第108話

文字数 2,901文字


源三郎江戸日記(弟四部)108

殿はどうでしたと聞くので、わしはあまり欲がないから、少しの金でよかったのじあよ、ソロバンも出来るし剣術の出稽古で小銭を稼いでいたから、不自由はしなかったが、大名の部屋、
住みとなるとそう行かぬ、町は歩けないし稼ぐ事も出来ぬからのうと言うと、名門に生まれるのもよしあしなんですねと酌をしたのです、準備できましたと飛猿が来たので船に乗り込み、
上杉の上屋敷に行ったのです、

屋敷に行くと江戸家老がこれはご老中、殿は米沢ですがと言うので、忍びらしき盗賊が江戸を荒らしておる次に狙うとすればこの辺なので、金蔵に仕掛けをして捕らえたいので手を貸し、
てくれと言って金蔵の鍵を開けさせて、飛猿頼むぞと言うと、出来たらお知らせしますと言うので、奥座敷に行くと腰元が茶を出したので、どうだ米沢藩はと江戸家老に聞くと、順調に、
御座います、

お陰様で蓄えも4万両に達しました、先の徳政令では借財は半額にしなかったので、全員が利息は5分にしてくれましたと言うので、それは良い事をした、突然の出費になれば借財も必用、
になるじあろう、ところで千坂殿はどうされておると聞くと、殿より江戸家老にとの話しがありましたが、一門を抑えられるのは自分の役目だと辞退されたので、それがしがやっていま、
すと言うので、

それが賢明じあ、油断すると又鎌首を持ち上げるからな、どうだ世継の治道様は利発かと聞くと、守役が千坂殿なれば間違いなく利発にお育ちになるでしょうと言うので、折角財政を改革、
しても次の代で浪費すれば又昔のようになるからのう、藩主の教育は大事じあなと言ったのです、才蔵が出来ましたと呼びに来たので行くと、才蔵がここに棒があります、少し出ています、
がこれを引いて、

鍵を開けて中に入れば仕掛けは動作しません、そのまま開けると上から網が落ちてきて呼子がなりますと言って、やってみましょうと言って、棒を引き才蔵が鍵を開けて中に入ると網は、
落ちてきません、もう一度と外に出て、こんどは棒はそのままにして鍵を開けて入ると、ドサ~と網が落ちてきて才蔵が網にからまり、鳴子がなったのです、この通りこの網から抜け出、
る事は出来ませんと言うと、

飛猿が網を外すとやっと出れたのです、もう一度仕掛けなおして、下から覗けばわかりますが気づかないでしょうと言うので、勘定奉行わかったかと聞くと、ハイ、凄いしかけですねと、
言うので、この蔵を開ける者以外には教えてはならぬと言うと、承知しておりますと言うので、捕らまえたら南町の与力山田新之助に門前取りさせよ、忍びならその前に自害するやも、
知れぬが仕方ないじあろうというと、

承知しましたと言うので、それでは宜しくなと頼んで薩摩屋敷に行き、同じ仕掛けをして、深川の料理屋に戻ったのです、飛猿と才蔵に5両づつ渡して、ご苦労じゃった今日はこれで、
骨休みして来いと言うと、有難う御座います、金は余っていますがと言うので、邪魔にはならぬ遠慮するなと言うと、受け取り、店を出て行ったのです、七衛門と若狭屋の隠居が待っ、
ていますと言うので、

部屋に行くと、若狭屋がお戻りなされませ、又明日から尾張にお出かけとかと言うので、役目じあから仕方ないのじあと言うと、昨日まで横浜にいましたが、宗春様と思われる人物が、
旅籠に泊まっていました、お供が5人に学者風の人物1人です、あやめの料理屋に顔を出したそうです、左肩を吊っていたそうです、七衛門から先程話をききまして、宗春様一行では、
ないかと思いますがと言うので、

わしが着いて2、3日後に名古屋に着くじあろうと言うと、七衛門が相手は尾張の乱暴者です、やはりこちらも人数は揃えて花火爆弾を用意した方が宜しいのでは、最低でも数百人が宗春、
の味方をする可能性がありますと言うので、そうじあな、佐倉藩は1000人近くを動員した、尾張は60万石で万人は藩兵がいるが、藩主ではないので数百人と言うところじあろう、まあ、
300人から500人じあなと言うと、

ならばこちらも50人用意し、発射筒50個を用意して2発づつ100発を打ち込む必用があります、それに炸裂弾を2発づつ100発を打ち込み、敵の鉄砲隊は山形様に殲滅してもらえばどうです、
かと言うと、鉄砲は50丁は用意すめるじあろう、鉄砲の弾込め要員が5人必用じあな、55人に山形達5人、わしとエミ、七衛門、仁蔵で63人と言う訳じあが、船子は集められるかと聞くと、
ハイ江戸に沢山います、

選抜しましょうと言うので、花火弾は糞ではなく唐辛子を真ん中にいれて、目潰し弾にしょう、予備を含めて200発あれば良いじあろう、花火師の頭を呼んできてくれと言うと、承知と、
七衛門が出て行ったのです、若狭屋が尾張藩との戦ですかそれは面白そうですなと言うので、治水祭りとでもしますかなと言ったのです、辰三ですと入って来たので用意できるかと聞、
くと、

発射筒はあります、花火も夏用に500発は出来ています、200個真ん中に唐辛子をいれるのはこれからかかれば造作ないです、明日の朝には用意できますが、唐辛子はと聞くので、七衛門、
が交易用に蔵にあるのですぐ用意出来るぞと言ったのです、若狭屋が目が見えなくなりませんかと聞くので、一時的に目が見えなくなるが、害はないので一日もほうおつておけばなおるが、

戦闘不能にはなるぞ、愕くじあろうというと、戦にお使いになるので、と辰三が言うので、そうじあよ、新しい武器と言うわけじあ、発射筒にはいつもの通り、角度計をつけておいてくれ、
又普通の花火100発もいれてくれ、代金は弾むぞと言うと、ヘイ、夏の前に儲けられます、有難う御座います、全員でやりますと、部屋を出て行ったのです、若狭屋がこんどは唐辛子弾で、
すか、

尾張の藩士は総崩れになりますなと笑うので、祝杯を上げたのです、七衛門が仁蔵を連れていきます、25人づつ二手に分けますというので、左横と後ろに回りこみ、前面からは銃撃それが、
終われば側面と背後から花火弾と炸裂弾を打ち込めば支離滅裂となり逃げ惑うじあろう、いつものとおり切りあいはわし達に任せておけ、上陸は人足の格好をして治水現場に行くように、
みせかけるのじあ、

場所は後で指定するので、そこに隠れていてくれ、わしが誘い込むぞ、馬のムチに赤旗をつけておく、それが指揮棒じあ、敵が混乱したら宗春達に突撃して拉致して城に連れて行き引導、
を渡そう、新井白石も一緒のはずじあ、合戦の名は木曽川治水記念合戦祭りとすると言ったのです、さつき船子に言いましたら我も我もと張り切って仁蔵に入れてくれるように言って、
いましたよと言うので、

頼りになる傭兵達じあなと酒を飲み干したのです、宗春達は今頃どこですかねと聞くので、箱根あたりで何も知らずに湯に入っているじあろうといって、尾張の江戸家老が早飛脚で国家老、
に毒殺の陰謀を伝えたはずじあ、国家老の安藤は事の発覚を恐れてその医師を始末するじあろう、それが証拠と言う訳じあよと言うと、それではその付家老も一味ですかと言うので、いや、
違うじやろう、お家の不始末を隠す為にやるのじあよと言ったのです、

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