第91話

文字数 2,936文字


源三郎江戸日記(弟四部)91

女郎は何人いるのじあと聞くと30人にごぜえますと言うので、山形1人30両渡して解放しろ、そのまま店にいてもよいぞ、いつものとおりに仕置きしてくれ、誰か女将を選び500両を渡し、
てやれと言うと、承知と言つて1400両を持ち奉行所を出て行ったのです、政吉それでは直ちに出て行くのじあ、もし見かけたら斬首じあぞと言うと、子分が10人ついて行くというので金、
を渡すと奉行所を出て行ったのです、

後の10人はこれより悪さをしない、と誓うなら50叩きも勘弁してやるがと言うと、金輪際悪さはしませんと言うので、小頭格はだじあと聞くと、ヘイ音吉といいますというので、半分は、
女郎屋の用心棒として奉公して、後半分は賭場を仕切るのじあ、イカサマはいかんぞと言って、500両を下げ渡すこれでやるのだ、毎月町奉行所に20両、女郎屋から20両を寄進せよとい、
うと、

承知しましたと言うので、それでは帰ってもよいぞと言うと帰っていったのです、さて奉行これからは寄進を受けても、目こぼしはならぬ、博打場は特に目を瞑っても良い、寄進の金は、
そなたの懐にいれるばかりではなく、奉行所全員の慰労や救済に使うのだ、没収した金から500両は下げ渡す、町の為に使うが良い、こんご不正はならぬぞと言うと、肝に銘じて職務に、
励みますと言ったのです、

残りの金は総てこれからの巡察の費用とする、旅籠まで持って行かせよと命令して、次席家老が松屋から賂をもろうているのは発覚しておると書付を見せて、どうするかは自分で決めろ、
と言うておけ、それでは役目に戻るが良い、松蔵十手はすまなんだな、そなたに50両やる新しい十手を作れ、いいか、目明しは町の者を守る為にあるのじあ、確かに女郎が借りた金を、
返さず逃げるのは泥棒じあが、

話しを聞いて店が無体な事をしているなら正さなければならぬ、給金も安く大変じあろう、その金で女房に飯と居酒屋を開いて生活の糧にせいと言うと、ありがとう御座ります町の治安、
維持に努めますと受取つたのです、奉行後は頼むぞと言うと、承知つかまつりましたと言うので、奉行所を出て旅籠に戻ると、お役人が物を運んできましたので部屋においておきました、
と言うので、

わかったと言って部屋に入って確認すると、3680両あります、これで干ばつ対策に使えるなと言うと、おみなが悪人がいると金繰りも楽ですねと笑ったのです、そのころ町奉行は危ない、
ところであった、総てお見通しとは恐ろしい人だと言うと、松蔵があの十手を簡単に真ん中から切られたのです、尋常な腕ではありません、本当にご老中なのですかと聞くので、間違い、
無い、

軍勢をもってもご老中には敵わないそうじあ、政吉もばかな奴じあと言うので、お奉行あんな悪に目こぼしするとこうなりますと言うので、懲りたわ、松蔵頼むぞと言うと、この金寸は、
どうしますと言うと、言われた通りにせい、しないと、今度は本当に斬首にされるぞ、次席家老の田所様には申し上げてくる、公金を横領されていると聞く、発覚すれば間違いなく切腹、
じあと言うと出掛けて行ったのです、

女将がご家老様2人とお目付けに松屋の旦那が見えていますがと言うので、通すように言うと、4人が部屋に入り座ると、主席家老が町の悪人を成敗されたそうで目が届かなくて申し訳、
ありませぬと言うので、総て仕置きは終わり申した、気になさるなと言うと、又この次席家老が松屋から賂を貰っているそうで、ここにひきつれました、横にいるのは目付けの藤堂です、
何なりと申しつけくださりませと言うので、

ならば聞くが松屋賂を渡して何の便宜をはこうて貰っているのじあと聞くと、ハイ、藩に出入りさせて貰っておりますと言うので、それはそなただけではなく他の商人も同じであろうと、
言うと、ハイ、いくら寄進しているかは知りません、他には何もありませんと言うので、それでは賂ではなく寄進と言う事じあ、便宜を計ってもらえば賂じあが、何もないのなら寄進と、
言う事になり、

問題ないわけじあなと言うと、有難う御座りますと言うので、さて次席家老年間1000両を受取っている事分かっているが、その金寸は何に使うているのじあと聞くと、殆どが屋敷の蔵に、
ありますと言うので、いか程じあと聞くと、8000両ですと言うとので、去年はひどい干ばつだったと聞く、なぜその為に、使わなかったのじあと聞くと、申し訳ありませぬと言うので、
そなたは、

藩士を自分の味方にするためと遊興に使つて、残りが8000両であろう、商人から貰った金寸は去年でいくらじあと聞くと、ハイ、5000両に御座いますと言うので、いままでは自分の為に、
使ったのじあなと聞くと、申し訳ありませぬと言うので、そなたの差配はと聞くと、勘定方に町方に御座います、そうすると主席家老が郡方差配じあな、藩の為に使うならともかく私腹、
を肥やす為に使うとは言語同断じあな、

それではまだ数々の不正をやっているのであろう、目付けこれより勘定方の蔵より去年の収入と支出のまとめた帳簿をもってまいれ、勘定奉行も連れて来い、まとめてあれば1冊じあろう、
その内訳は入らぬぞと言うと、承知しましたと言って部屋を出て行つたのです、次席家老ひたいに汗をかいているようじあが、今の内洗いざらい言うった方が身の為じあぞ、わしの目は、
ごまかせぬと言うと、

申し訳ありませぬ、少々借りていますと言うので、8000両も屋敷の蔵にあるのになぜ借りる必用があるのだ、少々ではないじあろうと聞くと、年に1000両に御座りますと言うので、その、
金寸は何処に隠しているのじあと聞くと、勘定奉行の屋敷の蔵にございますと言うので、いくら残っているのじあと聞くと、ハイ、8000両に御座いますと言うので、主席家老がそなたは、
何と言う事を、

直ぐに腹を切れ、わしが介錯してやると言うので、そうなると、公になり松山藩は治世不行き届きとして改易せねばなりませぬ、怒りは納めてくだされというと、うぬ~とうめいて肩を、
落としたのです、目付けが勘定奉行と帳簿をもってきて平伏するので、次席家老に加担して公金を横領するとは不届きな奴め、この帳簿の合計は1000両水増しして、その1000両を毎年、
懐に入れているのじあろうと言うと、

申し訳ありませぬと言うので、次席家老と勘定奉行は罷免する、即刻隠居せよ、家禄は半減として嫡子に跡目は相続を許してやる、不正に蓄財した金は総て没収する、目付け取り方を連、
つれてこの者達を謹慎させよ、家人以外は誰ともあわしてはならぬ、又、両屋敷にある金寸の内1万両は藩の金蔵に納めよ、残りの6千両はここに持ってまいれと言うと、承知しましたと、
言うと連れて部屋を出て行ったのです、

暫くして、持ってきたのでご苦労じゃった、松平公にこれ以上の処罰はやらないように言ってくだされと言うと、そう伝えますと言うと、家老と目付けは帰って行ったのです、さて松屋、
この金はそなたに預ける、あした、わしと同行してくれ、大工も連れて来てくれと言うと、承知しました預かり金に足して1万5千両を開発資金にしましょう、古田様が必用な時にお渡し、
します、これで私も楽しみが増えましたと喜んだのです、

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