第2話

文字数 223文字

 また、へんな夢。

 モーツァルトの『魔笛』の本番に、端役で出ている。

 舞台袖へ行くと、コーラスの人たち、みんなおそろいの明るいオレンジの貫頭衣のような服を着て、腰を茶色い革(たぶん合皮)をざくざく切ったベルトでしばっているのに、私だけ、ふだん着。
 えっ、と思って血の気が引くけど、楽屋にもどる時間がない。

 見あげると、
 白い巨大な帆が、温室のようなガラスの天井にふわっと広がる。

『魔笛』なのに、誰も歌っていない。
 それで『魔笛』?
 でも『魔笛』。

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