第78話

文字数 2,892文字


源三郎江戸日記(弟四部)78

我が国でも昔の戦には使用していたそうです、今でも欝の病には使つている医師もいるそうですが、多量に摂取すると幻覚をみたり、心の蔵の弱い者は危ないとも言われています、まあ、
吸わない方が良いと言う事ですよと飛猿が言ったのです、江戸ではキセルを盗まれたので自粛するじあろうが、大阪、京都では商いを続けているのじあろう、大店の妻女、武家の妻女等の、
ある程度金持ちに売りつけているのじあな、

藩の財政改革の一環にやっているのかも知れぬ、藍を広く作付けしたほうが、よっぽど財政の為になるのじあが、賂の為に阿波屋に独占させるとはおろかな奴らだな、城下に運びこんだら、
教えてくれと言ったのです、暫くして阿波屋が千両箱をかかえてやって来て差し出すので、寄進ならうけとるぞと言うと、何もお頼みしませんと言うので、それでは有難く受取ろう、とこ、
ろで、

藍は沢山作付けして大量に売り出せば良いではないかと言うと、それでは値崩れします、徳島の藍は、特に染まりが良く綺麗な藍色がでますので、高値で京、大阪、江戸で売れるのです、
藩には沢山の冥加金を納めていますと言うので、そうか、それは良い事じあなと言うと、一席設けましたのでお出まし願えばと言うので、わかったと言って、おみなを連れて後を付いて、
行くと、大きな料理屋に入ったのです、

膳が運ばれて来て芸子が3人入って来て酌をするので杯を重ねたのです、ところで徳島藩も財政は良くないであろう、27万石じあがどの位借財を抱えているのじあと聞くと、10万両あり、
ましたが、今回の徳政令で半分の5万両に減ったそうです、私も4万両程用立てしていましたが、今わ2万両ですと言うので、それでは大損だなと言うと、藩にもうけさせて貰っています、
ので仕方ないですよと笑ったのです、

藍も良いが朝鮮人参も作付けするのじあ、長崎の玄海屋に言えば、株分けしてしてくれるぞ、紹介状を書いてやると書いて渡すと、有難う御座います、さつそく手に入れて作付けします、
藩の財政に寄与できます、お殿様が喜びになるでしょうと言ったのです、色々歓談してお開きにして旅籠に戻ったのです、阿波屋は奉行所に行き一席設けましたらご機嫌で帰られました、
先程荷は城下に移しましたので、

心配いりませんと言うと、そうか、引き上げたら、政吉達も牢から出してやるぞと言ったのです、朝鮮人参の株わけをしてくれるそうですと言うので、おめでたい奴じあな、これで又儲、
かるではないかと言うので、阿波屋が上乗せしてお渡ししますと言うと、頼むぞ、次席家老の岡田様にも目を瞑ってもらわねばならぬからなと言ったので、お奉行は、そろそろ執政に入、
られるのではと聞くと、

近々とのおうせであった、何と言うても金の力じあよと笑ったのです、主席家老の中前様は大丈夫ですかと聞くと、老齢ゆえそろそろ引退なさるじあろう、さすれば岡田様が主席家老じ、
あ、一段とやり易くなるぞと言ったのです、源三郎達は翌日は馬に乗り一番札所霊山寺に行くと、静かな山間にあり荘厳なつくりです、お参りをすませて、裏側の道から大麻山へ行くと、
暫くして高原にでたのです、

飛猿がこの道の先に関所があり役人が見張っていますと言うので、このまま行くぞと言って関所に行くと、役人が愕いてここからは立ち入り禁止だと言うので、諸国巡察視の村上源三郎、
じあ、巡察の邪魔をすると厳罰にするぞ、門を開けよと言う、何人といえども入れる訳にはいかんと言って、曲者じあと言うと、門が開き10人の武士と浪人が出て来たのです、邪魔をす、
るとはけしからん、

山形叩き潰せというと、馬を降りて一斉に切りかかったのです、あっと言う間にそこに転がしたのです、全員を縄で縛り、切ってはおらぬが、諸国巡察視に手向かうとは、全員死罪じあ、
なと言って、中に入り建物の鍵を開けると、沢山の百姓がいたので、どこから連れてこられたのだと聞くと、近くの村です、給金の良い仕事があると騙されて連れてこられたのですと言、
って、

役人が家に行き、給金を渡してしばらくは家には戻れないと言っているのです、逃げようとした3人は殺されましたと言ったので、大麻と阿片の精製場所と栽培場所に案内しろと言うと、
まずは精製場所に案内するとここにも大勢の人が作業をしています、作業をやめて表に出るのじあ、みんなは解放してやると言って外に出して、調べると20人います、後はと聞くと、
畑に出ていますと言うので、

畑に行くとここにも役人が5人で監視していたので叩きつぶし縄を打つて、藍は残して、ケシ、大麻を総て切り倒させたのです、これで良いじあろうと言って建屋に戻り1人10両を慰労金、
じあと渡して村に戻るのじあと言って解放したのです、15人を引き立てて城下に戻り奉行所に行きこいつらは大麻山で阿片の製造をやっていたので捕縛した牢にいれよと言って牢に入れ、
て、

牢をみると政吉達がいないが開放したのか、阿波屋とつるみ数々の不正を働いているのじあろうというと、おのれ、もはやこれまでだ生きて奉行所を出すなと奉行が言うので、諸国巡察視、
に逆らえばお家断絶打ち首じあぞ、それでも良いならかかって来いと言うと、みんなは、ハハハッと言ってひざまづいたのです、奉行がわしの命令が聞けんのかとわめくので、みんなは、
徳島藩が大事じあそうだと言うと、

刀を抜き切りかかってきたので横合いから伊衛門が払うと、ぎや~と言って刀を落としたので峰で肩を打つと後ろに倒れたのです、誰か国家老と目付けを呼んで来いと言うと、ハハハッ、
と言って同心が呼びに行ったのです、国家老の中前に御座りますと言うので、これを見ろと賂の書付をみせて、阿片の密売は藩ぐるみかと聞くと、とんでもありませぬと言うので、ならば、
次席家老、郡奉行を、

即刻召し取り、阿波屋、政吉一党を捕縛しなされと言うと、承知しましたと言うと目付けに手の者をつれて、次席家老と郡奉行を召し取って来い、同心達は阿波屋、政吉達を捕縛くしろと、
言うと、それぞれが奉行所を出て行ったのです、中前がわたしが腹切ってお詫びします、なにとぞ徳島藩をお助けくだされと言うので、そなたが腹を切れば事は公になる、大麻とケシは、
総て切り取ったと言うと、

それではご自由に仕置きしてくだされと中前が言ったのです、全員を捕縛してきたので、白州に座らせて、ケシを栽培して阿片を製造して売りさばくとは言語道断である、表沙汰にならば、
徳島藩は改易となるぞ、次席家老、町奉行、郡奉行は隠居申し付ける、家禄は半減として嫡子に相続をゆるす、半年謹慎しろと言って、阿波屋の蔵にある阿片は総て破棄しろ、本来ならば、
資産没収の上磔獄門じあが、

不正に貯めた金寸を総て差し出すなら命は助けてやるがと言うと、ハイ、総て差し出します、どうか命だけはお助けくださいというので、それでは蔵にある、阿片、金寸を総てここへ持っ、
て来い、縄を解いてやれと言って倅も連れて来いと言うと、店に取りに帰ったのです、政吉お前も金寸を総て差し出せば命は助けるがと言うと、ハイと言うので、取りに行かせたのです、

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