第97話

文字数 2,847文字


源三郎江戸日記(弟四部)97

干ばつ防止のため池は、他の村にも優先してやるのじあ、1万5千両あれば、新田開発、殖産奨励もできるじあろうと、その他の殖産奨励も指南したのです、すこしは頭を使うのじあ皆で、
知恵を出し合えば、金さえあれば何ぼでも出来る、その金を幕閣にばら撒いても何も生まれぬ、ただ、江戸在住の藩士に不自由はかけられぬのはもっともな事じあが、江戸での特産品の、
拡販くらいやらせろ、

藩士といえどタダ飯を食わしてはならぬと言うと、家老達が目が点になり申した、安くて開発できる方法は沢山あるのですなと言うので、もう少し若い者の意見や百姓の言う事に耳を傾、
けなされと言うと、承知しました牧田を中心に若手を集めて、藩政改革をやらせますと言ったのです、牧田どうかなと聞くと、驚きました井のなかのかわずで御座いました、指南して、
頂いた事も、

工夫をしていきます、百姓の若い者の意見も良く聞きます、庄屋が私達も藩だけに頼らず自立できるように、やらねばならぬ事に気づきました、農作業も楽になるように工夫しますと言、
ったのです、それでは戻りましょうと言って城下にもどり、家老達と別れてみんなで居酒屋に入り杯を重ねたのです、おみなが表面は穏やかでも裏に入れば色々あるのですねと言うので、

長年たつとそのやり方が不正な事だとは気がつかなくなるのだな、いままで毎年多くの金を幕閣にばら撒いていたのじあろう、これは無くなる事はないがな、城の茶坊主に賂を渡さない、
と新参の大名は何も出来ないらしいのじあと言うと、殿は城でどうされているのですかと聞くので、道に迷えば聞けば良いではないか、わしは、茶坊主に要求された事はないのじあよと、
言うと、

殿に賂を要求すると大変な事になる、とみんな知っているのですよと山形が言って、大名は変な噂を立てられるのが厭で賂を渡すそうですというので、それではわしは鬼とでも噂されて、
いるのかと聞くと、そんなもんでないそうです、へたに掛かりあうと闇に葬られると茶坊主の間では恐れらているそうですと言うので、そんな事いったのは力丸じあな、随分前に蔵奉行、
の部屋は何処かと聞いたら、

自分が案内しないと行けませんと言うので、なぜじあと聞いたら、城の中は迷路になっているので口では説明できないのですと言うので、ならばこの紙に書けと言たら、前例がありません、
と言うので、わしに逆らうと闇に葬るぞ、おまえを殺してその庭に埋めるくらいわけないぞと言ったら、書いてよこした事があったのじあ、それで、噂をばら撒いたのじあろう、みんなは、
何と言っているのじあと聞くと、

それがしがご用人様から聞いた所によりますと、殿を怒らせると絶対にやる人だとみんな言うているそうです、大奥の女子共もそれを聞いて、殿には近づかない方が良いと噂していると、
笑っておられましたと言うので、それは都合よい、今度鬼の顔を書いた絵を懐に入れておき、顔に被せて城の廊下を歩けば、みんな腰を抜かすじあろう、言いことを聞いたな、刀を抜け、
ば切腹じあが、

鬼の面を被って歩くと切腹とは武家諸法度にはかいてないなと酒を飲み干すと、おみながこんど間部が追加しますよと笑ったのです、伊衛門が小笠原公も、城の中には家臣は連れて行け、
ぬので、しきたりは茶坊主に聞くしかない、へそを曲げられると困った事になると言われていましたと言うので、教えるのが役目じあから、意地悪する奴は拳骨でも食らわせれば良いと、
言うと、

それが出来るのは殿くらいのもんですよと山形が言ったのです、おみなが一番困るのは厠で御座いますな、まさか庭でする訳には行かぬでしょうと言うので、一回我慢できずにした事が、
あるあれは気持よかったぞと言うと、まあ、誰かに見られなかったのですかと聞くので、力丸がなにをしているのですかと聞くので、紙を取り出して糞をしたので片付けてくれと言った、
ら、

城の庭で糞をするときついお咎めがありますと言うので、切腹にはならぬじあろう、登城停止くらいじあろう、登城停止になればわしは出仕視なくて良いので楽じあなと言って部屋に戻、
ると、力丸の奴こんどからこの中にしてくださいと壷を持ってきょった、その壷に水を入れておき、次に来たので中で小便をしたので綺麗にしてくれと言つたら、厠でしてくださいと言、
うので、

場所がわからぬというと、紙に地図を描いたので、それから色んな所の地図を書かせて、新任の大名が挨拶に来ると渡したら喜んでいたよ、力丸にこうすればお前達がわざわざ教えなく、
ても良いじあろうというと、賂を取れなくなるので困った顔をしていたぞと笑うと、おみながもっとも厭な大名は茶坊主にとって殿と言う訳ですねと言うと、みんなが頷いたのです、

さて四国は終わったぞ、資金も趙達できたし、後は木曽川の治水工事じあな、富蔵達も状況はつかめたじあろう、明日は大阪により、骨休めして船で尾張に向うぞ、一番難関な場所じあ、
宜しく頼むぞと言うと、お~と杯を傾けたのです、旅籠に帰りゆに入り部屋で一服していると、牧田がやって来て、庄屋が地鶏と岩魚をご老中にと渡しましたので、女将に渡しました、
酒の肴にしてくだされと言うので、

それは済まんなそれでは、地鶏の焼き鳥でも指南してやろう、牧田台所に案内しろと言って、連れて行き、板前に包丁とたすきを貸してくれと言って、鳥の羽を炙り引き抜いて、真ん中、
から裁き、内蔵を取り出して、皮、肝臓、尻、分け、くしに刺し、桃肉とネギを刺して、甘タレと塩をかけて焼いたのです、板前がほう甘タレですか、内臓も料理するのですかと言うの、
で内臓が一番美味いのじあよと言ったのです、

焼けたのを食うてみろと言うと、なる程特にこの尻は美味いですなと言うので、こうやれば客が喜ぶぞと言うと、ハイ、名物にしますと言うので、牧田に村の者に教えてやり城下の屋台、
で酒の肴にして商えば糧になるじあろう、お前も包丁くらい使えるようになるのじあと言うと、ご老中は何でも出来るのですねと言うので、板前がご老中と言うと、幕府のですかと言う、
ので、

牧田がご老中の村上様じあと言うので、ハハハッと平伏しょうとするので、これ、これ、そんな事しなくて良いのじあ、これをみんなに持っていってやれと言って部屋に戻ると、おみな、
が今度は何の料理ですかと聞くので、ただの焼き鳥じあよ、タレと塩があるので食べ比べてみよと言ったみんなに進めると、これは美味いコリコリしていますねと言うので、今まで走り、
回っていたのじあろうと言ったのです、

牧田、包丁とソロバンはこれからそなたの必需品じあと言うと、この板前の三吉にならいますと言って、しかし、ご老中様の包丁裁きは見事なもんです、板前で食うていけますよと言うの、
で、それではおみな2人で居酒屋でも開くかと言うと、ハイ、江戸中の評判になりますると笑ったのです、女将が入って来てご老中様とは知らず失礼をいたしましたと頭を下げるので、
頭をあげなされ、ただの旅人じあと言ったのです、

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