第4話

文字数 2,672文字


源三郎江戸日記(弟四部)4

今上様が言われた方法でも金の産出量は上がります、大名は半分藩に入るとなれば、こぞって、金銀山開発を手がけるでしょう、64州の各藩が手がければ、少しの金銀山でも全国にすれ、
ば莫大な量になります、この国にはまだまだ沢山の金鉱脈はあります、各大名は自国領にて金銀山が見つかれば、幕府に接収されるとして手控えているのです、どの藩も財政は窮乏して、
います、

開発に全力を挙げるはずです、又現在ある事がわかっていても財政が窮乏している為に手が出せないのです、薩摩藩領の串木野には有望な金鉱脈、佐渡に匹敵するのではないかと言う噂、
です、これの開発に幕府から5万両を下げ渡して薩摩にやらせて、半分を納めさせるようにすれば良いのです、恐らく開発は2万5千両くらいで済むでしょう、後の2万5千両は褒美と言う、
訳です、

薩摩は上様に感謝して全力で開発するでしょうと言うと、間部がそのような話は聞いていませぬがと言うので、率先して幕府に話す藩などあるはずはありませぬと言うと、家宣が薩摩に、
開発の願いを出させねば、幕府が押し付けた事になるのでまずいなと言うので、それがしにお任せくだされ、必ず幕府に届けて開発願いを出させますと言うと、あい、わかった、源三郎、
頼むぞと言って御座所を下がったのです、

間部が助かり申すと言うので、白石に算術だけではなく世論が相場を動かす事がお分かりですかと言うと、それがしは方策を尋ねられたので答えたまでで御座る、後の施策は幕各の重臣、
方の役目でござるとへそを曲げたので、土屋がなにを無礼な、学者なら総てを考えて上申すべきであろう、それこそ、馬鹿な考え休むに似たりと言うのじあ、そなたは儒学だけ勉学して、
おれば良いのじあと言うと、

白石が真っ赤な顔をして怒りをあらわにしたので、間部がまあまあとなだめて御座所を下がったのです、土屋があれくらい怒らせれば良いかなと言うので、秋元が土屋殿の攻撃はまた、
凄いですなと笑ったのです、しかし、結局は尻拭いは源三郎じあなと言うので、上様に頼まれれば致し方ありませぬと言うと、上様は源三郎を抑えに使うつもりなのじあな、利口な、
お方じあなと秋元が言ったのです、

2人がそれがし達のやれる事はと聞くので、今日瓦版にて串木野に佐渡と匹敵する金山があるらしいので、この金採掘が上手くいけば金が大量に産出され、小判の改鋳は金の含有量を増、
やして世の中に出回るので物の価値はもう直ぐ暴落するとかかせます、商人は物価が下がる前に売りさばこうとしてあっと言う間に価格は元に戻りますよ、薩摩は慌てて、串木野金山の、
開発願いを幕府に出します、

お2人方はこれは幕府の秘密事項じあが、源三郎が漏らしおったと、越後屋と江戸屋に言うてくだされ、越後屋と江戸屋には仲間の商人が損をしないように、本当だと伝えたほうが良い、
と言うてくだされと言うと、なる程瓦版か良い方方じゃな、わかった、早速教えようと言ったのです、城を下がり玉屋に行くと、お久ぶりです、今回は大名におなりになり、老中に向か、
えられたと聞きました、

おめでとう御座ります、早速瓦版が役に立ちますかと言うので、串木野金銀山の話をすると、それを流しても良いのですかと聞くので、目的を言うと、なる程商人は慌てて物を売り裁き、
ますね、分かりました、夕刻には町中にばら撒きますよと言うので、飛ぶように売れるじあろうというと、ハイ、大儲けですというと、5両を渡して、少ないですがこれは情報料ですと、
言うので、

受取り、今日の酒代がでたぞと笑ったのです、しかし、その格好でお城に登城しているのですかと聞くので、城に羽織、袴、裃を置いてあるのじあよと言うと、そんな地味な格好をして、
いる老中は村上様だけでしょうと笑ったのです、供の者と馬は屋敷に返して久しぶりに居酒屋に行くと、おみよが土下座しょうとするので、これやめなさいと言うと、でも源三郎様は、
お大名で老中なのでしょうと言うので、

タダの浪人じあよと笑うと、そうですか、ここでは今までの源三郎様ですねと言うので、いつもの奴と言うと、太ったイワシがありますと言うので、それを頼むと言ったのです、おみよ、
が酌をするので飲み干し、いわしを口に入れて中々美味いぞと言うと、今日は誰が払うのですかと聞くので、その内誰か来るじあろう、こなくても、玉屋の原稿料を5両貰ったから金は、
あるのじあよと言うと、

もう稼いで来たのですかと言うので、今日の瓦版は面白いぞと言うと、瓦版も値上げしているのかしらと言うので、このいわしも上がっているのかと聞くと、軒並み上がっていますよ、
幕府のお偉いさんは何をといいかけて、いけない、源三郎の旦那もその1人だと言うので、それを下げる瓦版じあよと言うと、瓦版で物の値段が下がるのですかと不思議な顔をしたの、
です、

ところでおみよは嫁には行かんのかと聞くと、ほら、板前の諭吉を婿に来て貰ったのですよと言うので、そうか、ここに奉公していた諭吉かと聞くと、ハイ、今調理場にいますと言うの、
で、それでは、ご祝儀じあと5両渡すと、こんなにと言うので、飾り物でも買うと良いと言うと、ありがとう御座います、今日のお足はいりませんよと喜んだのです、調理場に諭吉を呼、
びに行き、

傍に来てだんな宜しくお願いしますと言うので、仲良くしろよ、美味い物を食わせてくれと言うと、江戸前のアナゴがあります、白焼にして出しますと言うと、傍を離れたのです、良い、
者に婿に来て貰ったではないか、後は子供を早くつくるのじあなと言うと、ハイ、と嬉しそうです、飛猿と才蔵が来たので、護衛ご苦労じあな、まあ座れと言って座らせておみよの酌で、
杯を重ねて、

お前達の家禄をそれぞれ150石にするぞ、配下を奉公させるが良い、役宅に入り嫁を迎えよと言うと、ありがとう御座います、さつそく、根来衆、伊賀衆に声をかけて配下にしますと言う、
ので、その他に役料50石を取らせる、他に費用がいらば、用人に言うが良いと言うと、殿の家来で良かったです、と言うので、交代で根来、伊賀の里に戻りつれてまいれと言うと、ハイ、

早速、頭に報告かてら手勢を頼みますと言うので、頭が喜ぶじあろうというと、ハイ、忍びで100石以上に取り立てられるのは稀ですと言うので、お前達のこれまでの働きじあよと言うと、
次はと聞くので、尾張の木曽川の治水工事じあろう、その時が来たら先に行って貰うぞと言うと、承知と言って傍を離れたのです、駒菊が入って来て、いたたいたと言って小上がりに座、
って酌をするので、

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