第16話

文字数 2,852文字


源三郎江戸日記(弟四部)16

明日は船から11発の祝砲と11発の鉄砲を撃ちます、何もないところに発射しますので危険はありませぬ、外国では他の国の港に入ったときは必ず撃つそうです、南蛮船が来て撃っても驚い、
てはいけませぬと言うと、国家老がそうですか、承知しました町衆に騒がぬようにさせますといったのです、翌日は船に乗り込み船を横に向けて、何もないところに向けて11発の大砲を撃、
つて、

続けて鉄砲を撃つとその音に町は大騒ぎです、役人があれは儀礼だそうだと騒ぎを鎮めたのです、国家老がなる程凄い威力だなあれなら南蛮船も愕くだろう、何と知恵の回るお方だ、敵に、
回せば恐ろしいなと言うと、町奉行が隣の高鍋藩の藩士から7万石の老中になるとは、恐れ入った人物ですな、あの知恵で高鍋藩も財政改革したのでしょう、民も含めて随分裕福になった、
と聞きます、

我が藩も急ぎ改革しましょうと言ったのです、大隅屋と薩摩屋があの船があれば幅広く商いが出来て大儲けできますよ、それを簡単に指南するとは愕きです、これで藩にも沢山冥加金を納、
められますと言うと、家老が頼むぞ、わしもホットしたぞと笑ったのです、イモも体に良いそうじあ、わしも一日に一度は食しょうと言うと、奉行が通じが良くなり屁が沢山でますぞと、
言うと、

殿の前で出ると困るなと言うので、みなが大笑いしたのです、源三郎がそろそろ行くかと言うと、船頭がイカリを上げろ、帆を張れと命令すると、イカリを上げて帆を目一杯に張り勢い、
よく錦江湾を走りだしたのです、岸壁では家老をはじめ大勢の人が手を振っていたのです、まずは奄美大島じあなと言って船を奄美大島に向けて走らせ、一日で奄美の港の沖にイカリを、
下ろし、

小船で上陸すると、島役人頭の木下ですと言うので、幕府巡察視の村上源三郎じあ、砂糖きびの巡察に来た、まずは精糖所に案内しろ、それに島の大工の棟梁を呼べと言うと、馬を用意、
させて精糖所に案内させたのです、水田はあるのかと聞くとすこししかありませんと言うので、米はと聞くと月に一回鹿児島から運んできますと言うので、島民は殆どイモを食うている、
のじあろうと言うと、

稲作をやると作付けが同じ時期なので砂糖きびを作れなくなりますと言うので、何を言うか一回植えれば後の三回は株出しで植えなくても切ったところから目が出るであろうと言うと、
ハイと言うので、手のかからないイモを栽培させているのじあろうというとハイと言うので、まずは精糖方法を工夫するのだ、それから稲作を手間がかからないようにすれば、砂糖の、
生産は落ちないのだと言ったのです、

精糖所についたので中を見ると、二つの木の筒に心棒をつけて周りを牛で引かせて回す方式です、これで一日何石出来るのじあと言うと、約2石ですと言うので、もう一つ横に筒をつけ、
て二つのキビを同時に入れれば一日4石になるじあろう、又筒の周りに鉄板を張ればあまなく絞る事が出来て5石に増えるぞと言うと、アッと声を出して、なる程と言うので来た大工に、
言うと、

ハイ鍛冶屋に頼めば簡単に出来ますと言うので、わしが2千両出してやるので、沢山作らせろ、この辺に川はないかと聞くとすぐ傍にありますと言うので、水車を作り真ん中の心棒に歯車、
をつけて回転の向きを変えれば、牛で引かせなくても出来るじあろう、これも試してみろと言うと、なる程水車ですかと言うので、その水車で水をくみ上げて、潅漑用水路に流し水田を、
周りに作るのじあ、

この辺にはアヒルはいないのかと聞くと、何羽かは買うている村がありますと言うので、あひるは田の害虫を餌とするので水田に放し飼いにするのじあよ、又水田を耕すのはスキを4本、
つけた物を作り、二頭の馬に引かせれば簡単に耕せるぞとスキと水車の工夫を絵に描いて、これも鍛冶屋に作らせろ、こうすれば稲作も簡単になるじあろうというと、傍にいた名主も愕、
いています、

村事に共同の水田を作り、その村で食う分は作るのじあ、藩に納める必要はない、藩には砂糖だけ納めれば良いと言うと、それなら、村の衆は喜んで作付けします、藩の許可は出るの、
でしょうかと言うので、わしは藩から一任されておる、こうすれば砂糖の生産にも影響は及ぼさないじあろうというと、ハイ、と言うので、役人わかったか決して邪魔はするなと言うと、

ハイ、砂糖の生産に支障が出なければわたしの役目は良いのですと言うので、これで米は供給しなくて済むじあろうというと、ハイ、薩摩は米は貴重ですから藩は助かりますと言ったの、
です、それでは2千両を下し置くので岸壁まで取りに来るのじあと棟梁に言うと、名主に預けて払ってもらいますというので、それでは名主に二千両と米50俵を下げ渡すので、新田開発、
水車、砂糖車の代金にせよと言うと、

米はみんなに分配し、早く作付けできるようにします、又水車と砂糖車を改良して、砂糖の生産を上げますというので、アヒルを買うのも忘れるなこれで島民も豊かになり砂糖地獄から、
解放されるであろうと言うと、ありがとう御座います、みんなが喜びますと言ったのです、名主が今日はわたしの家に逗留してください、何もありませぬが島歌でも披露しますと言うの、
で、

それでは厄介になろうと言うと一旦岸壁に戻り、米と2千両を下ろして名主に渡して、漁師に船を出すように言ってみんなは名主の家で待っておれ、わしは、今日の夕餉の魚を取って来る、
と言って、船に乗り込んみ、この辺は黒鯛はいるじあろうというと、いますが今の時間では難しいと思いますがと言うので、餌はあるかと聞くとオキアミがありますと言うのでそれで良い、
と言うと、

船を改造しょうと言って、大工に細い丸太と帆になる布はないかと聞くと、七衛門が布は船にありますと言うので持ってこらせて、適当に帆の大きさに切り、小船に丸太を立てて帆をつけ、
て一番下の両方と真ん中に紐をつけて帆を引っ張ってあげて、沖に向かうと前からの風ですが、少し帆を斜めにすると前に進みます、漁師にコツを教えると、これは便利ですねと言う、
ので漁場まで行くのだと言うと、

ハイと言って帆を向けたのです、岸壁にいた名主達が前から風が吹くのに前に進む船に愕いています、程なくつき帆を降ろして、イカリを入れると、道具を借りて二尺ごとに5個の針を付け、
替えて、オキアミの餌をつけて海に入れると、直ぐに当たりがあり大物です、巻いて引き上げると1尺の大きな黒鯛がかかっています、これは愕いたと漁師が言うので、血抜きをしてつづ、
けて針を入れると、

入れ食いみたいに色々な魚がかかります、アジ20匹、イワシ15匹、黒鯛5匹を吊り上げて、この位で良いじあろうというと、お武家様は名人ですね、その仕掛けでは何かがつれますねと言う、
ので、この仕掛けはぼうずのがれと言うのじあよと言うと、関東の仕掛けですかと聞くので、わしが工夫したのじあよと言うと、これはたまげましたと言うので、船を岸に向けよと言うと、
イカリを上げて帆を張り陸地に向かったのです、

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