第26話

文字数 2,690文字


源三郎江戸日記(弟四部)26

任せておけと同心、手代と取り方をつれて大田屋に行き、御定法を破ると牢にぶち込むぞと言うので、諸国巡察視の村上源三郎である、なにが御定法だそれはそなたが決めたのであろう、
逆らうと打ち首じあぞと言って、朱印状を見せると、お帰りになったのではと言うので、あの船は米1000俵を取りに行ったのじあと言うと、申し訳ありませぬと言うので、帰って奉行に、
価格を吊り上げた罪にて、

肥後屋を召し取るように言うのだと言うと、ハハハッと言うと帰っていったのです、それではそろそろ用意しようと言うと、山形が承知しました、準備は出来ています、と言ったのです、
むしろに隠していた鉄砲を取り出して、火薬と玉を装着したのです、才蔵が帰って来て、毎月100両の賂を奉行に渡していますと書付を出すので、受取り、何くわぬ顔をしているふてぶて、
しい奴だなと言ったのです、

卸元を1個所にするとこうなるので、そなたもこれから卸しをやるのだ、玄海屋が通常の値段で卸すので、小売に売るのだと言うと、ハイ、承知しましたと言ったのです、才蔵に蔵には、
いくら、金寸はあったのじあと聞くと、およそ2万両ですと言うので、しこたま貯めたのじあな、まつたく何処にでも悪人はいるのじあなと言うと、山形がきりがありませぬなあと言っ、
たのです、

奉行がやって来て、肥後屋は捕らえて牢にいれてありますがと言うので、奉行所に行き白州に引き出し、飢饉にかこつけて値を吊り上げる不届きな奴めと言うと、米の量が少なくなけば、
価格は上がるのは道理で御座いますと言うので、ならばお前の蔵にはなぜ5000表の米俵があるのじあ、何なら蔵を調べてみようかと言うと、藩からは価格は統制されていませんと言うの、
で、

それはお前が賂を渡して目こぼしして貰っているのじあろう、これを見ろ毎月100両をこの町奉行に渡しているではないかと見せると、いつの間にと言うので、お前の店は取り潰し、財産、
没収の上遠島じあと言うと、お奉行なんとかしてくださいと言うと、奉行がもはやこれまでだ奉行所を生かして出すなと言うと、30人の配下が取り囲んだのです、屋根の上からどか~と、
言う音がして、

5人が倒れ、続けさまに銃声がして15人が転がり、山形達が縄梯子で下りてきて、切りかかったのです、あっという間に残りの15人も転がり、ばかめと奉行の首に刀を突きつけると、さあ、
殺せというので、ならば地獄に行けと上段から刀を振り下ろすとヒシ~と風を切る音がして、首の皮一枚で刀を止めると、奉行は気を失い前に倒れたのです、次は肥後屋だなと刀を構えて、
同じように振りぬくと、

肥後屋も前に倒れたのです、2人に後ろからカッを入れると息を吹き返し、がくがく震えています、これが死ぬと言う事じあ、首の皮でとめてやったので、死んではおらんと言うと、肥後、
屋が命だけはお助けくださいと言うので、諸国巡察視に逆らうとはゆるしがたいが蔵の金を差し出せば許さぬ事もないと言うと、ハイ、総て差出ますと言うので、それでは二万両は5千両、
を残して没収する、

蔵にあった米は直ちに、通常値段で売るのじあと言うと、ハイ、小売に通常値で卸しますというので、小売を総て呼んで来いと同心に言うと、ハハハッと言うと呼びに行き白州に座らせて、
今後便乗値上げはならぬぞ、これから、肥後屋か大田屋から通常値で買い、元の値段で売るのじあと言うと、かしこまりましたと言うので、全員解放して、肥後屋あした金寸は取りに行く、
ので素直に引き渡せよと言うと、

承知しましたと言うので、藩も何かと大変じあろう、賂はいままでとおりに渡せ、奉行今回は目をつぶってやる、公にすれば熊本藩は改易にせねばならぬ、貰う金は寄進として藩の為に使、
うのじあと言うと、申し訳御座りませぬと言うので、こんど諸国巡察視に逆らえば首では止めないぞ、さすれば首は落ちる事になる、肩を射抜かれた者には治療代を出してやれ、後の者は、
骨は折れないように、

手心を加えておいたといったのです、肥後屋からしか仕入れてはいかん等と言うてはいかぬ、これからは、肥後屋と大田屋を頭取とせいと言うと、承知しましたと言ったのです、飢饉は、
間違いないので大田屋に米5000俵、芋も5000俵を下げ渡し飢饉の村に分けるように言うておくと言って、国家老を呼び話しをすると、申し訳ござりませぬ、本当に奉行はお構いなしでと、
聞くので、

米だけは藩が値段を上げないように、国家老がちゃんと監督しなされ、今回の事は総て不問付す、上様に報告すればただでは済まぬですぞと言うと、寛大に処置いたみいります、又我が、
領民に多大な情けをかけて頂きありがとう御座いますと言うので、先代の浪費で藩財政は大変だと聞きます、そのような時にこのような不正を許しては、藩は破綻しますぞ、飢饉に備え、
て芋を植えなされ、

イモは痩せた土地でも育ちます、芋を半分に切り土に埋めれば直ぐに芽が出て、一つるから沢山の芋が取れます、飢饉時の食料にもなり、焼酎からおかしまで、沢山作れますぞと言うと、
承知しましたと言うので、後は各村に干ばつ防止として沢山のため池を作ることですと言うと、なるべく資金を捻出して備えるようにしますと言うので、その費用1万両を明日藩に下げ、
渡しましょう、

肥後屋から没収したものですが、熊本藩に寄進します、これは干ばつ対策以外に使ってはいけませんぞと言うと、間違いなくそれだけに使いますと言ったのです、それでは肥後屋1万両、
は家老に渡すのじあ、残り5千両は飢饉の救済金として、これも大田屋に預けて各村の現状をみて救済してもらう事にする、異存ないなと言うと、ございません、これから大田屋と城に、
納めますと言うので、

それでは帰ってよいぞ、まつとうな商いに精をだすのだと解放したのです、奉行はいくら蓄えているのじあと聞くと、3000両に御座いますと言うので、2000両は没収するここに差し出、
せと言うと、もって来たので、これはわしが貰っておく、これから行く巡察に使わせてもらうぞと、山形旅籠にもって行ってくれと言ったのです、これで総て終わりじあ、家老宜しく、
頼みますぞ、

財政再建策は旅籠で考えて、明日屋敷に届けましょうと言うと、宜しくお願いしますと言うので、奉行所を出て、大田屋に向かったのです、国家老が奉行に本来なら切腹じあぞ、これか、
らは商人に便宜を図るのはやめる事じあと言うと、申し訳御座りませぬと言うので、芋かそう言えば、薩摩では飢饉でも餓死者は出した事ないと聞いたな、薩摩は米があまり取れないか、
らだと思っていたが、

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