第45話

文字数 2,878文字


源三郎江戸日記(弟四部)45

2人は異存ありませぬと平伏したのです、こうしないと内紛がおき幕府に改易に追い込まれる為なのじあ、鍋島藩がなくなれば支藩もなくなるのじあよ、幕府は38万石を天領にして大喜、
びするじあろう、我が家臣家人を含めて一万人以上が糧を失う事になる、そなた達も生きる糧を失うのじあぞと言うと、申し訳御座りませぬ、これよりは藩の為に尽力をつくしますると、
言ったのです、

源三郎達は旅籠に戻り、湯に入りサツパリして膳を囲んだのです、その頃源三郎が言ったとおり、小判の改鋳で金の含有量をふやせば、外国の流失も多くなる事と物価上昇に懲りた新井、
と間部はひそかに含有量をもとに戻すように金座に言ったのですが、ころころと方針は変えられぬと請けている後藤家は無視して改鋳したのです、この為新井は金流失を防ぐ為長崎交易、
の制限を言いだしたのです、

これにより幕府の実入りが少なくなり、幕閣からは新井、間部の非難が沸き起こったのです、間部は長崎奉行に実情を報告するように催促すると、長崎奉行は金の流出は収まったが国際、
通貨である銀、銅は増えている、長崎奉行管轄外では密貿易が横行して取り締まりは困難だと言ったのです、対策は、金、銀、銅での取引を禁止して多くの軍船で密貿易を取り締まるし、
かないと報告したのです、

それを聞いた間部は、それは不可能に近い、我が国の俵物だけでの交易はシナ、オランダが承知するはずがないと言って、新井にどうするのだと言うと、長崎奉行の言うとおりでしょう、
どうするかは幕閣が考えることで御座ると、又も逃げたのです、間部はムッとしましたが、学者の新井を外すわけにも行かず、家宣に報告すると、2人を前にして源三郎が言うた通りに、
なったな、

今西国を巡察しておるその内長崎にもよるであろう、何か良い方法を指南してくるじあろ、源三郎から便りがついたが、豊前の中津江村と言う場所で金鉱脈を見つけたそうじあ、佐渡金山、
に匹敵する埋蔵量だそうだ、佐渡、串木野、中津江と金は心配いらぬぞと言うので、そうですか、おめでとう御座りますと言うので、お前達も少しは幕府の為になる政を考えよと言うと、
御座所を下がったのです、

間部がまいったな、これではわしと、おぬしはその内罷免されるぞと言うと、これで多少の金が流失しても良い事になるので良いではありませぬかと言うと、もっと完璧な建白は出来ぬの、
かと言うと、いまいましい奴でござるなと逆恨みを言うので、間部はしかたない、荻生徂徠に頭を下げて頼むかと席を立ち御座所を出て行ったのです、新井が徂徠が受けるものか何とか、
奴を排除する方法はないもんかなと言ったのです、

源三郎達は佐賀を出て1日で長崎に着き、旅籠にわらじを脱ぎ一服して、カピタンの元に行くと、よくきてくれた、幕府が交易の制限をしたので、シナもオランダも困っていると言うので、
金、銀、銅の通貨での取引を制限しているので、それ以外の俵者と洋銀で取引すれば制限はないと言うと、俵者くらいではとうてい足りないと言うので、洋銀での取引にすれば良いと言、
うと、

洋銀は日本国内で通用しないので商人はもっていないし、又受取らないと言うので、それを自由に交換する両替商をつくるので、商人は受取った洋銀を日本の通貨に、又外国から買う場合、
には日本の通貨を洋銀に交換して買えば良いと言うと、日本が買う分の洋銀はとても足りぬだろうと言うので、そこで、長崎の近くで、牛、豚の牧畜を盛んにさせて、シナ、オランダに、
売るようにする、

金、銀、銅は貨幣ではなく現物を量を制限して輸出するようにすれば良いと言うと、それなら交易が便利になると言うので、準備が出来たら知らせるので、みんなに通達して欲しいと言っ、
て、内々で小判1万両を洋銀8万個に換えて欲しいがと言うと、承知した10日以内に用意しょうと言うので、玄海屋が段取りすると言ったのです、出島を出て奉行所に行くと、ご老中自ら、
の巡察ご苦労様に御座いますと言うので、

冥加金が減って大変じあな、交易の制限等馬鹿のする事じあが、上様が裁可されたので直ぐに変えるわけにはいかぬ、そこでじあがと手の内を言うと、なる程それなら制限の中には入り、
ませんなと言うので、近隣の百姓へは奨励金をわしから出す事にして、1万両を下げ渡そう、玄海屋が段取りする、又最初に洋銀8万個を用意するが、これは玄海屋の1万両をカピタン、
に交換して貰う、

そなたは目を瞑れと言うと、承知しました俵物の取引とします、抜荷も徐々に洋銀取引になり我が国の通貨は流失しなくなるじあろう、小判を溶かして金、銀、銅、を取り出さなくても、
塊で買えるわけじあから手間は掛からんので、喜ぶぞ、その分の鉱山は開発してあると言うと、わかりました、商人には洋銀取引にするように申し伝えますと言つたのです、これで冥加金、
も増えまする、

へんな政策を押し付けられると、現地の人間はたまりませぬと言うので、そうじあな、長崎奉行を3年やれば蔵が立つというからなと言うと、不正には手を染めておりませぬと言うので、
手心を加えなければ、タダの寄進じあ、遠慮なく受取っても、良いのじあよと言うと、恐れ入りますと言ったのです、それでは後は玄海屋と、話してくれと言うと奉行所を出たのです、

長崎の玄海屋の番頭に七衛門から指示してやらせる事にしたのです、七衛門1万両を番頭に預けて、近隣の百姓に牛、豚の畜産を奨励しろ、金、銀、銅は幕府から手にいれて交易すれば、
良いと言うと、承知しました、他にシナ、オランダが欲しがる物の殖産を奨励しますと言うので、ハムの作り方の書付を渡し、ガラス細工、色付の陶磁器、生糸も輸出するのじあ、

輸入品の大半は生糸じあから、多磨、相模原、米沢の生糸を、増産し国内だけでなくシナ、南蛮へ輸出出来るようにしようシナより優れた生糸を作れば良い、ガラス細工は南蛮から原料、
を買い国産して輸出する、学べは出来るじあろう、琉球の正常がシナに習得に行くと言うていた、帰った来たら教えてもらえば良い、そうだ甲府ではぶどうを作っていると聞く、その、
ぶどうからぶどう酒を作ろう、

木の苗を長崎に送ってもらおう、又牛の乳からは発酵させて、バター、チーズと言うものが出来るそうじあ、南蛮人はこれをつけて、米の変わりに小麦粉から作ったパンと言うものを、
食うているのだよ、後は長崎に冬の間蝦夷から氷を運び、函館と同じ小屋を作り保存するようにしょう、牛を一頭解体すれば多くの肉がとれ出島だけではさばききれないだろう、氷箱、
に入れておけば腐らないので、

カピタンは喜ぶぞ、又玄海屋の蝦夷から江戸航路に取り付けてある氷箱を南蛮、シナ船に取り付ければ塩づけでなくそのまま運べるぞ、牛、豚の肉も輸出できるな、それに日本の茶だよ、
カピタン好きらしい、シナへ運べばうれるかも知れぬな、このように、何でも試してみる事じあと言うと、番頭が承知しました琉球とも連絡を取りますと言うので、七衛門が生糸の増産、
と甲府のぶどうの苗木は任しておいてくださいと言ったのです、

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