第6話

文字数 2,710文字


源三郎江戸日記(弟四部)6

土屋が上手く行きましたなと言うので、白石はこれも面白くないのですよと言うと、源三郎に感謝するのが筋じあが、学者の面子が許さぬのじあろう、そなたは損な役割じあなと土屋が言、
ったのです、秋元が薩摩には気をつけなされ、琉球での圧制が発覚しないように何かをするかもしれぬと言うので、琉球とはうまく付き合わぬと、中国寄りになると情報が入ってこなくな、
ります、その辺も正してきましょうと言ったのです、

根岸に寄り九州巡察に出掛けるので暫く留守にするが、お秋は子育てを頼むぞと言って、上屋敷に戻り、お玉とお春にも留守を頼むと言ったのです、山形を呼びご苦労じあが5人と鉄砲15丁、
を持参しろと言うと、ハイ、準備しておきますと言うので、屋敷を出て玄海屋に行き七衛門に言うと、準備は出来ています、今回は私が同行しますと言うので、船には1万両を積んでおいて、
くれと頼み料理屋へ行ったのです、

手紙を薩摩の江戸家老へ九州巡察の事を書き、薩摩、琉球にも寄るので宜しくとしたためて、薩摩屋敷に届けさせたのです、平田が受取り、とうとう薩摩まで行くのか、国元に早飛脚を立、
てて、決して邪魔をせず巡察してもらうようにと次席家老に言ったのです、抜荷は大丈夫でしょうかと次席家老が言うので、禁制品をやっていなければ何も言わないよと言ったのです、

翌日は船に乗り一路大阪豊後に向かったのです、山形達5人に今回は川越藩に移ってからの初めての巡察じあ、薩摩が入っているのでちと面倒じあが気をつけてくれと言うと、万事ぬかり、
ありませぬと言うので、まあ、のんびり行こうというと、七衛門が薩摩への早飛脚を頼まれましたと言うので、わしの巡察を知らせるのであろう、そのまま届けるのじあと言うと、江戸、
大阪、高鍋の船に載せましたと言うので、

それで良い邪魔するとすれば、奄美大島、琉球じあろうというと、山形が何か理由がと聞くので、奄美大島は砂糖きびの作付けしか許さないそうじあ、島民は米も食えないじあろうという、
と、なぜで御座りますかと言うので、砂糖きび栽培を優先したいからじあろう、米は薩摩も不足しておる、離島に回す余裕はない訳じあよ、砂糖きびは夏の終わりには収穫になる、稲作と、
同じ時期なのじあよ、

砂糖きびから砂糖をとる工程を簡単にすれば、稲の刈り入れも出来るはずじあ、それを指南してこようと言うと、どんな方法でと聞くので、砂糖きびをつぶして汁を取り、それを煮詰めて、
固めるのじあが、潰すのに手で回して汁を絞っている、水車を使えば簡単なんじあ、又稲の穂を外すのも手でやっているはずじあ、これも筒を回転させて金具の引っ掛かりで外すように、
すれば簡単に外せる、

これも水車か足踏みで回転させれば簡単じあが、巻き込まれて怪我しないように工夫が必要じあが、大工がいれば簡単に作れる、田んぼを耕すのは馬に大きな鍬を取りつけて、耕せば人が、
耕すより簡単じあ、牛でも良いのじあよと言うと、なる程手間が省ければ両立するわけですねと言ったのです、米も取れて食えるようになれば生産も上がるわけじあが、武士は考えつかぬ、
であろう、

自分がやる訳ではないからのうと言ったのです、琉球はシナと交易をさせてその利益を搾取しているので、それが余り過重だと領民はたまらないだろう、琉球王に納めて薩摩にも持ってい、
かれるのでは大変じあ、交易の分のみにさせなくてはいかんと言ったのです、その為に新しい殖産を増やしてシナに輸出できるようにしなければならぬ、我が国で食べてはいけない牛、豚、
の養蚕を進めて、

シナに塩づけにして売れば良い、琉球では問題ないじあろう、又蝦夷よりのコンブは高値で売れるはずじあ、寒いところのコンブは最高じあからなあ、特に水が不足するので稲作は適さな、
い地域なのじあよ、砂糖きびは薩摩が作らせているじあろう、適正価格で買い上げるようにしなければならぬと言ったのです、琉球には儀間真常と人物が今から100年前にいたのじあ、

この男がシナから甘藷、すなわち薩摩芋を琉球で栽培に成功させて、米があまり取れない島民の餓死を救ったのじあよ、それが薩摩に渡り、薩摩も白州台地で余り米が取れないのでこれが、
普及して、米があまり取れないのに飢饉時にも餓死者がでないのじあ、薩摩の武士の事を唐芋侍等と陰口を叩くが、この甘藷は飢饉時に効果を発揮するのじあよ、この男は薩摩から木綿の、
苗を琉球に持って来て、

琉球絣と言う織物を普及させて、それをシナへの貢物として喜ばれているそうじあ、王宮の高級役人なのに領民の事を考えた偉い人物じあよと言うと、幕府の老中に爪のアカでも飲ました、
いですねと言って、いけない、殿もその老中でしたと山形が言うので、構わんよその通りなのじあよと笑って、その者の足跡をたどるのも楽しみじあなと言ったのです、七衛門が博多から、
琉球の航路も開き、

蝦夷の産物も琉球に持って来て、交易の材料にして貰いましょう、さすれば、薩摩、琉球にも冥加金を納められますと言うので、そうじあな、薩摩も文句は言わぬじあろうと言うと、琉球、
の特産物も大阪、江戸で商います、珍しいので喜ばれますよと言ったのです、この船ですと175里ありますから、薩摩から2日で着きます、江戸までは7日もあれば物が運べますと言うので、
琉球人も驚くじあろう、

バナナや鳳梨も本土にもっていけるぞ、珍しいので大阪や江戸では飛ぶように売れるじあろう、琉球で栽培しているか調べてみよう、隣の台湾では、栽培しておるそうじあと言ったのです、
元はメリケンの南が原産地だそうだが、オランダ人によりインド、マカオからシナ、台湾にもたらされたそうじあと言ったのです、七衛門に大砲の改造はしてあるのかと聞くと、丸太から、
鉄の筒の発射台にしました、

どこから見ても大砲ですよ、但し弾は5尺玉ですがと言って、角度は鉄の歯車を装着して、手回しで角度を変えられるようにしてありますと言うので、甲板に並べよ、発射試験をしょうと、
言うと、船子に右舷に6門ともならべよと七衛門が言うと、船子がならべたので、まずは45度から行きますと言うと、玉をこめろと言って、放てと言うと、どか~んと6発の音がして玉が、
発射されて、

400間先に落下して、海中に落ち爆発して、海水が跳ね上がったのです、水の中でも火縄が消えないように工夫してありますと言うので、これは凄い、どこから見ても大砲じあなと言うと、
深川の花火職人に工夫して貰いました、導火線が紙の筒の中に入っていますので水が浸み込まず火は消えないそうですと言ったのです、それでは、威嚇の為このまま並べておくのじあと、
言うと、

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