第65話

文字数 2,683文字

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源三郎江戸日記(弟四部)65

しかし米が安くなるとかっけと言う病気がはやり始めたのです、治療法は栄養のある物を食べるしかなく、朝鮮人参が高騰しはじめると、ほかの物も上がり始め、ついに米びつと小売から、
なくなると、問屋が二割増しでないと卸さないと小売に言うと、通常価格より安いので承知したのです、このため米の値段は上がりはじめ一月で3割りも上がりついには元の価格になって、
落ち着くかと思ったのですが、

それでも問屋が絞った為ジリジリと上がったのです、次の月には倍の値段になり庶民は買う事が出来なくなったのです、高値で推移して下がる気配はなく、間部が下がらぬではないかと、
新井に言うと、小判の鋳造を中止しましようと言って、金座に言うと急に言われても直ぐにはできません、来月一杯までかかりますと言ったのです、一月経ち次ぎの月も下がらなかった、
のです、

源三郎は七衛門にいまだと言って各地に貯めておいた米を江戸に運び江戸屋に言って、小売に通常価格よりすこし高めで売るように渡したのです、こうりはこぞって江戸屋から仕入れて、
通常価格で売ったので、直ぐに売り切れたのですが、価格が最高値から通常価格まで暴落したので、大損しないようにと問屋は米蔵から大量に通常価格で放出したのです、この為に価格、
は通常価格に戻ったのです、

源三郎達は儲けた1万両で6万石の米を買い備蓄したのです、この時期になると来月より新米が出始めるのでもう大丈夫だろうとみんなが思ったのです、新米の時期になると各大名、旗本、
庄屋が損をしたので札差と問屋に二割増しでないと売らないといいだしたので、儲かっている札差、問屋は了承したので、またもや、米の値段が上がり始めたのです、3割りあがったとこ、
ろで又、

通常価格で大量に放出すると値段は元に戻り、そのまま推移したため、新米は売れ残ったので、札差、問屋は買うのを控えたのです、大名、旗本、庄屋に金は入らず困ったので、通常価格、
での取引を承知したのです、これにより新米が流通しはじめたのですが、価格は落ち着いたのです、しかし、大名は多くの借財が返せず財政は破綻寸前まで行ってしまったのです、間部達、
老中は胸をなでおろしたのですが、

新井は病気としょうして出仕しなくなったのです、井上が仮病ではないかと言うので間部が奥医師を派遣する事にしたのです、源三郎はこういう事になるのです、あのまま高値が続けば、
江戸で餓死者が何万人もでる事になったでしょう、何回も言うように流通している貨幣の数を極端に増やしてはいかぬのです、世の中の動向に照らして、毎年5万両あまりを増やすのが、
良いのです、

月に4000両くらいです、月に3万両も増やせばかならず価格に影響するのです、又米が下落すれば町人は喜ぶかもしれませんが、大名、旗本、百姓は困る事になります、急激な価格の変動、
は避けねばなりませぬ、これよりは米の値段だけは価格を上げる場合は幕府の許可を必要とするようにすべきですと言うと、みんなが承知して今の価格から一割以上上げるばあいは幕府、
の許可を必要するとしたのです、

派遣した奥医師が戻って来て、欝の病にかかつていますと言うので、原因はと聞くと、米が値上がり始めた時に2万両の借財をして買ったそうに御座いますが、直ぐに暴落して1万5000両を、
損して気がうせたようです、2万両の借財をかかえておかしくなったようですと言うので、井上が素人が商いに手を染めるのでこうなるのですと言って、大名の借財も増えていると聞きま、
す、そのうち、

尾張公などが苦情を言うてくるでしょうと言うと、間部がいたしかない徳政令を出して借金の半分を帳消しにして大名、旗本を救済しましょうと、井伊、安部がしかたたござらぬなと言う、
ので、井上がそれをやれば一時は助かりますが、その後は貸し渋りが起きて、もっと困る事になりますぞと言うと、ならば他に手立てが御座るかと聞くので、井上がそれがしには分からぬ、
と言うので、

村上殿はいかがかと聞くので、いまの処良い策はござらぬというと、ならばしかたないで御座ろうと言うと徳政令を出ますと言って解散したのです、これを聞いた大口の金貸しは腰を抜か、
さんばかりに愕き、一方大名、旗本は大喜びしたのです、御用部屋に井上が入って来てやはり新井は買い増ししていたのですな、ばかな奴だ欲をかくからこうなるのですと源三郎が言うと、

しかし徳政令はまいりましたな、それがしも借財が半分になるのは嬉しいですが、貸し渋りをやられるとと言うので、利息を1年に限って倍に上げて払う事を言いなされ、喜んで又貸して、
くれますよと言うと、なる程持ち直すまで手助けするのですなと言うので、持ちつ持たれつですから、致し方方御座らんと言ったのです、新井は8000石です、借財が半分になってもまだ、
万両残ります、

年に1000両は2000石分になります、とてもやって行けないでしょう、少し助けてやりますかと言うと、よしなされ恩にきるやからではありませんよと言うので、荻生徂徠は後は引き受け、
ないでしょう、他に人材がござらぬというと、外様ですが真田殿の次男坊の幸長殿は分家を建てられ2000石で旗本で御座る独り身なけば、どこか親藩に婿に行き若年寄りに加えられて、

新井白石の代わりに、してはどうですか、頭脳明晰、剣の腕も無外流の目録持ちとききますと言うので、おう、真田なら知恵者そろいで御座るな、越後長岡半の牧野公には姫しかおらぬ、
ここに婿に行って貰おう、美形な姫なので異存ないはずだ、又小太刀の名手でもある、今は無役でござるかと聞くと、そうで御座るが、と言うので、さつそく行って、参ろうと言うと、
城を出て真田幸長の屋敷に行き面談すると、

このような所へ、御老中がわざわざと言うので、剣は無外流の目録持ちじそうじあなと言うと、いささか学んでおりますがと言うとので、立ち会うてくれぬかと言うと、それがし如きが、
ですかと言うので、わしに同行なされと言うと、そのような格好で、共もつれず参られたのですかと聞くので、わしも堀内道場の一刀流の目録はもっておる、警護は必要ないのじあと言、
うと、

何処で立ち会えばと言うので、ついてまいれと言って屋敷を出たのです、呉服橋から丸の内の越後長岡藩の上屋敷に行き、お鶴殿はいなさるかと聞くと案内したので、真田幸長どのじあ、
旗本2000石取りじあよと言うと、牧野が娘、鶴にございますと言うと、真田幸長にござると挨拶したのです、道場を借りたいと思うたのじあ、牧野殿は国元じあな元気にしておられるか、
と言うと、

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