第22話

文字数 2,665文字


源三郎江戸日記(弟四部)22

琉球王がよくきてくれた、多大な寄進ありがたく貰うておくぞ、この金寸は財政改革のために使う事にしょう、沢山の改革を指南してくれたそうじあな、琉球王国の威信を取り戻し薩摩、
とも上手く付き合っていくぞ、将軍にもよしなに言うてくれと言ったのです、老臣が王よりこの懐剣を賜りますと言うので、ありがたく拝領いたしますと受取り、琉球王国が豊かになる、
事を願っています、

是非とも外国から原料を買って、それにて物を作り、出来た物を外国に売るのです、琉球の民は手先が器用の者も沢山いると聞きます、必ずや外国を凌駕する物が作れると思いますと、
言うと、それが上手くいけば日本国の為にもなるのじあな、国をあげて奨励するぞと琉球王が言ったのです、それではこれにて江戸に戻ります、息災にお過ごしくだされと言うと王宮、
を下がり、

覚兵衛の店に行くと、まだ何かと言うので、言うのを忘れておったが、奄美大島の砂糖もそなたが専売しているのじあろう、来る時に毎日2石から5石に増産する工夫をしておいた、又、
琉球にも倍に増産できるように指南したぞ、琉球ではガラスの原料を外国から買うてガラス細工で製品を作り、大阪、江戸で売るのと、外国に売れるようにすればそなたは大儲け出来、
るじあろう、

又大隅屋、薩摩屋の船に琉球から4日で大阪、6日で江戸まで行けるように工夫しておいた、この速さで運べれば商売も増えるであろう、これからは儲けるだけでなく、その金を投資し、
てみんなの為になにるようにしてくれんかのうと言うと、そうですか、しかしどうしてそこまでと聞くので、太平の世も100年続いておる、世が平穏なればそなたも商いで儲ける事が、
出来るのであろう、

商人だけが儲けて武家が没落すれば、世の中が乱れて戦国乱世に逆戻りするのは目をみるより明らかじあ、さすれば、又大勢の人が死んでいくのじあ、そんな世はだれも望んでいない、
のだよ、そなたの不正を立てにとり、店を取り潰して財産を没収する事は簡単じあが、そんな事すればそこに奉公して糧を得ているものと家族は路頭に迷うであろう、武士を切腹に追、
い込めば、

その家族も路頭に迷うであろう、それをしない為に諸国を巡察して改革しているのじあよ、そこにいる民が飯も食えなければ、これも騒乱が起こりやがては大きな世の乱れとなるであ、
ろうと言うと、恐れいりました、これからは、琉球、薩摩の民の為にも助力をしていきます、どうもそれがしは欲に目がくらんでいたように御座います、この国で外国に劣らない品が、
出来るように、

手前も出来る事を考えます、村上様のお手伝なが出来るならなんなりとお申し付けくだされと言うので、琉球は水不足が深刻と聞く、水源から用水路をつくるか、多くの井戸を掘る必要、
があるのだそうだ、常正殿に優先してやるように言っておいた、そなたも力を貸してやるがよいと言うと、承知しましたと言うので、これで琉球への巡察は終わりじあ、多額の寄進のお、
かげで助かったぞ、

体には気をつけて商いに励むが良いと言うと、店を出て海岸に行き小船で千石船に乗り移ったのです、海岸には常正はじめ大勢の人が見送りに出たので、手を振ると、常正の隣でリンも、
大きく手を振っていたのです、それでは薩摩に戻るぞと言うと、船頭がイカリを上げよ帆を張れと命令すると、船は白波をたてて走りだしたのです、覚兵衛も見送りに出て手を振り常正、
に心の大きい方ですねと言うと、

しかし、覚兵衛殿は大損で御座ったなと常正が言うと、何のわたしの欲の皮をはいで下されたのです、これからは常正殿に助力しますぞと言って、なんともさわやかな人でした、しかも、
あの剣の強さには恐れ入りました、薩摩の示現流の達人がていもなく、叩き潰されたのを見て鬼人かと思いました、よく、この首が繋がっていますよと笑ったのです、損した分は直ぐに、
取り戻せますよ、

砂糖も倍の収穫がみこめますし、ガラス細工はシナに習得に行ってきます、薩摩に武器は禁止されていますので、シナの空手、棒術も習得して琉球に広げます、民も自信を取り戻すで、
しよう、民がやる気を出せば国は豊かになります、さすれば薩摩の為にもなるのです、今までは武力により押さえつけらている被害者と思うていましたが、外国からの侵入を防ぐ後ろ、
だてと思えば良い事に気づきました、

琉球国だけが独立と言うても、エゲレス、メリケン、オランダ、イスパニア、シナには通用しませんからな、仲良く共存する事が大事だと気づきました、総てあのお方のお陰ですと言、
ったのです、リンがいままで大和の男は嫌いでしたが、大和にも良い人がいると気づきました、あの方の種が宿っているなら必ず産みますというので、どうやら会った人全員が惚れた、
みたいですねと覚兵衛が言ったのです、

源三郎が琉球本島のほかに沢山の島があるのだった、遠くの島までは薩摩、琉球の政はいきわたっていないじあろう、とんでもない悪党がぎゅじっているかも知れぬ、石垣島にでも寄っ、
てみよう、七衛門石垣に船を向けてくれと言うと、七衛門が船頭に船を石垣島に向けよと言うと、承知しました取り舵一杯と言って方向を変えたので、ここからは100里で2日かかります、
がと船頭が言うので、

急ぐ旅ではないので一回は行ってみる方が良いじあろう、そこから50里が台湾だ、南蛮人が居つくと困るからな、何か工夫をしてこようと言ったのです、熱い国はマラリアと言う病気が、
あり、蚊が移して回るそうじあ、みかんの皮の汁か葉っぱの汁を体に塗っておけば蚊に刺されないぞ、蚊はみかんの臭いが嫌いなそうだ、上陸したらみかんの木を探そうと言ったのです、

本土は冬なのにここら辺は夏じあな、随分遠くに来たと言うことだと言うと、山形が琉球は本島から100里も離れている石垣島が必要なんですかね、金でもとれれば別ですがと言うので、
交易の中継場所として必要じあったのだよ、交易による利が琉球の大きな収入であり、島が琉球の物だとすれば、その周りの海も琉球の物となり、海で取れる海産物は琉球の物と言う訳、
じあと言ったのです、

二日目にいきなり空が曇ったと思うと大きな粒の雨が降ってきたのです、南の海特有の現象です、直ぐに晴れますよ、風呂の代わりです水浴びをして下さいと言うので、みんなで下帯、
一つになり体を洗ったのです、雨は直ぐにやみ、かんかん照りに戻ったのです、なる程風呂の変わりか中々気持の良いもんじあなと言うと、船頭が海水では塩が残ってベト、ベトしま、
すからねと笑ったのです、

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