第28話

文字数 2,717文字


源三郎江戸日記(弟四部)28

まあお殿様は詳しいのですね、わたしの生国は日向の都井岬なんですよ、岬には春になると沢山咲ますと言うので、都井岬が生国かあそこは高鍋藩の放牧場があるじあろうというと、ハイ、
わたしの父親は牧場で馬の世話をしていましたが、随分前に病気でなくなりました、それで母親の里である熊本に来たのですと言うので、なんと言う名前じあと聞くと、茂三といいますと、
言うので、

あの茂三の娘かと言うと、わたしの父をご存知ですかと聞くので、高鍋に小さい頃いた事があり、あそこの代官をやっていた遠山は竹馬の友じあ、茂三とも何回も会た事があるぞ、良く馬、
に載せてもろうたよ、そうか、病気でなくなったのか、生きていれば今年で60位じあろうと言うと、まあそれではお殿様は村上源三郎様ですかと言うので、そうじあよと言うと、生前父が、
上杉家のご家老に出世されたと自慢していました、

でも今は幕府の御老中様でしょうというので、ひょんな事からなってしもうたのじあよ、これは奇遇じあな、まあ一献と酌をすると、有難う御座りますと飲み干し返杯したのです、奉行が、
ご老中の知り合いですかこれは愕きましたというので、高鍋から上杉家の養子になられた治憲様のつけ家老として上杉に行き、家宣様に無理やり大名にされたのじあよと言うと、そうで、
したか、

それは大層なご出世ですな、老中になれる家柄があるそうですが、柳沢様も老中格でしたのに老中に登用されるとは、前代見門ですな、まことに恐れ入りましたと言うので、老中格も老中、
もさして変わりはないよ、政は後の老中3人がやっているのじあ、わしはそのお目付け役と言う訳じあよ、さぞかし煙たいじあろうなと笑うと、ご老中が諸国巡察するなど聞いた事があり、
ませぬと言うので、

わしは正座が苦手なので、江戸城での政務には向かぬのじあよ、だから、こうしてあぐらをかいている、何回も断ったのじあが上様が許してくだされぬので、仕方なくやっているのじあ、
よと言うと、はまゆうが出世して喜ばぬのは村上様だけですよとあきれたのです、まずは一指しと3人が立ち上がり、三味線に合わせて踊ったのです、中々の舞いです、舞い終わったの、
で中々のもんじあな、

深川芸者と遜色ないぞと言うと、よく深川にはお行きになさるのですかと聞くので、深川に上屋敷があるのじあよと言うと、そうですか、私は江戸には行った事はないです、今度会いに、
行ってもと言うので、ああ、八幡様にも連れて行ってやるぞと言うと、約束ですよと言うので、江戸に登ったら屋敷に訪ねてまいれと言ったのです、大田屋も藩の仕事が上手く行ったら、

江戸にも出店を作ると良い、色々紹介してやるぞ、若狭屋、江戸屋、相模屋、越後屋、銭屋とも親しくしておると言うと、凄い豪商ばかりではないですかと言うので、わしが儲けさせて、
いるのじあよ、金寸ならいくらでも都合してもらえるぞと言うと、その節はお願いいたしますと言うので、早くそうなると良いなと言って、玄海屋さんは殿様の後ろ盾ですかと聞くので、
あれは、

配下じあよ、千石船を20隻持ち船子が800人からおる、全国に出店が30あるのじあ、わしの家臣をいれればおよそ2500名となる、総てに大砲と鉄砲で武装すれば江戸城も乗っ取れるぞと、
なんなら熊本城でも攻めてみるかなと言うと、そんな物騒な事を言うと幕府に睨まれますよと言うので、わしはその幕府の老中じあよと言うと、はまゆうがそうでしたと言うので、
鶴田が勘弁してくだされ、

ご家老が聞いたら腰を抜かしますよと言うので、戯言じやよ、しかしあの軍船で大砲を撃ちロシア人とエゲレス人に見せたら、愕いていたぞ、あの大砲は400間も飛び、しかも炸裂弾なの、
じあよ、奉行が痛い目にあった鉄砲は射程距離300間で250間から相手の肩を簡単に打ちぬく事が出来る、南蛮人のもっている鉄砲や熊本藩の持っている鉄砲は250間とどけば良いほうで、
有効射程距離は200間が良いところじあろうというと、

大田屋がそれもお殿様の工夫ですかと聞くので、そうじあよ、あの大砲は自由に発射角度か変えられる為簡単に照準が合わせられる、船は前から風が吹いても前に進め、方位磁針計を、
装備しているので夜も走れるので、大シケで無い限り航行可能なのじあよ、方位磁針計は南蛮からは禁制品じあが、あれはわしが作った、国産品じあので幕府も許しているわけじあよ、
ここから大阪までは3日、江戸までは5日で行く事が出来る、

普通なら江戸までは25日以上かかるのじあよと言うと、みんなが愕いています、沖縄から100里も離れた石垣島の巡察が終わり4日で熊本に来たのじあよ、ここからじあと250里はあるな、
と言うと、またまた愕いたのです、女将が細川のお殿様がお見えになりましたと言うので、お通ししてくれと言うと、部屋に入って来たので、上座を空けると、細川宣紀に御座る村上、
殿が上座にと言うので、

今は老中では御座りませぬ、諸国巡察視でござる、遠慮なさるなと言うと、しからばごめんと言うと座ったので、それがしは正座は苦手で御座る、足を崩してくだされと言うと、わかり、
もうしたと足を崩したので、女将が膳を出して酌をしたので杯を重ねたのです、今回は色々ご助力いただきかたじけないと言うので、この大田屋に総ての事を指南して置きましたという、
と、

大田屋喜平に御座いますと平伏するので、これからは藩政改革に助力してくれ頼むぞと言うので、承知いたしましたと言ったのです、細川殿も自らやらなければなりませぬというと、わし、
は何をすればと言うので、まずは薬草園をお作りになり薬を栽培して大阪、江戸に商いするのですと言って、大田屋説明してくれと言うと、大田屋が総てを話すと、なる程色々改革する、
事があるのじあな、

それだけやれば藩政も立ち直るじあろう、治水と芋はこれから餓死者を出さない工夫ですな、早急にやります、又多大な寄進して貰ったそうで、かたじけない、わしが先頭にたち改革を、
進めますると言うので、殿自ら旗振りとなれば家臣はいやおうなくやらなければなりませぬ、きっと早く成功するでしょうと言うと、色々聞いて頭痛の種がなくなりもうした、熊本藩、
で出来る事なら、

村上殿の手助けをしますぞ、遠慮なく言うてくだされと言うので、新井白石と間部の甘い言葉に乗ってはいけませぬぞ、奴らは権力欲が深いので、足をすくわれますぞと言うと、承知、
つかまった、十分に用心しますと言ったのです、薬草ですかと言うので、本を出してこれに詳しく書いてあります、進呈しますのでご自分で確かめられると良いでしょう、処方箋、
効能、煎じ方も詳しく書いてありますぞ、

ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み