第49話

文字数 2,907文字


源三郎江戸日記(弟四部)49

溜まらなかったのじあなと言うと、この勢いでは坑道の水は直ぐになくなりますと言うので、暫くまっていると水の流れは少なくなったのです、やがて少しの流れになったので、松明を、
もって入る事にして、穴の底に下りて松明で照らすと坑道と思われるところに横穴がぽっかり開いていたのです、反対側は洞窟になっており大きな空間が続いていたのです、坑道に入り、
進んで行くと、

水はほとんどなくなり横の岩の下から水が流れています、前の壁を源吉が松明を照らして、この黒い層が銀鉱脈です幅が2間厚さ3尺くらいです、と言うと鉱石に皿の後ろで削るとキラキラ、
する粉がつき、紛れもない銀ですと言うので、今掘った穴を出入り口にして外に運び出せば良いな、これなら水が沢山出ても、もう溜まらないだろうと言うと、源吉がお見事でしたしかし、
横に空洞があるとはと愕いていたのです、

それでは逆も調べてみよう鍾乳洞なら水晶があるかも知れんと言って反対側に入ると、見事な鍾乳石が並んでいたのです、源吉が回りをしらべて、ここはあの渓谷に繋がっているのでしょ、
うと言って、ありますよあそこを見てください、見事な水晶の鉱石ですと言うので、傍に行くと沢山の水晶が並んでいます、これはすごい、これを加工すれば莫大な儲けになるな、仏教国、
は特に貴重、

な代物じあ、これで沢山の洋銀は確保できるなと言って、銀山の産出は幕府と折半じあが、水晶鉱山は藩の収入じあ、これで米があまり取れない対馬藩の台所は豊かになるなと言うと、殿、
が聞けば大喜びになりますと言って、有難う御座りましたと言うので、なんでもやって見る事じあよ、早速幕府に開発願いを出すのじあと言って穴を出て地上に戻ったのです、源吉に火薬、
の調合を教えてやれと山形に言うと、

書付を渡しこれに量の配分とやり方が書いてある、読んで分からない事は聞くが良いと言ったのです、ここの開発は源吉がやるのじあ、その為の開発資金5000両は幕府が負担しょう、半分、
もって行くのじあ遠慮するな、この近くに町を作るのじあ、人足は小屋ではなく長屋に住まわせよ、中に入るときは口と鼻に手ぬぐいを任せて、粉塵を吸い込まぬようにせい、又灰吹き方、
に使う鉛の毒は沈殿させて外に、

出ないようにして、再利用するのじあと言うと、ハイ、分かっております、100年は採掘できますので立派な町を作ります、と言うので、大工の新吉に建屋は任せろと言ったのです、運び、
出す方法じあが、井戸のつるべのように、ここから棒を突き出して、先に滑車を付けて引き上げるが、井戸のつるべのように両方に大きな箱をつけて、片方には同じ重さ以上の人を乗せれ、
ば簡単に引き上げられる、

下に降りた箱に鉱石をのせて、人は梯子で登り上に上がった箱にのれば簡単に引き上げられるぞと言うと、なる程それなら楽ですねと言うので、落ちないように命綱は必要じあぞと言った、
のです、他にも馬に引かせても良い、なるべく人力は避けることじあ、又爆破は午前と午後の二回としてあんまり沢山掘ってはいかん、100年はもたせろというと、承知しましたと源吉が、
言ったのです、

銀があれば、金、銅もあるかも知れん、回りを調べてみよと言ったのです、源吉5000両は対馬屋に預けておく、必要な分だけ払い出すが良いと言って、とりあえず戻るぞと言ったのです、
城下に戻り、対馬屋に話すと愕いています、5000両を預けると言うと、対馬屋がそれがしも、5000両供出しますと言うので、銀は折半じあが藩の分は、幕府が買い上げる事になっておる、
水晶は藩から買って、

そなたが商いせよと言うと、ハイ、沢山藩に納められますというので、蓄えはいか程あるのじあと聞くと、およそ5万両ですと言うので、溜め込まず世の中に回すのじあと言うと、ハイ、
それでご老中に1万両寄進します、世の中の為にお使い下さいと言って、預かる5000両との差し引きでこの5000両をお持ちください、今船まで運びますと言うので、ありがたく貰ろうて、
置くぞと言うと、

間違いなく1万両は銀山、水晶鉱山の開発の為に使いますといったのです、お祝いに一席設けます、後でお迎えに伺います、皆さんも一緒にどうぞと言うので、それは有難い馳走になる、
としょう、3人も出席せよというと、柴田達が了承したのです、柴田は城に戻り殿に報告すると、まことが、これで財政改革が出来るな、わしも、お礼に顔をだすぞ柴田ご苦労であった、

しかし、凄いお人じあな、ゆめゆめ幕府には逆らってはいかん、江戸家老に早飛脚を立てて、銀山、水晶鉱山の開発を願いでよと言ったのです、国家老が殿よろしゅう御座いましたこれ、
で、膨れあがった借財を返せますと言ったのです、抜荷の事も目こぼしして下されるそうじあ、しかし、裕福になれば多大な賦役を押し付けられるかもしれぬ、蓄財はしなければならぬ、
と言ったのです、

源三郎達は旅籠に戻り、湯に入りサツパリしたのです、女将に招待されたので焼肉は朝餉に出してくれと言うと、ハイ、承知しました、茶づけとキムチは用意して置きますといって湯上、
りの酒と漬物を出して、これが朝鮮の漬物ですと言うので、一口食べてほう中々美味いな、これは唐がらし、にんにくが入っているのじあなと言うと、よくご存知ですね美味いのですが、
にんにくの臭いが残りますというので、

みなで食すれば、分からないじあろうというと、ハイと笑ったのです、柴田と対馬屋が向かえに来たので、籠はいらぬぞ歩いていくぞと言って、後をついていき、料理屋に入ったのです、
酒と膳がならんでいるので、みんなで杯を重ねたのです、芸子が入って来たので見るとみんな朝鮮の着物を着ています、ほう朝鮮の格好じあなと言うと、ハイ、いつもは和服ですが今日、
このような格好をさせましたと言うので、

中々にあでやかな着物じあな、これは絹かと聞くと、ハイ、朝鮮の女官はこのような格好をしていますと隣の芸子が言って、酌をするので、そなたは日本人かと聞くと、ハイと返事した、
のです、対馬屋我が国の生糸も中々の物じあぞ、こんどは朝鮮、シナに売れるか試してみてくれ、多磨、相模原で増産させておる、玄海屋が試しにそなたに届けるので目利きしてくれと、
言うと、

それが売れれば助かります、朝鮮、シナの生糸は高いのですと言うので、その内世界有数の生糸輸出国にするのじあよと言ったのです、対馬屋がハイ、試してみましょう、水晶細工職人、
も大勢本土から呼んで、作らせます、このように首飾り、腕飾りを女官達はしています、高値で取引出来ますと言うので、蔵に20万両入る日もそう遠い事ではあるまいというと、儲けた、
金は又開発に使いますよと笑ったのです、

源吉は藩に150石で仕官せよ、柴田よいかと言うと、殿に言うてください、この席に顔を出すと言われていましたと言うと、部屋に家老と入って来たので膳を用意させて杯を重ねたので、
す、源吉の事を話すと、承知しました150石で取り立てて、銀山、水晶鉱山奉行に任じる、そなたの好きなように採掘するが良い、屋敷も近くに立てよ、藩から1000両を使わすといった、
のです、

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