第114話

文字数 2,897文字


源三郎江戸日記(弟四部)114終了

いまや幕府の老中じあ目出度いと言うので、ここに控え降りますのは戸田先生の娘のエミに御座いますと言うと、おう、エミか西村の件では苦労かけたな、あれしか高鍋藩を守るすべは、
なかったのじあ、許せと言うと、とんでもありませぬ、恨みには思うておりませぬと言うと、そうか源三郎の側室になったかそれはよかったな、末永く仲良くせいと言ったのです、隠居、
所を下がり、

若殿に挨拶して近習頭の小次郎に事の次第を話すと、エミよかったな行方がわからなくなったので心配しておったのじあ、源三郎殿の傍におるなら安心じあと言うと、若殿が源三郎は今、
や幕府の老中じあ、本来ならわしが下座に座らなければならぬのに、気を使ってくれておる、小次郎今日は早く帰り妹と語り合うがよいぞと言うと、エミが若殿気使いは無用に御座いま、
すというと、

ならば夕方には城を下がるので、その後に、屋敷に行くが良いと言ったのです、それでは道場に顔を出しておきましょうと言って、城を下がったのです、戸田先生と祖父と祖母の墓参りを、
すませ道場に顔を出して、門弟に稽古をつけて町に出たのです、居酒屋に入って酒と肴を頼むと、もしやエミ様ではと聞くので、そなたはしのであつたなと言うと、ハイお父っさんエミ様、
ですよと言うと、

親父が出て来て、これは源三郎様にエミ様お久しぶりですと言うので、庄吉元気であったかと言うと、なぜエミ様と聞くので、エミはわしの側室じあよと言うと、それはお目でとう御座、
ります、しかし、幕府のご老中様がこのようなところにと言うので、里帰りじあよ気使いせんでも良いと言うと、しのがそれでは村上の若様の源三郎様ですかと言うので、わしを知って、
おるのかと聞くと、

いいえ初めてお会いしました、ここにおられた時はまだ生まれておりませんと言うので、いくつじあと聞くと、今年15に御座いますと言うのてで、それじあ知るわけないなと言うと、しの、
いわしをお出ししなさい、若様の好物じあと言ったのです、しかし、ご老中になられるとは夢にも思いもせませんでしたと言うので、中身は源三郎のままじあよと笑ったのです、いわしを、
食べて、

高鍋のいわしじあな懐かしい、美味いぞと喜んだのです、あれから随分達って、町も大きくなったなと言うと、ハイ、人も増えてみんな息災に暮らしております、みんな代変わりになりま、
した、まだやっているのは私し位のもんですと笑ったのです、しのは私の孫娘でして生まれて直ぐに両親ははやり病で死んでしまったので、わたしが育てたのですと言うので、早く婿を取、
り楽になる事じあなと言ったのです、

さて戻ろうと屋敷に帰ると、湯に入りなされと母上が言うので、父上はと聞くとまだじあと言うので、一緒にと言うと風呂に行き、背中流しますと言うと、そうかと言うので流すと、わし、
が流してやろうと言うので、お願いしますと言うと、ゴシ、ゴシ擦るので、父上少し手加減をと言うと、少しも変わらんなと言って、よし終わりじあと言うので湯を被り、一緒に湯に入る、
と、

父上出過ぎたまねをして、申し訳ありませぬと言うと、そうじあな老中とは出すぎておるなと笑い、まあ、我が家の誉れじあな、色々大変じあろうが、そなたは息抜きが上手いから大丈夫、
じあなと言ったのです、湯から上がるとおうめが湯上りの酒を持ってきたので、おうめ嫁に行ったと聞いたがと言うと、出戻ってきましたすみませんと言うので、良いのじあよと言うと、
亭主は病気になり死に別れたので御座います、

子供がいなかったので、又奉公させて貰っていますと言うので、おうめがいれば安心じあ、父上、母上をよろしゅうになと言うと、死ぬまで奉公いたします、若様は随分ご出世なさった、
との事で、うめは嬉しゅう御座いますと言うので、うめには小さい頃散々世話になったなと言うと、随分昔の事になりましたと笑ったのです、母上がさあ出来ましたよと言って、エミと、
膳を運んで来たので、

みると沢山の魚が乗っています、父上と杯を重ねて、料理に箸をつけて美味い、美味いと食べると、母上がエミ殿は魚の裁き方も上手いですよ、源三郎殿は怠け者ですので気をつけなされ、
と言うと、段々お婆様に似てきましたなと言うと、そうですか、お婆様にくらべればわたしは優しいほうですよと言うので、エミがそんなに怖いお方だったのですかと聞くと、それはもう、
厳しいお方でしたと言うので、

わしはいつも箸をつける順番が違うと叱られておった、今頃お爺様と仲良くしておられるじあろうというと、父上はお前には甘かったからなあ、随分助かったじあろうと笑うと、母上が、
お前様も源三郎殿には甘かったですよと言うと、こ奴は次男坊じあから仕方ないじあろうというと、そういえば、わたしが小言を言うと、江戸の屋敷からはいつも抜け出ておりましたな、
懐かしい思い出ですと笑ったのです、

父上は今何をなさっているのでかと聞くと、竹刀づくりじあよと言うので、そうですかと言うと、まだまだ父上には敵わぬと言ったのです、そういえばエミ殿は源三郎殿をよう知ってい、
るでしょうと母上が言うと、いつも腹減った、腹減ったと言うてなさりました、随分お菓子等を差し上げましたよと言うので、まあ、それではそのお菓子が仲を取り持ったのですね言う、
ので、

こ奴はエミに惚れておったのじあよ、しかし、部屋済みじあから嫁、に貰うわけにはいかぬので、遠慮したのじあよと言うと、父上よりそう言われて悲しい思いをしたのを覚えています、
エミを連れて逃げてくださらぬかと思っていたのですよと言うと、しかし、腹が減っては逃げられぬと思うたのだよと言うと、エミの事は何とも思うていなかったのでしょうと言うので、
実は惚れていたので菓子をねだりに行ったのじあよと言うと、

それはとっくに気づいておりましたよと言うと、母上がはじめての恋は実らぬものですと言うので、父上がお前も惚れた男がおったのかと聞くと、勿論ですよ、女子は必ずあこがれた、
人がいる者ですと言うので、そうか、わしは最初にほれたのがお前だったがなと言うと、本当で御座りますか初めてききましたと母上が喜んだのです、ところでいつまでここにおるの、
じあと父上が言うので、

江戸に帰るとこきつかわれますので、二三日はここでのんびりして、昔かしの友に会います、中々会えませぬのでと言うと、そうじあな、まあ、ゆっくりするが、良いと言ったのです、
食事が終わると、小次郎殿ももう帰って来ているじあろう、2人で行ってくれば良いと言うので、片付けがおわったら行かせてもらいますとエミがいうと、片付けは良いので、早く、
顔を見せてあげなされと母上が言ったのです・・・・・・・源三郎江戸日記(弟四部)完了、

尾張藩の次男坊宗春と新井白石の陰謀をあばき、高鍋でのんびりしている源三郎の下に現将軍家継の訃報が入ったのです、年少の為世継ぎはおらず、世継争いが過激となっていったの、
です、将軍家の世継は将軍の専権事項なのですが、決める事なく他界した為に、御三家、大奥を巻き込んだ争いに発展していくのです、次作をご期待ください。

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