の時に世話になったのじあと言うと、そうですか、あんなに嬉しそうな顔を見たのは初めてです、羨ましいと言うので、ところで右手の動かない奴も出入りしている、
じあろうと聞くと、ああ白石の旦那ですね、あの客もいやな奴です銭は全部うつけに払わせているんですよと言うので、ここで何をしているのじあ、ここは女と寝る場所じあろうと言う、
と、

あのうつけが、もう直ぐ自分が尾張藩主になると嘯いているんですよ、そしたら太夫を見受けすると言っているんです、太夫は厭がっていますよ、平助の旦那も困っているらしいのです、
金ならいくらでもあると言っていましたと言うので、いくらで身請けすると言っているんじあと聞くと、2千両出すと言っているそうですと言うので、暫くして平助が戻ってきて、お玉、
の方様が承知しましたと伝えて欲しいと言う事です、

山形様達が外でお待ちですと言うので、それでは行くかと言って、村雨はわしに2000両で見受けさせてくれぬかのうと言うと、勿論宜しいですよ、500両で結構ですと言うので、わかった、
明日にでも届けようと言うと、殿気をつけて下さいよと言うので、わしに歯向かうとはばかな奴じあなというと、ハイ、身の程知らずですねと言ったのです、それではゆるりと行くかと、
言つて、

10両出すと、いりませんよ助けて頂いたんですからと言うと、なら、白菊にやろうと渡すと、何もしていないのにいいのですかと言うので、色々教えてくれたので良いのじあ取っておけ、
と言うと、有難う御座います、殿様はお大臣ですねと喜んだのです、大門を出ると、これは意外なところで戦ですかと言うので、相手は尾張宗春じあ、30人はいるじあろう、炸裂弾は音、
がするので使うな、

弓で射るだけで良い、死にはしないが戦闘不能にはなるじあろうというと、6人で歩いていくと、あの角に沢山いるぞというと、弓に火を付けて打ち込み、隠れていないで出て来いと、
言うと、およそ30人が姿を現したので、うつけものまだ懲りぬのかと言うと、うぬ~1人も生きて返すなと言うので、放てと言うと矢が飛んで行きバタバタと倒れたのです、卑怯なと、
言うので、

30人もで待ち伏せする方がよっぽど卑怯じあわと言って、続けて放てと言うと連続に打ち込むと、次々と転がりあっと言うまに10人になったので、それ突撃じあと言うと走りこみ切り、
下げるとぐわ~と言つて転がり、宗春1人になったのでさあかかって来いこんどはその首貰うぞと言うと、わかった、参ったと座り込み手を上げるので、肩をヒシ~打つとカギッと音、
がしてぐわ~と言って、

前に倒れたので、左肩の骨はおれておる暫くは痛いぞ、弓は小型じあ命に別状はない、早く立ち去らないと役人が来て、面倒な事になるぞ、宗春とっとと国許に戻るのじあ、江戸におれ、
ば、幕府に呼び出されて糾弾するぞ、わしを襲った証拠にその脇差は貰ろうておくと抜き取ると、足で蹴飛ばしたのです、みんながもそもそと立ち上がり、宗春を担いで帰っていったの、
です、

さて凱旋するぞと言うと船に乗り深川に戻り居酒屋に入り、祝杯を上げたのです、見事な働きであった、宗春と白石は女郎屋で、兄を亡き者にして自分が藩主になる相談をしておったと、
言うと、なんと実の兄をですかと言うので、白石がそそのかしているのじあろう、まつたく何を考えているんじあろうと酒を飲み干したのです、それでは屋敷にもどるか、帰って来た、
そうそうに呼び出してすまんと言ったのです、

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