第27話

文字数 2,720文字


源三郎江戸日記(弟四部)27

飢饉対策にもなるのじあな、そこに目をつけるとは恐れ入った方じあな、これで、干ばつの飢饉でも餓死者を出さなくて済むわい、殿がお喜びになるじあろうと言ったのです、お前達30人、
はていもなく叩き潰されたのか、恐ろしく腕の立つ者達のようじあな、上様が外様の家老から大名に取り立てられただけあるわい、あのような方が老中なら幕閣も大名潰しは控えるであろ、
う、

知恵を借りて藩政改革をせねばならぬ、芋から出来る物産を考えてもらおう、鶴田お詫びとお礼を兼ねて最大のもてなしをするのじあ、お断りにはならぬであろう、後で殿にもお忍びで、
顔を出してもらうぞ、そそうのないようにな、そそうすれば間違いなく切腹じあぞ、芸者も美形を揃えるのじあ、蓄えた金寸は目を瞑ってやる、費用はそなたが出すのじあと言うので、
鶴田が承知しましたと言ったのです、

源三郎は大田屋に行き、話をすると、私にお任せいただけるのですかと言うので、そなたなら公正にやってくれるじあろう、総てまかせるぞ、芋の作付けの指南も詳しい者に頼んでくれ、
と言うと、芋ですか上手くいけば飢饉時に餓死者を出さずに済みますと言うので、阿蘇の麓で沢山馬を放牧しているのじあろう、緊急時にには食するのもやもうえまい、朝鮮の役の時、
加藤清正公は、

軍馬を食して餓えをしのいだと聞く、江戸幕府になるまでは熊本では盛んに食していたと聞く、江戸時代になっておおぴらに食う事は出来なくなったが、緊急時にはやもうえまい、幕府、
がそれが理由で熊本藩を改易にする等あり得ない事じあと言うと、そうですねそれも藩に許して貰いましょうと言ったのです、玄海屋の博多、大阪、江戸便を熊本まで延ばしてもらおう、
それで注文された米を運ばせる、

帰り船に熊本の特産を玄海屋に売れば良い、芋、焼酎、芋で作った御菓子類、高菜漬け、これだけの領地があれば美味しい茶葉の取れる所もあるじあろう、後は薬草じあ、これは細川公、
が薬草園をつくり栽培したものと、百姓から買い上げたものを加工して売れば良い、そこで働くものは微禄の藩士、並びに妻女、子供達にすれば家計の助けになるであろう、百姓から集、
める役目と、出来た物を玄海屋に売る役目をして、

利ざやを稼げば良い、米だけではなく何でも扱うのじあよ、薬草と馬だけは藩の専売にすれば良い、馬のセリは商人に任せるのではなく、競り場を藩が運営するのじあ、セリに参加する、
ものは生産者を除いて、安い参加料を幅広く取るのじあ、生産者からは年貢を取っているが、買った商人からは取っていないじあろう、そこでセリ落とした価格の合計の1割りの冥加金、
を徴収すれば、藩の財政の一翼となるじあろう、

馬の値段は安くても二両はするじあろう、一回のセリでも相当冥加金が集まるはずじあ、薬草園では朝鮮人参を栽培すれば高値で取引されるぞ、朝鮮からもってくるよりは随分安いがの、
う、この本に薬草の種類が図いりで書いてある、だれでも採取できるぞ、後ろには南蛮の外科手術方法が書いてある、医師でなくても出来る、医師も欲しがる本じあ、医師のいない村で、
は庄屋にやらせれば良いと言って渡し、

これを写本して各村に配ると良い、薬草の絵は上手い奴に写してもらうのじあと言ったのです、それからこれは山クジラの肉からハムと言う物を作る方法じあ、日持ちするので保存食に、
良いぞ、居酒屋、料理屋にうれば儲かるぞとこれも渡したのです、このくらいやれば藩財政も立ち直るじあろう、武士に任しておいても武士は商いをするのは卑しいと思う馬鹿共じあ、
から上手くいきやせんよと言ったのです、

大田屋が目を丸くしています、承知しました細川様の為と、百姓の為に人肌ぬぎましょう、手前も儲かる事です、お殿様はまるで商人みたいですなと言うので、諸国巡察視は悪人を退治、
するのが総てではないのじあ、その藩を立ち直させる為に指南するのも役目なのじあよと言ったのです、奉行がやって来て、お礼に一献差し上げたいのです、細川の殿様もお忍びで顔、
を出されるそうですというので、

あいわかった、色々藩政改革の事を大田屋に頼んだので連れて行くぞと言うと、ハイ、構いませぬと言うので、後で旅籠に迎えに来てくれ籠はいらぬぞと言うと、承知しましたそれでは、
後ほどと言うと帰っていったのです、それでは旅籠に帰り湯に入りサツパリしょうと言って、店を出て旅籠に戻ったのです、湯に入りサツパリすると、みんなも帰って来たので巡察は終、
わりじあ、

今日はは町に出て楽しめ、軍資金はあるかと聞くと、この前貰ろうたのが沢山ありますと言うので、博打で巻き上げた金じあ、みなに後10両づつやろうと渡したのです、飛猿と才蔵にも、
渡して火の国の女子も良いそうじあぞと言うと、こんなに楽をして宜しいのでしょうかと言うので、随分危険なめに会うているので良いのじあよと笑ったのです、幕府は一銭も出さなく、
て良いので、

上様はさぞかし喜ばれるじあろうというと、没収した金寸を貯めておけば莫大な金寸になりますよと山形が言うので、金は回さなければならぬからのうと言って、飛猿この旅でいくら、
稼いだのじあと聞くと、およそ50両です、殿にはかないませんですと言うので、今日のはお前が目を出したのじあろうと言うと、それが全然代えてないのですよ、なぜ殿の掛ける目が、
でるのか不思議です、

今日の480両は殿の腕ですよと言うので、まぐれ当たりじあよと笑うと、それにしても良く当たりますよと言ったのです、わしは奉行が迎えにくるそうじあ、みなは遠慮せずに出掛けろ、
と言うと、それでは行ってきますとみなは部屋を出て行ったのです、女将が幕府のお偉い方とは知らずに余計な事を言うてしまいましたと言うので、そのお陰で米の値段が元に戻った、
のだよと言うと、

ハイ、町衆は大喜びしています、この旅籠も明日のにぎりめしはみなさんに持っていってもらえますと言うと、女中が殿様に迎えがきていますと言うので、降りていくと奉行と大田屋、
が来たので後をついて行くと、大きな料理屋にはいったので、見事な作りの料理屋じあなと言うと、大田屋が城下では1、2を争う料理屋ですと言うので、そうじあろうなと言うと、

女将がおいでなさりませと座敷に案内したので座ると膳を並べたのです、フスマが開き5人の芸者がおいでなされませと言って挨拶して傍に来て酌をしたので、杯を重ねたのです、中々、
の美形な芸子じあのうと言うと、傍についていた芸者が有難う御座ります、はまゆうと言いますと言うので、ほう肥後は火の国じあからからくにとでも言うのかと思ったら、はまゆう、
とは日向に咲いている花の名前ではないかと言うと、

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