第46話

文字数 2,688文字


源三郎江戸日記(弟四部)46

番頭が長崎会所の商人が殿にご挨拶したいと料理屋で待っております、20人程ですが1人500両づつ供出して殿に寄進したいと申し出ています、玄海屋、博多屋も入っていますと言うので、
わかったくれる物はありがたく貰ろうておこう、案内せよと言うと、番頭が案内したので料理屋に行って座ると、みんなが平伏するので頭を上げて席に着くか良いと言うと、長崎屋が、
お奉行より、

洋銀での取引にせよとおうせになりましたが、洋銀は私達は持ちあわせしておりませぬと言うので、シナ、南蛮からも洋銀で支払うようにカピタンに言いつけた、それを玄海屋が我が国、
の金、銀、銅の通貨に両替する、又我が国の金、銀、銅の通貨を洋銀に交換する、他の両替商も両替しても良いぞ、とりあえず3日いないに8万個の洋銀を玄海屋が手にいれるというと、
承知しました、

足りれば洋銀で取引しますが、洋銀が足りなくなったらいかがすればと言うので、我が国の通貨で買っても良いぞ、そうならないように、殖産を増やして買う分と売る分を均等にもって、
行くしかない、と殖産の方法を言うと、牛、豚の飼育をお許しになるのでと言うので、出島に供給する為にすでに少しやっておるじあろう、それを増やすのじあよ、日持ちしないので塩づ、
けにしておるが、

しなくても日持ちする方法があると、方法を話し、この方法ならシナ、ルソンあたりにも売れるぞと言うと、何と夏でも氷を保管するのですかと言うので、すでに蝦夷から江戸の海産物、
は玄海屋がそうしておる、蝦夷からここまでは3日でこれる、今言うた建てやを作れば、熱は中に入らないので、氷も溶けないのじあよと言うと、それは凄いですね、生糸、ガラス細工、
もやるのですかと言うので、

シナ、南蛮より良い者をつくれば売れるはずじあ、我が国の民は手先が器用じあから、きっと、外国製品より上回るものができるじあろうそなた達も挑戦してみるが良いと言うと、承知、
致しましたと言って、ここに1万両持参しましたと言うので、ありがたく受取るぞ、それは長崎屋に預ける、肥前の有田は焼き物の名産地じあろう、陶工にいうて色つきの皿、壷等を工夫、
して南蛮に売れるようにする、

開発資金にせよ、他に象牙、珊瑚、水晶、などを買うて、首飾り、腕飾り、等の飾り物を作るのじあ、南蛮の女子、インド、ジヤワ、ルソンにも金持ちはおる、金持ちは身につけている、
そうじう、又金、銀細工等も良いじあろう、これは高値で売れるので洋銀を獲得するのには大変有効じあなと言うと、なる程製品を買って国内に売るのではなく、加工して外国に売るの、
ので御座いますなと言うので、

そうすればそなた達の商いは増えて、大儲けするであろうと言うと、承知しました職人を集めて話しをして進めますと言ったのです、ここは外国との交易が許されている唯一の場所じあ、
これからは外国に物を売るのを盛んにしてもらえば、金、銀、銅通貨の海外流失は少なくなるじあろう、シナも鎖国しておるが我が国とは交易しなければならぬ理由があるのじあ、それ、
は、

シナは大きな国じあ銅銭を沢山つくる必要があるが、銅の産出はきわめてすくない、我が国の銅がどうしても必要なので、日本だけとの交易は許しているのじあと話すと、お殿様は江戸、
におられるのに外国の事情に詳しいのですねと言うので、詳しい理由を話してきかせたのです、話はこれ位にするぞと言うと、ハイと言って手を叩くと、芸者が入って来て酌をするので、
ハイを重ねたのです、

女将に山クジラの肉、しょうが、醤油、酒、たまねぎ、菜種油はあるかと聞くと、御座いますと言うので、それでは調理場に案内してくれと言つて行き、たすきを借りて、山クジラの肉、
を薄切りにして、しようが、醤油、酒を混ぜたタレにつけてもんで、味をしみこませ、鍋に菜種油とたまねぎを入れて味のついた山クジラの肉を入れて火が通り少し焦げ目が出来る、
まで揚げて、

油がなくなったら、取り出したのです、板前におまえがやってみろと、人数分作らせたのです、食してみろと言うと、醤油だけなのに、甘いですねと言うので、しようが、酒、が臭みを、
取り柔らかくするのじあよ、たまねぎを入れると甘くなるのじあよ、これを外国では豚肉を使い、しょうが焼きと言うていると言うと、板前が愕いていたのです、みんなに出してやれと、
言うと、

女中が座敷に運んだので、みんな食うてみよと言うと、みんなが甘いくて美味いですなと言うので、これは山クジラの肉じあが、豚肉を使うと更に柔らかくて美味いぞ、豚肉自体は甘み、
があるのじあ、西洋ではしょうが焼きと言う、簡単な料理じあよ、出島にいるシナ人の中華料理は豚肉をふんだんに使うぞ、同じ仏教国なのに我が国は食べてはいけないとはおかしいで、
はないか、

坊主が言っているだけじあ、豚や牛の肉を食うても打ち首にはならぬ、肥後では馬の肉も食うているぞ、女将これから牛、豚の畜産を奨励するので、この店の目だま料理らせよと言うと、
承知しました、大儲けできますねと言ったのです、殿様は料理も指南なさるのですかと聞くので、それも諸国巡察視の役目なのじあよと言うと、長崎屋がこれまた恐れいりました、酒の、
肴にもあいますと感心していたのです、

せっかく生まれて来たのじあ、美味い酒、美味い料理、情の深い女子を食うてなにがわるい、直ぐに倹約、倹約と言うて、質素にせよなどと言うやからの武士が多いが、わしにはわからん、
と酒を飲み干すと、みんながドット笑ったのです、七衛門刻印いりの小判を50枚持って来てくれと頼むと、承知と席を立ち、暫くしてもってきたので、今日はみなに世話になった、一人、
1000両づつ下げ渡そう、

芸子も女将もじあと言うと、七衛門が一枚づつ渡したのです、これは将軍家宣様が甲府におられたとき、刻印いりの小判を少数作られた物を拝領したものだ、1枚1000両の値打ちがあるぞ、
と言うと、長崎屋がなんと上様の刻印入りですか、これは我が家の家宝にしますと言うので、みんなも、そうしますと言ったのです、芸者25人が私たちも宜しいのですかと言うので、この、
座敷に出て良かったなと言うと、

ハイ、みんなが羨ましがりますと言ったのです、女将が私までありがとう御座いますと言うので、たかが50両があっと言う間に5万両じあ、まさに外国から50両で買って加工するとこうなる、
たとえじあよと言うと、みんなが、なる程お殿様は凄いですねと頷いたのです、これでわしの言う事をきかなければならなくなったであろうと笑うと、一本取られましたなと長崎屋が言った、
のです、

ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み