第67話

文字数 2,681文字


源三郎江戸日記(弟四部)67

わしは先に帰るので二人は酒でものみゆっくり語らうが良いと言うと、席を立ち屋敷を出て深川に向かったのです、屋敷に戻り江戸家老に真田幸長の牧野家の鶴姫との縁談を申し込みに、
行くように言いつけると、明日でもわたしが申し入れしてきますというので、なかなかの好青年じあ、幕閣に加えれば良い施策を出すであろうと言ったのです、お玉にもはなすと殿が、
そう思われるのなら、

大した人物なのですねと言ったのです、源之助が入って来て、お戻りなされませと言うので、剣の腕は少しは上がったかと聞くと、自分ではわかりませぬ、お父上が見てくださりませと、
言うので、ならば見てやろう用意をせよと言って庭に出て、竹刀を構えると、間合いを縮めたのでえ~いと振りおろすと胴と言って胴を払い右に駆け抜けたので、うぬ、いつのまにそん、
な技をと言って、

見事じあ油断したなと笑うと、手加減は厭ですと言うので、手加減ではないまさかよけないで懐に入るとは思わなんだよ、次からはそうはいかぬぞと言うと、それでは次は違う手を使い、
ますと言うので、よくよく考えよと笑ったのです、お玉が油断なさりましたなと笑うので、抜き胴とは恐れ入った誰が教えたのじあと言うと、それは剣術指南役の戸田一之進に御座いま、
すよと言うので、

そうか一之新か戸田先生に言うて我が藩にきてもろうたが、今度は巡察に連れて行き先生の墓参りをさせてやろうと言うと、前回西国でしたので残念がっていましたよと言うので次は、
四国じあから、高鍋にも寄れるぞ、父上は隠居されて高鍋におられる、母上は源四郎と旗本屋敷に住んでおられる、400石貰ろうているので不自由はないじあろうというと、一門にお迎、
えなされませと言うので、

いやあ奴はその内長崎奉行として赴任してもらう、色々頼みたい事があるでのうと言うと、母上が寂しがりませんかと言うので、妻女もいるのじあ寂しいもんかと言ったのです、そなた、
の父上は元気かと聞くと、隠居なさりましたが元気で御座ります、参勤交代で高鍋に行き余生は高鍋で暮すと言うていますと言うので、兄上は病弱じあからなと言うと、嫡子は2人おり、
ますので心配いりませぬと言ったのです、

実は殿わたしは懐妊しております、産み月は来年の6月に御座いますと言うので、そうか、それは目出度い大事にせよと言うと、江戸屋が娘を奉公させたいと言いましたので、今お春、
の部屋子をやらせています、今夜でも夜伽をさせますが出掛けられますかと聞くので、出掛けるが戻ってくるので良いぞと言うと、ハイ、みなが喜びますと言ったのです、お玉は無理、
はするなよと言うと、

まだ大丈夫ですよと笑ったのです、御座所に行き江戸家老を呼んで、今回の損出はいか程でたと聞くと、最安値の時になった2月ですが、およそ1200両ですが、殿が下された儲け分4000、
両ありますので、結局は2800両増えた事になります、国元の米の成長も順調で秋には例年とおりに収穫出来ると事です、物産会所も順調です、芋も沢山植えているそうですと言うので、

少しは両替商か札差から借用して、利息をはらへよ付き合いじあからなと言うと、2万両程は借用しております、利息は5分にして貰っていますと言うので、それでは1割りにしても大丈夫、
じあなと言うと、ハイ、しかし何も上げなくてもと言うので、その内そうなるのじあよと笑ったのです、料理屋に行き七衛門を呼んで、若狭屋、相模屋、越後屋、江戸屋を呼んでもらい、

集まって貰ったのは他でもない、幕府は近々徳政令を出して、大名、旗本の借財を半分免除するように言うてくるぞ、みんなは大丈夫かと聞くと、なんと言う事をと言うので、わしも老中、
じあが、合議制なので意見は通らぬというと、今回も殿が相場を操作して価格を元に戻して切り抜けたのに、何と言う人達ですかと相模屋と越後屋が怒るので、そこでじあが、今まで利息、
を5分にしていた所は、

1割りに戻してもらうように頼むが良い、みんな聞いてくれるじあろう、さすれば被害は少なくなるであろうと言うと、若狭屋がこの時に備えて5分にするように言うたのですな、これは、
気づかなんだ、そうすれば、殆ど被害はありませんなと言うと、みんなが、なる程1年上げて貰えば、貸す金には困らなくなりますと言ったのです、江戸屋は大分設けただろうからなと、
言うと、

ハイ、もし手元が足りないなら無利子でお貸ししますよと言うので、もしもの時は頼みますと若狭屋が言ったのです、七衛門はどうじあと聞くと、殿の言う通りに動いてわたしも儲けま、
したから、大丈夫ですが、みんなは困るでしょう、相当の貸し渋りになって、金が回らなくなりますねと言うので、米の価格は統制することにしたので、地金を外国に売り洋銀を手に、
いれて、

長崎交易を盛んにして俵物を沢山輸入させよう、そして品物を溢れさせれば価格はあがらないじあろう、シナは銅が欲しいので洋銀か金なら交易を認めるようにすれば金が戻って来る、
わけじあ、南蛮はシナからの輸入が多くて洋銀はシナには沢山あるのじあよ、さらに地金を国内向けに放出して金細工を盛んにする、さすれば幕府の金蔵には小判が集まるじあろう、
その金を改鋳して治水工事、

開発に振り向ければ金が回るようになる、大体年に30万両分放出すれば金が回るようになる、大名、旗本が借りて散在するのも金が回るゆえんなのじあよと言うと、なる程良い施策です、
が他の老中がそこまで分かりますかなと言うので、問題はそこじあが、打つ手がないのでわしの言う事をきくじあろう、大名に、旗本に貸した金はそこにはなく市場に出ているので流通、
している金には入らない、

単なる復讐の貸し渋りが起きるだけじあのじあよ、ここにいる者は融通しあえば、貸す資金は調達できるので、こんどはちゃんと利息を払うように年払いではなく月払いにする事を条件、
に貸すのだ、大口に貸してはいかん、大口に貸すとすぐ浪費してしまうので、一月に入用分のみ貸すのじあよ、大口は返済計画書と担保を吟味して貸すようにすれば良い、大名、旗本の、
浪費を防いでやるのも親心じあろうというと、

なるほどちゃんと返済できるように教授するのですな、本当に困るので商人の言う事も聞くようになりますなと若狭屋が言うとみんなが頷いたのです、今日は儲けたのでわしの驕りじあ、
みんなで出陣祝いをやろうといって、女将に膳の用意と芸子を呼ぶように言うたのです、若狭屋どうだお律はと聞くと、ハイ、しっかり奥を束ねて旦那の尻を叩いていますよと言うので、
徳政令なんて聞いたら、

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