第71話

文字数 2,708文字


源三郎江戸日記(弟四部)71

調査している薩摩藩に聞いたほうがうが良いのではと聞くと、何か問題でもと言うので、新井殿の上申書にケチをつける訳ではないが、延長100里にも及ぶ大工事ですぞ、完成するには、
3年はかかり申す、その間大雨がふれば、完成していない堤は決壊するでしょう、かと言って乾季に総ての工事をやるのは不可能で御座る、信濃が完成すれば、尾張、美濃に大水が流れ、
込み流失は拡大します、

尾張が完成すれば美濃は今の倍は流失します、みずは消えてなくならないのです、被害が大きくなった領民、大名が黙って我慢するはずはありませぬがと言うと、10万石が半分になれば、
良いではござらぬかと言うので、信濃、美濃、の6万石を助けるとすると尾張は何もかわりませぬ、尾張公が納得するはずはありませぬ、独自で工事を始めると、上流の美濃が変わらない、
のですよと言うと、

犠牲はつきもので御座ると言うので、どこを犠牲になさるのかと聞くと、信濃1万石、尾張2万石、美濃2万石とすれば、半分の5万石が助かりますと言うので、それは机上の事で御座る、
そう都合よく工事は出来ませぬと言うと、やってみてまずければ、そこで新たな手を考えれば良いではないですかと言うので、それでは手遅れになるのですよと言うと、村上殿は10万、
石の流失をほうっておけと言われるのかと言うので、

そうは言うておらぬというと、良い施策がなければやってみるしかないではないですか、採決願いたいというので、間部がそれではどうするかで御座るが、それがしは、すこしでも流失、
が減れば良いとおもうので、とりあえずやらしてみてはどうかと思うというと、井伊、安部も同調したので、それでは早速各藩に命じますと言うと、部屋を出て行ったのです、井上が、
又始まりましたな、

どうしても手柄が欲しいのですよ、しかし、まいったな、それがしも良い方法は思いつきませぬと言ったのです、間部が新井をご用部屋につれこみ、本当に大丈夫なのかと聞くと、村上、
はわしのやる事にケチをつけているだけです、流失し易い場所を限定に工事してそれを大きくすれば良いのです、確かに1年では無理でしょうが、年々流失を少なくすれば良いのですと、
言って、

費用は、伊達、薩摩、前田が出すのです、幕府には負担はかかりませぬと言うので、御三家の尾張が入っている、何かあれば又ねじ込まれるぞと言うと、尾張を中心にやらせれば問題な、
いですよ、4万石が流失しなくなれば宗治様は喜びますよと言ったのです、こんど失敗したら切腹させるしかないぞと言う、心配いりませぬと言うと部屋を出て行ったのです、まあ失敗、
すれば詰め腹をきらせれば良いかと言ったのです、

心配になった新井は、薩摩の江戸家老を呼び話しを聞くと、薩摩は尾張の受け持ちで3間の堤を築けば流失はなくなりますが、美濃に3間の堤を作られると尾張の堤から溢れるので、美濃、
堤はそれより低くしなければなりませんと言うと、それでは美濃の流失が増えるではないかと言うと、木曽川の水が長良川に流れこんでいますがこの口を広げれば木曽川流域の流失は無、
くなります、

しかし今度は長良川の流域が4万石位は流失するとおもわれます、防ぐには尾張から伊勢のでの50里を3間の堤にすれば防げますが、これ以上の賦役は薩摩藩では無理にございます、ざっと、
20万両はかかりますと言うので、何か方法はないのかと聞くとありませぬと答えたのです、まだ開始しておりませぬが、本当にやるのですかと聞くので、幕府が決めた事を撤回する訳には、
いかんと言うと、

それでは国元に藩士を現地に送るように指示します、それがしも総奉行として現地に行きますと言うと、帰っていったのです、新井は登城してこの話をすると、安部がなにおいまさら言う、
のだ、誰が尾張公を説得するのだ、わしは知らぬぞと言うと、新井がそれはご老中方の役目で御座る、わたしは流失を半分にする方策を上申しただけに御座ると言うので、まったく適当な、
事ばかり言いおってと、

立ち上がり脇差に手をかけるので、井伊がここで刀を抜けば、武家諸法度によりお家は改易になりますぞととめると、くそ~、ならば城の外でその首叩き落したくれると怒ると、新井が、
そのような短慮の方との同席はできませぬと立ち上がり、御座所を出て行ったのです、井伊が間部殿どうされるお積りでと聞くと、いまさら中止には出来ぬ、尾張公に話すしかないじあ、
ろうと言うと、

しかし長良川の治水の費用20万両は幕府が出せと言いますよ、そんな余裕はありませぬと言うと、安部が村上殿に相談したほうがと言うので、昨日の今日じあ相談には乗らぬじあろうと、
言うので、間部殿が説得してくだされと2人は席を立ったのです、長良川は美濃から尾張に流れている、美濃に2万石、尾張2万石が均等に流失できる工事にすれば良い、さすれば美濃、
尾張も納得してくれるじあろうというと、

城を出て尾張上屋敷に行き宗治公と面談して話しをすると、それでは40万両もつぎ込んで2万石づつしか助からぬではないかと言うので、大雨時の何年か一度は2万石の流失で済むのです、
いままでにくらぶれば良しとしなければなりませぬというと、わしが納得しても新たに流失する場所を知行地にしている家臣と領民が納得しないであろう、いままでは何事も無かったの、
じあからなと頭を抱えたのです、

何か良い知恵はないのかと聞くので、老中の村上殿なら知恵があるかもしれませぬと言うと、ならば源三郎に聞けば良いではないかと言うので、この治水工事には反対したのです、それが、
しが聞いたも教えてくれないでしょうと言うと、又源三郎を怒らしたのじあな、白石のばかめ、仕方ないわしから聞いてみる事にしょう、奴とて良い方法がないかもしれんぞと言うので、

時期将軍についてですが、それがしは尾張様を推挙しますと言うので、何上様はご病気なのかと聞くので、いや、まだ年少にあらせられます、もしもの事あらば世継はいませぬ、さすれば、
尾張様か紀州様と言う事になります、そのときの事に御座います、後井伊殿、安部殿はそれがしに賛同するはずですと言うので、空手形もありうるわけじあな、まあいいじあろう、方策が、
無い場合は、

それにて家老達を説得しょうと言ったのです、宗治は川越藩の上屋敷に使いを出して尾張の上屋敷に足を運ぶように依頼したのです、源三郎はやっぱり来たかと言うと馬に乗り紀尾井町の、
尾張藩の上屋敷にむかい、お呼びにより参上しましたというと、さつそくじあが、今回の木曽川治水工事についてじあがと骨子をはなして、長良川領域の流失を防ぐてだてはないかと聞く、
ので、

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